546.胎盤(絨毛)細胞と子宮免疫の関係
Mar
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胎児側の細胞ですから、
母体から見て、
夫由来の半分異物細胞ですが、
子宮の中で増殖するために、
あなたの子宮内の免疫細胞と
情報交換をしています。
絨毛細胞は特殊であり、
hCGという性ホルモンと、
コロニー刺激因子(CSF)という
細胞の分裂増殖を助ける物質を
多量に分泌しています。
絨毛細胞は、hCGの影響下で、
母体からの免疫的攻撃を免れており、
子宮内のマクロファージ免疫細胞等を
ほ ど 良 く 刺 激 し て、
さらに多量のコロニー刺激因子
(M-CSF, GM-CSF等)を
分泌させています。
コロニー刺激因子は、
まるで子宮の栄養素のような
働きをしているのです。
マクロファージは重要な免疫細胞であり、
子宮内膜の免疫細胞の約20%あります。
ナチュラル・キラー(NK)細胞が約70%、
T細胞が約10%存在している
と報告されています。
GM-CSF入りの培養液を使うと、
胚の培養成績が良い
という報告もあります。
当院では、10年前より、
M-CSFを測定しており、
その結果をもとに
治療を行っています。