今夜は、五嶋みどりさんのコンサート「Midori Plays Tchaikovsky 」を聴きに行きました。普段クラシック音楽にそれほど興味があるわけでもないのですが、みどりさんは特別。昔、テレビかラジオで彼女の演奏を聴いて衝撃を受けて以来、いつも心のどこかに引っかかっていました。去年の暮れに、同じ劇場でMのNutcrackerが行われた時、彼女のコンサートがあると知りその場で即ネットで購入。まだ先だったからか、なんと前から2列目の席が32ドルでした。
みどりさんがほんの数メートル先で見られる...とドキドキでした。まず、最初の1曲目は、サンディエゴ交響楽団によるドヴォルザークの『真昼の魔女』。スコットランド出身の若い指揮者ローリー・マクドナルド氏が、曲の前に物語の流れを丁寧に説明してくれ、その内容の残虐性にびっくり
そして、みどりさんのソロ演奏がある、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲二長調作品35がいよいよ始まります。目の前にみどりさんが登場!演奏を始める前の姿はまるで一仕事始める職人(?)のよう。一番最初の導入部分を、これでもかというくらい、ためてためてためて、丁寧に弾き始める。ヴァイオリンに疎い私にも、彼女がタダモノでは無いことが分かります。
その音の繊細さ、テクニックの素晴らしさにただただ圧倒され、でも時々テンポの速さについていけない自分もいて、そんな時は指揮者やオーケストラもオロオロしているような気配がしないでもありませんでした。しかし、あのみどりさん特有の眉間に皺を寄せながら全身を使って一心不乱でヴァイオリンを弾く姿は神がかってさえあり、見る者の心を激しく揺さぶるものがありますね。
演奏終了後、会場は拍手喝采で包まれ、カーテンコールが五回も行われたのにはびっくりしました。クラシックコンサート初心者にとっては、指揮者の脳卒中でも起こすんじゃないかと心配になるほど激しい動きや息遣いの荒さにドキドキしたり、演奏中のみどりさんのヴァイオリンの上でひらひら動くものがあるから何かと思いきや、演奏の合間にみどりさんは何事もないように弓(馬の毛でできているらしい)を引っこ抜いていて、面白いなあと感心。
私とは同世代、天才少女と呼ばれた五嶋みどりさんは健在でした。彼女の演奏を聴きながら、このまたとない貴重な時間を堪能しつつ色々なことを考えました。こういう特別な時間を持てることが、舞台やコンサートが好きな理由です。快く送り出してくれた夫に感謝ですね
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