著者 奥田弘美 精神科医 メディカルサポートコーチ
日本においては、医療とコーチングはビジネス界より先に出会い、普及しました。これは医療とコーチングの相性が良かったということだけではなく、奥田弘美先生のような先人がいたということも大きな要因だと思います。
メディカルコーチングが対象としているのは2つ
ひとつは患者さんとのコミュニケーション
もうひとつは病院内における組織内コミュニケーションです。
メディカルコーチングにおける3大コアスキルを「聴く」「質問する」「伝える」と定義しています。
コーチングでは通常、「聴く」スキル、または「質問する」スキルが注目されがちですが、医療の特性上、どうしても「伝える」スキルを重視しなくてはなりません。
「伝える」スキルに関して、Iメッセージ、Youメッセージ、Weメッセージ、を理解し、主に Iメッセージを使って適切なコミュニケーションを図っていこうと提案されています。
医療界は、コミュニケーションや接客の教育がなく、新人の医師も先輩を見て学ぶ、ということになっていたそうです。大学を卒業したばかりの医師が、卒業と同時に先生と呼ばれ、患者さんには説明し、病院の中では看護師に指示を出す立場になります。もし先輩が良くない場合は間違ったまま進むことになる、と危惧されていました。
確かにそういう側面は過去あったのかもしれませんが、私のように外部の組織から病院を見る立場にいますと、特例的に学習の習慣が根付いた組織だと感じます。
医師だけではなく、すべてのプロフェッショナルがチームごとに、カンファレンス、抄読会といった学習の時間を週に複数のスロットで持っています。
こんなに学習をする企業はないです。
このような学習に対する姿勢があったからこそ、メディカルコーチングは医療に広く普及し、ビジネス界より先に、手法が確立されたのだなと思います。
Good Time Coaching
後藤良介
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