ノトーリアスRBG死去
Sep
20
2020年9月18日、米連邦最高裁のルース・ベイダー・ギンズバーグ判事が87歳でお亡くなりになり、歴史的な法曹家を失いました。
ギンズバーグ判事は、1970年代から(弁護士として)男女平等を求めて闘ってきた女性解放運動のパイオニア的存在で、私を含め多くの女性(特に女子弁護士)にとってアイドル的な存在です。
アメリカの連邦最高裁は、人工中絶や同性結婚の合法化など、国民生活の多岐にわたり影響を及ぼすケースを取り扱います。長官を含め、9人の判事から成り立っていますが、近年は5対4でコンサーバティブ多数。連邦最高裁はギンズバーグ判事を含め、女性判事3名に対して男性判事6名。
ギンズバーグ判事は常に『人種や性別による分類は憲法修正第14条の平等保護条項に反する』と教え、女性や少数者の権利を擁護するリベラル派でした。人権の平等と自由のために闘い、男女平等の推進に努めてきた判事です。保守多数の中で猛烈な反対意見(dissent)を述べることで象徴的な存在になり、『ノトーリアスRBG』という強烈なニックネームがつくほどに。(『悪名高いルース・ベイダー・ギンズバーグ』という意味ですが、ユーモアある判事はこれを面白がって受け入れ、判事の愛称として広まりました。)ギンズバーグ判事が「反対意見を述べる時」に法服の上に付ける「ジャボ」というレースの襟も注目されました。
ギンズバーグ判事はこう述べました:「反対意見とは未来に向かって語りかけるものです。『同僚は間違っている、私ならこうする』と主張するためだけのものではありません。特に優れた反対意見はやがて法廷の意見になり、次第に時と共に大多数の見解になるものです」
ギンズバーグ判事の反対意見の中でも有名な文言:
・「女性が男性と平等に扱われるには、女性が意思決定者にならなくてはならない」
・「女性の選択を妨げる制約を科せば、性別を理由にその女性を不利な立場に置くことになる」
・「いかなる法律も方針も、女性の完全な市民としての地位、個人の才能や能力に基づいて社会で熱望し、達成し、社会に参加して貢献する機会を否定すべきではない」
その他ギンズバーグ判事の有名なインタビューコメント:
・「様々な決定が行われる全ての場所に女性はいるべきです。女性がいるのが例外であってはなりません」
・「憲法はとても大事なものですが、人が自由を希求しなければ、憲法は意味を失います」
ギンズバーグ判事の後任も保守派になると、最高裁判事の構成が6対3で圧倒的に保守寄りになり、今後のアメリカに大きな影響を与えることになるでしょう。
Thank you and rest in peace, Justice RBG.
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弁護士 佐 野 郁 子
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