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無残な事故死でも痛くないかも

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無残な事故死でも痛くないかも
レントゲン技師のSちゃんが先月、交通事故に巻き込まれました。大きな怪我はなかったので良かったのですが、胸の骨にヒビが3カ所も入ってしまいました。胸部にかなりの圧力がかかったんですね。

しかしこの話で最も驚いたのは、彼女が、全く、な~んにも、事故の瞬間を覚えていなかったことでした。気絶する前に信号待ちをしていた、その記憶だけ。気付いたら目の前にしぼんだエアバックがあったそうです。実際には車3台を巻き込む大事故だったようで、信号無視をして突っ込んで来たドライバーは「青だった」と言い張りましたが、巻き込まれた全員が一斉に「赤だろ!」と突っ込んだので、記憶のない怪我人、Sちゃんも無事に医療費をもらえることとなりました。

そんなSちゃんの傷が癒える前に、今度は同じダンス仲間、Kさんの息子さんがバイク事故に遭いました。

約23メートルも飛ばされ、左手の指の骨が粉々に砕けてしまった大事故でした。手の骨が粉々に…相当痛かったと思いますが、息子さんもまたSさん同様、全く記憶がないのです。それどころか、病院に到着して手術が終わった後も記憶が定着せず、一晩中「僕はどうしてここにいるの?」と質問を繰り返していたそうです。

例えば自分で手を岩にぶつけて、手の骨を粉々にしようとしたら、痛くてできませんよね。寝ていても飛び起きそうな痛さでしょう。

でも事故にあった二人は、事故の瞬間から記憶が飛び、痛みの記憶がないのです。

そういえば私も昔、貧血で立ったまま気絶し、頭から石のタイルに顔を叩きつけたことがありました。起きたら辺りは血の海。おでこから目の上にかけて、バックリとあいた傷口から血が噴き出していたのです。でも私も何が起こったか、全く分かりませんでした。痛みの記憶もなく、痛み出したのは、病院に着いてからです。

私は交通事故など痛みのある死に方だけは嫌だと長らく思っていましたが、ここ数日の事故の話を聞いて、案外、「痛くないんじゃないか?」と思った次第です。神様は本当に素晴らしい、奇跡のような脳を、私たちの体に付けてくれたんですね。


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