この暑さ、妊娠初期の方、
あなたと赤ちゃんのため、
1日、1.5リットル以上の水分補給を。
つわりで水分が取れにくくなったら、
レモン水か、炭酸水か、
少し薄めたスポーツドリンクが
飲みやすいと思います。
緑茶やコーヒーなどのカフェインを含む
飲み物は利尿作用がありますので、
ほどほどに。
脱水は、
子宮内の栄養細動脈(ラセン動脈)
の血液量を減らしますので
低酸素状態になり、
さらに血液をドロドロにしますので
固まりやすくしてしまいます。
子宮内の赤ちゃんには
非常に危険なんです。
家事、仕事、そして子供関係の
ストレスにより、
20~30代女性に
パニック障害の発症のピーク
があるそうです。
その比率は男性の2~3倍だそうです。
子供がほしい。
妊娠しても流産してしまう。
体外受精しても失敗ばかり。
今後、うまくいくとは思えない。
すべて卵の問題?
子宮にも問題があるのでは?
と、
どうしたらいいのかわからないとき、
まず、できることは、
疲れをため込まない。
空腹をできるだけ避ける。
そして、
いつも先の事が気になったら、
先の、
またその先まで考えてみては?
人生80~90年、
残り約50年、
人生を終えるときのあなたを
考えてみて。
そこから人生を逆算して、
今の自分を見つめ直すと、
違う切り口で
今が見えてきますよ。
日本最北端の宗谷岬から
船に乗って約2時間、
6月、利尻島へ行ってきました。
荒々しい利尻山と、
小さく 強く 可憐な高山植物は
私のこころを癒してくれました。
日本はいいですね~。
期待すればするほど、
不安が大きくなり、
胸がドキドキして、
苦しくなってきたら、
まずお水をたくさん飲んで。
大きく大きく深呼吸。
先の事を考えない。
過去の楽しかったことを思い出す。
好きな音楽なんかいいですね。
あなたはやさし過ぎるのです。
先の事まで考えられる繊細さがあるのです。
ここはちょっと鈍感に鈍感に。
流れに逆らわず!
流れに逆らわず!!
人間の受精卵が卵管でも妊娠できるのは
トロフィニンという接着因子が
関係しているようです。
受精卵がトロフィニンとhCGホルモンを
放出し、その刺激により、
接着する(普通は子宮内膜)部位
からもトロフィニンと
炎症シグナルのひとつのIL-1βが発現して、
強力な接着が起こるようなのです。
炎症の良い面として、
今年の5月には
普通は増えない心筋細胞が
炎症から回復する過程で
増殖することを
マウスの実験で解明したと、
大阪大のチームが発表しています。
2012年には、
イギリスの研究チームが
着床障害の実験的治療として、
移植前に子宮内膜をひっかく(スクラッチ)と
妊娠する確率が高くなる可能性があると
報告しています。
当院ブログNo.432 で紹介しました
「インフルエンザ予防接種は死産を防ぐ」
という内容も子宮内膜の炎症シグナルと
関係しているのかもしれません。
また、当院のピシバニール免疫療法の
理論的背景とも関係していると
考えられます。
子宮外妊娠って怖いですよね。
子宮ではなく、卵管などで妊娠してしまうと、
卵が大きくなることができないために
破裂する危険があるからです。
人間のすべての妊娠の1%ぐらいに
起こっているらしいです。
体外受精・胚移植の場合には、
自然妊娠より高率に起こっているようです。
ところで、
この子宮外妊娠という現象は、
人間以外の動物では
お猿さんでも見られていないのですよ。
不思議ですね。
この不思議のなかに、
人間の卵の
着床の始まりの謎があるようです。
何か気がかりなことがあるとき、
心配しすぎると、不安が広がります。
心配なことがあれば、
当然、いろいろ調べたり、
いろいろ考えたりしますが、
そこで解決できなければ、
かえって、
不安が広がります。
そんなとき、
不安で疲れてしまったとき、
いったん 「保留」 しときましょう。
今までも何とか乗り切って、
過ごして来られたのですから、
時間の経過に身を任せ、
「今日も良し」
「今日の所はこれで良し」
と、
自分で自分に言い聞かせましょう。
人生、することはたくさんあり、
健康寿命は短いのです。
