クトナー・ホラ 荘厳なる聖バルボラ教会
May
11
昨年訪れた「石見銀山」が14世紀の開山。実際に世界経済にポルトガル交易として影響を与えたのが17世紀からだから、ヨーロッパの銀地金は『クトナ―・ホラ』から「石見銀山」に引き継がれたことになる。
ただし、現在のこの地は「石見銀山」の当時の自然を残す銀鉱山跡を中心とする遺跡とは、全く異なり言われなければ、ここが銀鉱山の街として有名だったことすら判らない。
唯一、街外れにある鉱山夫の守護聖人「バルボラ(バーバラ)」を祀った『聖バルボラ教会』の威容が、なんで、こんな街に、こんな大きな教会が、という驚きと共に当時の栄華を伝える。
そのくらい、この教会は大きい。ゴシックの壮麗な造りだが、ブダペストの『マーチャーシュ教会』、ブラチスラバの『聖マルティン教会』よりも遥かに大きく見える。
教会の左手に回れば、クトナー・ホラの街を見渡す聖人の並ぶテラスに出る。そこに建つ白壁の美しい塔を持った建物は『イタリア宮』と呼ばれ銀山だった頃には造幣局だったとの事だ。
ちなみに、『イタリア宮』の塔の手前に小屋が有り、そこにトイレがあるのだが、入り口は機械式の「ぐるりんぱ」になっている。手前のボックスにコインを5コルナ入れると入れる仕掛けなのだが、そのボックスの更に手前にある「聖バルボラ教会 観光記念コイン」40コルナを間違えて買ってしまった。よく考えればトイレチップ40コルナ=200円は、べら棒に高いのだが生理現象に紐付くと人は馬鹿になる。(私だけか)
尚、この自動販売トイレ、コインであれば釣りも出る。使えるコインは写真が貼ってあるので間違えずに使いましょう。(私に言われたくはない)
『聖バルボラ教会』の中は、リブボールトに支えられた高ーい天井、壁面を彩るステンドグラスと、外観通りの典型的なゴシック様式。14世紀から建設が始まった教会だが、銀鉱山の閉山などで街が衰退し、完成を見たのは1905年と伝えられている。
「クトナー・ホラ」には、もう一つ街の中心に近い「セドレツ」という所に「聖マリア大聖堂」という建築当時はゴシック様式でチェコ最大だった大聖堂があり、勿論こちらも世界遺産。この大聖堂の隣の墓地にある教会が、クトナー・ホラの代名詞のように言われる骸骨だらけの「セドレツ納骨堂」なのだが、今回はマルっとパスして先を急ぐ。