もの言う牧師のエッセー 再投稿
第342話「 視覚障害のお笑い芸人 」
3月6日、東京都港区のフジテレビにて。一人芸日本一を決める「R-1ぐらんぷり2018」決勝の舞台に、視覚障害をもつお笑い芸人、濱田祐太郎さんが白杖を手に上がった。一瞬静かになった会場。「あっ、拍手なしですか」。その一瞬の間を逃さずツッコミを入れると「びっくりした。俺、客席見えへんから、お客さんゼロ人かとおもた」とたたみかけ会場は大爆笑、一気に空気を変えた。濱田さんは見事に優勝、賞金500万円を獲得、3795人の頂点に立った。
芸歴5年目の彼は先天性の緑内障で左目は見えず、右目も光を感じる程度。盲学校でしんきゅう師の資格を取っても夢は変わらず、働いて学費をため、芸人養成所に入学し、人気芸人が出る大阪の劇場メンバーとなった努力家だ。「吉本に入って、目どころか自分の将来も見えなくなった」 などと自らの障害を笑いに変える“バリアフリー漫談” は、日常生活で困ったことや健常者とのギャップをユーモアと自虐ネタを織り交ぜて披露するが「僕自身は身の回りに起こったことをしゃべっているだけ」と障害ゆえのハンディキャップも「舞台上では特にない」とケロッとしてる。
「視覚障害者としてではなく、漫談家として優勝できたことがうれしい。舞台に立ってお客さんの前でしゃべることを、ずっと続けていきたい。 」と挑戦的な彼を見て、十字架にかかる間近のイエスの言葉、
「わたしはさばきのためにこの世に来ました。
それは、目の見えない者が見えるようになり、
見える者が盲目となるためです。」
ヨハネの福音書9章39節、
を思い出し身震いした。感謝を全くしない人、自分の不幸を嘆いてばかりいる人、何かのせいにして何も努力しない人など、“盲目な人”が何と多いことか。しかし望みはある。暗闇を照らすキリストの光に。濱田さんのような天才になる必要はない。イエスを信じることによって誰でも目が開かれ、舞台に立てる。 2018-6-29