さっさと次へ行きましょう。
2017年6月4日(日曜日)の午後に
ミッドランドスクエア会議室で
第16回「青クリの会」を開催しました。
晴天に恵まれ、
多くの方に参加していただきました。
90%以上がご夫婦の参加でした。
今回は最近の注目すべき
欧米の研究報告内容もお話ししました。
全体的な講演内容は、以下の三つです。
1、 発生学から見た着床前後・妊娠初期の
子宮内(培養)環境の変化とその異常。
~免疫・凝固・血管神経・ホルモン系~
2、 特に重要な自己免疫異常と
同種免疫異常についての検査と治療。
3、 受精卵・胎児のライフラインである
子宮内栄養細動脈(ラセン動脈)
の神経支配に関係する検査と治療。
一例として、
3、 に関係する 「支持的精神療法の威力」
を示す注目すべき研究内容をお話ししました。
1983年にニュージーランドから世界で初めて
抗リン脂質抗体症候群の診断と
その治療方法としての
低用量アスピリン(バッファリン、バイアスピリン)と
ステロイド治療の効果が
発表されたのですが、
その国から2000年に、
産婦人科で最も権威のある
Am J Obstet Gynecolという医学誌に、
無作為二重盲検比較試験という
信頼性の高い研究方法を使い、
血栓症や膠原病のない
抗リン脂質抗体症候群と診断された
3回以上流産を繰り返した患者さんに対して、
アスピリン薬か、あるいは、
栄養薬を飲んでもらいました。
飲む薬の中身は医療側も患者さんも
わからないようにされました。
その結果、写真のように、
アスピリンを飲んだ集団と
そうでない集団では、
治療成績に有意差がなく、
両群で約80%の好成績だったのです。
この結果の重要なポイントとして、
臨床試験に参加してもらうために、
すべての患者さんには、
妊娠前から妊娠初期にかけて、
十分な支持的精神療法が
(Supportive Care)
(Tender Loving Care)
医師と看護師からなされたのです。
もちろん、患者総数が多くはないので、
これだけで断定はできませんが、
アスピリンで血管内をサラサラにしなくても、
(アスピリンは原因不明には効果がなく、
さらに出血しやすくしてしまいます)
支持的精神療法で血管の収縮を予防すれば、
同じような治療効果が得られる可能性が
あるのです。
映画「光をくれた人」を見てきました。
主なストーリーは、
主人公の妻が2回連続流産して、
失意のどん底にあるとき、
身元不明の赤ちゃんに遭遇するのです。
妻は夫に警察へ届けないよう懇願し、
夫はその切なる願いを受け入れ、
3人は本当に家族のように
幸福に暮らしました。
その数年後、
本当の母親が現れたのです。
すべての人が普通のいい人なのですが、
夫婦は過ちを犯しました。
この過ちをのりこえる過程が、
本能的母性と
夫婦愛のぶつかり合いで
感動的であり、泣けてきました。
不育症、着床障害で
現在がんばっている人は、
特に一見の価値があると思います。
夫婦のきずなが強くなってきますよ。
約40年間、日々、
不育症の方と接して、
人の運命を痛切に感じています。
一例ですが、
ご夫婦ともドクターで、
ご夫婦とも染色体検査は正常
であるのもかかわらず、
何回も、妊娠中期に
子宮内胎児死亡を経験されていました。
当院でも
可能性のある治療はすべてしましたが、
残念な結果に終わってしまいました。
死産児の運命を知るために、
普通の染色体検査ではなく、
染色体の微小欠失や微小重複まで
検出できるマイクロアレイ検査をした結果、
微小染色体の不均衡が判明しました。
子宮の中だけで生きられる
数か月間の命だったのです。
運命的な出来事だったのです。
夫婦どちらかの微小染色体の均衡転座が
原因である可能性をお話ししましたが、
検査はされませんでした。
きっと、
ご夫婦は運命を呪ったことと思います。
運命は変えられませんが、
これからの
ご夫婦の生き方は変えられます。
死産した子供たちのためにも、
運命に負けないよう
お祈りしています。
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