翻訳することの難しさ
Jan
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そのため、翻訳担当者が翻訳を終えると、原稿はバイリンガルチェックに回り、最後に編集デスクが徹底的に「洗練化」を行います。ここで日本の新聞表記に沿った表記統一も施されます。
例えば、上の写真は世界的なラグジュアリーホテル「ザ・リッツカールトン ロサンゼルス」のウェブサイトに載っている日本語文です。翻訳は正しくされているはずですが、なんだかアヤシイ香りが漂います。試しに鬼の編集デスクにまわしてみましょう。
① 点が多くどこが区切りか分からない(鍵カッコに入れるなどする)
② ひとつの文の中に「ホテル」が2回出ている
③ 英語の「amenity(客室の備品をはじめ、仕様やホテルの設備など)」をそのままカタカナにしたと思われるが、日本語の「アメニティ(主に客室の備品)」と意味範囲が違う
④ 1行目で「LAライブにあり」というロケーションの話が出て、かつ一旦終わって他の話題に入っている。→1行目にまとめよう。
⑤ 1行目に「当ホテル」とあるので、2行目に「当ラグジュアリーホテルは」と重ねないようにする
たったの2文なのに5つもの赤が入ってしまいました。この文章を出版社出身のライターや編集者の方が読んでくださっていたら、きっと同じように「こりゃ5つ、私ならそれ以上入れてるわい」と思われるかもしれません。
残念ながら英語のサイトには違う文章が掲載されていて、修正のすべはありませんでしたが、素敵なホテルだからこそ、翻訳だけではなく、プロのライターによる洗練化がされていたらいいのに…と思うわけです。
リッツカールトンさん、余計なお世話で引っ張り出して申し訳ございませんでした。
お詫びに今からリッツをいただくことにします。
Ruコミュニケーションの「3ステップ翻訳」についてはhttp://www.rucommunications.com/blank-3
をご参照ください。