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「疑わないで」!!
今、良いのか悪いのか、疑わないで。。。
心配で、心配で、どうしても気になってしまい、
検査値や、超音波写真をネットで比較してしまう方、
どこか悪い兆候がないかどうか調べてしまう方、
気になるサインがあったら、過剰に反応してしまう方、
先読みされる方、
それは、赤ちゃんの発育を疑っていることにもなります。
赤ちゃんの発育には何の得もありません。
かえって、損していることが多いのです。
ご自身が気になることを見つけても、
多くの場合、その時点で役に立つことはなく、
不安(予期不安)を大きくするだけで、
かえって、
赤ちゃんから見て不利になってしまうのです。
あなたの過剰な緊張状態と悲観的な考えが、
子宮内の毛細血管を細くしてしまい、
赤ちゃんへの虚血が起こるからです。
妊娠されたら、もう、まな板の鯉です。
今までがんばってきたのですから、
赤ちゃんの生命力を信じて、
すべてを受け入れてみましょう。。
同じ不育症ですから
卵(染色体異常)と子宮内環境の原因によることは
同じですが、
その違いには、3つあります。
1つ目は失う時期の違いです。
(ごく初期の不育症では予定生理日前後までに失う!)
2つ目は子宮内環境の原因の出現率の違いです。
(ごく初期では生殖免疫系の原因が多い!?)
3つ目は卵の染色体異常(運命)の発生率の違いです。
(ごく初期では卵の異常の原因が70%前後!?)
卵(良好胚)を何回も子宮に戻しているのに、
なぜ育たないのでしょうか?
胎のう(赤ちゃんの入る袋)が見えるまでは
(2回以上)育っていれば、それは 「不育症」 です。
妊娠反応が出る前、あるいは胎のうが見える前に
流れてしまっていれば、
それは 「ごく初期の不育症」 と言えます。
「着床障害」とは 「ごく初期の不育症」 なのです。
秋深くなる季節、
空は高く澄んできて、
風の声が聞こえだし、
何か 切なくなるような・・・。
自分の今までの出来事が脳裏に浮かび、
胸がしめつけられるようです。
亡くした人、
離ればなれになった人、
何か 人恋しい季節です。
夫婦の染色体検査は勧めていません。
その理由は、主に、
1)費用が高いこと(夫婦で約5万円)。
2)異常があっても治療できないこと。
3)異常があっても流産率は最大約50%であること。
です。
仮に、流産されたなら、
流産内容物の染色体検査をすれば、
その結果が異常であったとき、
偶然的な異常なのか、
ご夫婦から遺伝した異常なのかが、ほぼわかるのです。
ご夫婦からの遺伝による可能性が高いとわかったとき、
そのとき、ご希望があれば、
ご夫婦の染色体検査をしたほうが効率的ですよ。
妊娠前からの過剰なストレスを避けるためにも
良いように思います。
ブログNo.176を参照してください。
当院受診の不育症患者さんについて、
平成21年5月より平成22年4月に初診で受診した
462人中83人(18%)が
体外受精を受けていたのに対し、
平成24年5月より平成25年4月では
503人中156人(31%)が
体外受精を受けていました。
「不育症」という苦しみだけではなく、
「不妊症」という二重の苦しみを背負われている方が
増えてきているのです。
その中には、もともと自然妊娠できるのに、
早く妊娠したいから体外受精を、
また、
流産を減らせるという誤解から体外受精を、
さらに、
過剰な生殖ストレスから、
「子作りのためだけの夫婦生活」 になってしまい、
かえって妊娠できなくなり体外受精を、
選択されている方が増えてきているように思われます。
そのような方のためにも、
今年11月2日(日曜日)の第9回青クリの会では、
私の講演である
「不育症・着床障害における心身両面からの
原因と治療」 において、
心身両面からのアプローチが
いかに大切かをお話しします。
また、
「妊娠力を高める体外受精以外の医学的アプローチ」
について、
(元)名古屋大学産婦人科助教授で、
(元)名城病院産婦人科部長でもある
まさはしレディスクリニック院長の正橋先生に
ご講演していただきます。
「不育症」「着床障害」と「不妊症」の密接な関係を、
ふたつの講演を通して、
より深く理解していただきたいと思っています。
妊娠(移植)すると、すぐに
つわりのような症状が現れる方がいます。
気持ちが悪い、むかむかするというような症状です。
この場合の多くは、つわりではなく、
ストレスによるパニック障害によるものと思われます。
妊娠を意識したために緊張して
パニック様症状がでていると考えられます。
ときに、動悸や息苦しさ、めまい、
流産への恐怖心が現れることもあります。
こんなときは、まず落ち着いて、
深呼吸、深呼吸です。
そして、お水をたくさん、飲んでみて。
大丈夫、大丈夫と呪文をかけるように、
赤ちゃんの生命力を信じてみましょう。
「不育症の場合、結局、
治療法はアスピリンか、ヘパリン治療ならば、
検査しなくても良いのではないですか? 」
と、いうようなご質問をときどき受けています。
そのように考える根拠は、
まず、中心的な治療法がアスピリンとヘパリン治療
しか提示されていないからだと思います。
また、検査項目だけは多くて検査費用が高い
からだと思います。
どんな治療にも、危険性がありますので、
危険性より有効性が高いと判断されたときのみに
行うべきです。
不育症、着床障害の治療法として、当院では、
アスピリン、ヘパリン治療以外に、
プロラクチン調節治療、
積極的甲状腺機能調節治療、
ピシバニール免疫治療、
支持的精神(薬物)療法
ステロイド治療(経口、子宮内注入)、
TGF-beta1抑制治療などを
必要により組み合わせて行っています。
仕切らない、指図しないこと。
お腹の中の子供のためではなく、
妊娠されている妻のために、気を使うこと。
あわてない、騒がない、無理してでも落ち着いて。
不安でいっぱいの妻のため、
縁の下の力持ち、大黒柱として、
やさしく寄り添っていてあげて。
心からのやさしい言葉、
やさしい行動が、一番の励みです。
妻にこれ以上辛い思いをさせたくない、
その気持ちはよくわかります。
妻を信じて、お腹の中の赤ちゃんを信じて、
やさしい夫でいてあげて。
すべて予防医療なのです。
将来、流産しないように、妊娠維持できるように、
そして、症状はなくても病気がないかどうか、
を調べるための検査です。
予防医療は原則、保険がききません。
3回以上流産したら「習慣流産」と言いますが、
その時だけ、子宮卵管造影検査と、
自己抗体の一部のみが保険で検査できるのです。
残りの一部の検査は、適応病名(疑い病名)があれば、
それは保険で検査できますが。
このことが、一般の病院、クリニックで
2回連続流産された時点では、
なかなか検査してくれない要因のひとつ
に、なっていると思います。
保険でできる検査、自費の検査、メンタルの分析検査、
と、ありますが、どこまで検査するかは、
ご夫婦で決めることなのです。
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