ロサンゼルス在住ライターのLA通信★カリフォルニアの犯罪に関するあれこれ
Nov
14
こちらで携帯電話の激しいアラート音が鳴れば、それは地震速報ではなく「アンバー・アラート」の場合がほとんどだ。かつてアンバー・ヘイガーマンという名前の少女が誘拐・殺害された事件をきっかけに作られたこのアラートは、児童の誘拐事件が発生したときに鳴る。近隣住民が速やかに情報を共有し、早期解決につなげることを目的としているため、アラート音とともに届くのは、逃走車や子どもの特徴などの情報だ。1年間に2、3回ぐらいは鳴っていると思うが、いつ聞いても悲しい気分になる。
日本と最も違うのは、やはり性犯罪前科者の情報公開制度だろう。政府が発信している「California Megan’s Law Website」に検索したい地名を入力すれば、性犯罪前科者の居住地や顔写真、名前、身長、入れ墨の有無などの情報が閲覧できる。これにより私も近所に住んでいる8人の性犯罪前科者の家を把握している。性犯罪前科者の情報が公開される法律「メーガン法」は、7歳の少女メーガン・カンカが、過去に2度の少女暴行逮捕歴を持つ男に暴行・殺害された事件がきっかけで1994年に制定された。
なお、2005年には性犯罪前科者をさらに厳しく追跡する「ジェシカ法」が制定されている。この法律は、9歳の少女ジェシカ・ランスフォードが性犯罪など多数の逮捕歴を持つ男にむごたらしく暴行・殺害された事件の後に制定された。これにより性犯罪前科者は学校や公園から約610メートル圏内に居住・立ち入りが禁じられている。また、犯罪が重度の場合はGPS付きの足輪を着用しなければならない。
性犯罪前科者に対するこれらの厳しい措置については、「刑期を終えた後の、更なる刑」であり、更生の機会を失わせるという声もある。実際、ジェシカ法ができた後に性犯罪前科者のホームレスが急増し、むしろ犯罪の温床となる可能性が指摘された。よって現在では、学校や公園への約610メートル規制が緩和されている。
実は性犯罪前科者の再犯率は、一般の犯罪前科者の再犯率と比べて低いというデータもある。個人的には、法の厳しさに守られていることは感じつつも、この厳しさの中で前科者は更生できるのか…?と明確な答えが出せずにいる。
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