27. 免疫と不育症の関係
Apr
13
抵抗力と考えていいのですが、
もう少し、詳しく言うと、
免疫とは、
自分以外の異物に対して、攻撃して排除する
体の防衛システムのことです。
免疫を担う免疫細胞は、白血球の仲間であり、
体の骨髄で作られています。
骨髄とは、すべての骨の内部の空洞にある
どろどろした液体のことです。
ここで強調したいことは、
免疫とは
自分以外のものに対して攻撃するのですが、
自分という識別は、
自分の細胞表面の標識を識別して、
それ以外は
自分ではないと判断するという事実です。
フランケンシュタインの場合を考えてください。
中枢神経系のかたまりである頭と
大きな体をくっつけたわけですが、
この場合、
自分とは頭か体か、わかりますか。
実は、骨髄が多くある
体が自分になります。
ですから、実際には、
体 が 頭 を 拒 絶 して排除するのです。
ここで、妊娠した場合の、
子宮のなかの赤ちゃんについて
免 疫 的 に考えてみてください。
赤ちゃんは、
半 分 が 自 分 であり、
半 分が 旦 那 さ ん なのです。
ですから、赤ちゃんは、妊婦さんからみて、
免疫的によく似ていますが、もちろん、自分ではないのです。
妊娠がうまく維持するためには、
免疫的に、この
あ い ま い さ
が極めて大切なのです。
妊婦さんが子宮内の赤ちゃんに対して、
その半分の自分の部分に、間違って反応してしまうと、
自己免疫異常になります。
その一部には、
自分の凝固系のたんぱく質等にも反応してしまう、
いわゆる、
抗 リ ン 脂 質 抗 体
という自己抗体があるのです。
また、半分の旦那さんの部分に対して、
強く反応してしまうと、
拒絶して排除してしまいます。
この反応のひとつに、
ナ チ ュ ラ ル キ ラ ー 細 胞
の異常活性があるのです。