日本が誇る数少ない経営学者、野口郁次郎が提唱した
『知識経営』、ナレッジマネジメントを著した本です。
当時、躍進目覚ましかった日本企業を分析し、知識創造経営がその要因であると説きました。企業内の個人がもつ「暗黙知」を、ミドルマネージャーの活躍や他部署とのかかわりによって形式知にして企業の共有財産にしてきました。
私が社会人になったころ、「ナレッジ」という言葉は良く使われていました。
チームに根付いているビジネスに有利な文化や手法を「ナレッジ」として全社に発表したり、また新たなナレッジを作るために、創意工夫を競っていたのを覚えています。
本書では日本と西洋の文化、哲学の違いから出発し、日本独特の強みとしてナレッジマネジメントを紹介しています。であるならば、今後もこのナレッジマネジメントは日本独特の長所として機能しそうです。
リモートワークの浸透や、働き方改革により、職場でのコミュニケーション量が減っています。一方、若い社員がこういったナレッジを否定するのではなく、むしろこのようなナレッジや暗黙知を知りたがっていることもヒシヒシと感じています。
環境は変わっています。
おそらく、新しいコミュニケーションを前提として、また新しい日本企業の特徴を作っていくんだろうな、と感じています。
本書で野中先生が述べられたように、「主客一体」「心身一如」という日本人の特性は維持されていると思うからです。
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後藤良介
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