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鮑とエリンギ (カーネル笠井)

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鮑とエリンギ (カーネル笠井)
先日、中華料理で「季節野菜と鮑(あわび)の煮込み」という料理を食べる機会がありました。そして、ここで使われていた季節野菜が何とエリンギだったのです。鮑と鮑の“もどき食品”の代表とが一緒の料理になって出てくるなんて意外性を狙った料理なのかななどと思いながら食べました。エリンギのバターいためだけを食べると鮑とまちがえるような食感なのですが、さすがに本家本元と一緒だと、弾力、味ともに負けてしまいます。特にエリンギはバターいためでないと水っぽくなってしまい、より違いがはっきりしてしまうのです。

中華料理に欠かせない鮑は、日本産のものが一番質が良くておいしいそうです。そのため香港の料理店では日本産のものが中心に使われており、日本では高級食材の鮑が意外と手軽に食べられます。何故なのでしょうかね。

エリンギも本来は高級食材の一つです。ところが「ホクト」という会社では、これの人工栽培に成功し、社長の方針でこれをやっと利益の出るくらいの低価格で販売をしているのだそうです。高く売れば大もうけできたのでしょうが、それでは一時的になってしまい、すぐに追随するライバル会社が現れることをきらったのです。最初から低価格で販売すると、他社がエリンギの人工栽培に大金を投じて開発するうまみがなくなり、だれも真似をしないだろうと考えたからです。この社長の思惑通り「ホクトのエリンギ」は長い間独占市場を続けてきました。同じように独占市場を続けてきたものに、これまた高級食材の「雪国のマイタケ」があります。

最近ホクトがマイタケの栽培も始め、雪国もこれに対抗策をとり始めたようで、少し雲行きがあやしくなってきました。こういった高級食材を安く販売してくれる会社にはいつまでも生き残って欲しいものだと思うのですが。
                       カーネル笠井
#グルメ #バー #レストラン

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