恐怖の『ぬばたま』
Mar
2
「たま」からは「魂」を連想します。
調べると「檜扇」の実(種)のことでした。
この種は、射干玉と表記して、 漆黒色 をしています。
古の万葉集に枕詞として「ぬばたまの」が登場しています。
これに続くのは「夜」、その他にも「夢、黒、夕、月、妹(いも)」があります。
『ぬばたま』 あさのあつこ・著 新潮社
画像は、左が単行本、右が文庫本です。
『ぬばたま』の夜(新月の夜)がよく表現できている装丁です。
もうすぐ、その新月の夜がやってきます。
怖い怖い本です。
●KUMAさんへ●
蛇と艶めかしい女人が登場するので読まない方が良さそうです。
また、新月の夜には山には行かないように!!
新潮社の紹介文より
・・・・山は人を食らい、緑は人を狂わせる。都市の人たちは、あの恐怖を知らないのだ。
「おれ、怖ぇえよ。死ぬのが怖ぇえよ」
あの夏の日、山へ入らなければ、ぼくたちの運命は変わらなかっただろうか。
けれど、彼は山に呼ばれてしもうた……。
死にゆく者の無念と生きぬく者の苦しみ。
『バッテリー』で人気の著者が身近に暮らす山々を舞台に描いた、怖ろしくも哀しい、大人の胸の奥を疼かせる四つの物語。
内容(単行本「BOOK」データベースより)
山は人魂の還るところだ。恐怖の裏に安穏があり、冥福がある。
山に囲われて生きた者は、みな誰も還るのだ。山に抱かれて朽ちていく。
都市の人たちはあの恐怖を、あの陶酔を、知らないのだ。
逝く者と残る者と、淋しさはどちらが勝るのだろうか。答えはまだ、つかめない。
生き抜く苦しみを知る大人たちへ贈る慈愛に満ちた物語。
内容(文庫本「BOOK」データベースより)
ときどき、こんな人がいるのです。山に入ったまま、帰って来られなくなってしまった人が―。
仕事も家族も失い、絶望のうちに山を彷徨う男が見た恐ろしい幻影。
少女の頃に恋した少年を山で失った女の、凄絶な復讐。
山で見たおぞましい光景が狂わせた、幼なじみ三人の運命。
死者の姿が見える男女の、不思議な出会い。
闇と光、生と死、恐怖と陶酔が混じり合う、四つの幻想的な物語。
作者は、岡山県出身です。
本の中にも岡山弁(たぶん)が出てきます。
叔母一家が岡山に住んでいるので、何だか懐かしい言葉遣いに感じます。
小学生のわたしは、夏休みに何度か当時倉敷市に住んでいた叔母の家(アパート)を
訪れました。
その頃叔母が住んでいた近くには小高い丘だったのか、山だったのかがあり、
その下には洞窟のような穴があり、しめ縄飾りがしていました。
それが何だったのかは小さかったわたしには分かりません。
中学時代にその洞窟は他次元へ通じる洞窟としておはなしを書いたことがありました。
この本を読んで、その洞窟を思い出しました。
叔母の家は、その後新築して、郡部に引っ越したためにその洞窟のことは
ほとんど忘れていました。
また、もっと以前、祖父の家に泊まりに行ったわたしは、10、15、20歳離れた母の妹(三人の叔母たち)に連れられて、夜、近くのお店までお菓子やアイスクリームを買いに行きました。その道中が怖かったのを思い出しました。
直前に読んだ「血太郎」の漫画の吸血・血太郎が歩いている間に血を吸いにやってくるのではないかと、背後を振り返りながら足をジタバタして歩いたのを想い出します。
怖いもの好きのわりに凄く怖がりです。
怖い話を読み終わって、弐話に登場する安心タクシーの乗務員・門田次郎さんの優しさが
こころに残ります。
怖いけれど、昨日一気に読了しました。
★4つの面白さです。
Posted at 2011-03-02 18:46
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Posted at 2011-03-03 05:25
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Posted at 2011-03-02 19:27
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Posted at 2011-03-03 05:29
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Posted at 2011-03-03 01:07
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Posted at 2011-03-03 12:49
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