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- 296. 良い卵であっても、移植不成功、あるいは流産してしまう
私が不育症の研究を始めた約35年前は、
「流産は自然淘汰であり、、
流産の原因のほとんどは悪い卵のせいですよ。」
と、臨床現場では説明されていました。
同じことが、今、
体外受精・胚移植の臨床現場で、よく言われています。
「移植して育たないのは悪い卵のせいですよ。」 と。
流産の場合、
流産内容物の染色体検査ができるようになってから、
状況がかわりました。
流産内容物の染色体検査が正常だった場合、
悪い卵のせいだったとは言えないからです。
その場合は、子宮内環境に原因があると考えられるのです。
体外受精・胚移植の場合でも、
初期胚、胚盤胞の段階での染色体検査が
(予備的な段階ではありますが、)
米国では可能になっており、
その結果を考慮すると、
3~5回以上の胚移植不成功例では、
悪い卵のせいばかりではなく、
子宮内環境にも原因がある可能性が高いのです。
子宮内環境の問題は、
原因がわかれば治療できるのです。
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