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無明残日抄

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原子力大国「日本」の役割:新年に思う

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原子力大国「日本」の役割:新年... 原子力大国「日本」の役割:新年...
2011年1月北米報知掲載
(この拙文は2010年12月に執筆。2011年の新年に掲載されたもので、東北大震災の起きる以前です。)

「日本には、いくつの原子力発電所があるのか、御存知ですか?」という質問に、おおまかでも答えられる方は案外に少ない。あなたも即答できなかったら、日本と米国の原子力発電所の所在地図を見て下さい。この小さな国に米国の半分以上のプラントがあるのを、日本人の多くも自覚していません。
 核の話をすると、すぐに日本人の「核アレルギー」が持ち出されるが、核の廃絶を願う気持ちは判りますが、六十数年前、人類は神の領域を侵してしまったのです。たとえ良心ある人々が核兵器を放棄しても、悪意ある輩がほくそ笑むだけでしょう。今は、人智を尽くして安全な核の管理運用に貢献する事が、日本の選択肢ではないかと思います。

「世界2番目の原子力大国」
 まずは、日本国民が、日本が世界のトップ3の「原子力大国」であるという認識をしっかり持つ事です。そして世界の人にも知ってもらわなくてはなりません。別表に示したように、計画中のものも含めると遠からず日本はフランスを抜いて世界2番目の原子力大国になります。現在、世界中で約五百三十の原子力発電所がありますが、上位四カ国の米国、日本、フランス、ロシアで総数の半分以上を占めます。日本は名実共に「核」技術最先進国です。アメリカもオバマ政権がエネルギー対策として原子力発電を見直そうとしていますが、アメリカが最後に原子力発電所を作ってから、30年以上経っています。つまり大半の経験ある技術者が引退してしまっているので、アメリカはフランスや日本の技術を輸入しなければならない所に来ています。

「イラン、北朝鮮の核武装懸念」
 アフガニスタン戦争を除けば、今、国際社会最大の課題は、イラン、北朝鮮の核武装懸念でしょう。イランも北朝鮮も、いくら世界中が反対しても、核の開発を止める筈がないのは誰の眼にも明らかです。ただ表向きは国連などの非難に、自分達の核開発は平和利用だと主張していますが、これは、彼等を野放しにしない絶好の機会とも思えます。本当に平和利用ならば、国連の定める規則に従い、きっちりとした「保障措置」をとる事を約束させれば良い。自らのアクトを公正と主張するなら、国際社会の前で「保障措置」順守を拒む事は出来ないでしょう。国際法の定める核に対する「保障措置」とは施設を検察官が視察する程度の生易しいものではありません。施設の設計施工段階から施設の運用を監視する機構を組み込まなければならないものです。この「保障措置」を厳密に遵守して運営されているのは、実は日本しかないのです。アメリカを始めとして核武装している国々では「保障措置」といってもお手盛りであり、徹底されているとは言い難いのが実情です。「保障措置」の施行において日本の技術は最先端です。既に他国への「保障措置」の運営の大きな部分を日本は負担しています。

「ドラ猫共に首輪と鈴をつける」
 もしイラン、北朝鮮に平和利用を名目に核開発を認めるということになれば、このドラ猫共に「保障措置」という首輪と鈴をつける絶好の機会です。そして、それが出来るのは日本なのです。「保障措置」の施行になれば、黙っていても大半の費用の負担が日本に押し付けられだろう事は眼に見えています。ならば日本はこの役割を積極的に買って出て、国際社会の前で手を上げるべきだと思います。ここで徹底した「保障措置」の施行を世界に示し、唯一の被爆国として「核」に歯止めをかけ、国際世論を背景に、翻ってアメリカを含む核武装国にも「保障措置」の徹底した順守を義務付ける事が出来れば、核兵器の脅威を世界から無くす事に、一歩近づけるのではないでしょうか。日本が国際社会の前で凛とした態度を見せる事ができれば、その時は、大戦以後、連合国支配の続く国連常任理事国に、望まずとも世界が押し上げてくれるでしょう。
人の夢と書いて、はかない(儚い)と読みますが、これも初夢で終わるかなあ。
#ブログ #原子力 #天災人災

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