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絵日記綺譚

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金曜ロードSHOW!『ゲド戦記』

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最大にして最強の敵は、自らの心の奥深くにある弱さに宿る。「スター・ウォーズ」をはじめ、世界各国で数々の物語に多大な影響を与えてきたアーシュラ・K.ル=グウィンの傑作ファンタジー「ゲド戦記」。宮崎駿も映画化を夢見ていたという作品に、息子である宮崎吾朗監督が挑んだ意欲作が登場!


物語の舞台となるのは、魔法使いが力を持っている多島海世界“アースシー”。何者かの力によって均衡=バランスを失ってしまったその世界では、竜が共食いをはじめ、人々は正しいモノと偽物の区別がつかずに、現実の世界から目を背けようと浮き足立っていた。“大賢人”と呼ばれる魔法使いのゲド、通称ハイタカは、世界の均衡を取り戻すための旅を続けていたが、その過程で、王である父親を刺して国を飛び出した青年・アレンと出会う。


1968年から2001年という長期間にわたって全6作が発表されたファンタジーの超大作「ゲド戦記」の3作目「さいはての島へ」をベースに、他のエピソードの登場人物をミックス。そして宮崎駿が1983年に発表した絵物語「シュナの旅」のキャラクター設定や物語の骨格をも参考に作り上げられた、まったく新しい「ゲド戦記」。本作では、真面目すぎるあまりに自分の影にとらわれてしまったアレンの心の再生と、永遠の命を手に入れようとして世界の均衡を乱し、アレンを利用してゲドを倒そうとする魔法使い・クモとの死闘がダイナミックに描かれていく。


相手の本当の名前を知ることで相手の本性を理解し、相手を掌握することも可能になるという「千と千尋の神隠し」の核ともなったテーマをはじめ、過去のスタジオジブリ作品との共通点も満載。自らも心に深い傷を抱えながら、毅然と前を向いて困難に立ち向かっていくヒロイン・テルーは、ジブリ作品の歴代のヒロイン像に重なるキャラクターだし、不器用なテルーとアレンを温かい目で見守る元巫女のテナーは「魔女の宅急便」のおソノさんを、クモの下で暗躍する小悪党・ウサギは「風の谷のナウシカ」のクロトワを思わせる。他にも画面のあちらこちらに、あなたの大好きなあの作品の名場面に通じるシーンが見つかること間違いなしだ。





声優陣も超豪華。アレンのナイーブさを声の演技で見事に表現しきった岡田准一。若き日の自分に似ているアレンを正しく導こうとするゲドを、説得力満点に演じた菅原文太。そしてゲドを逆恨みして憎しみの連鎖に取り込まれてしまったクモを不気味に演じた田中裕子。ほか、ウサギ役の香川照之にテナー役の風吹ジュン、内藤剛志、倍賞美津子、夏川結衣、小林薫ら実力派俳優が勢ぞろいした。また、テルー役の手嶌葵が劇中で美しい歌声を披露しているのも、お聴き逃しなく。


「死を拒絶するということは、生を拒絶することだ」。アレンにゲドが与えるこのひと言は、数々の名言を生み出してきたスタジオジブリ映画の中に燦然と輝く至言。いつか必ず失ってしまうことがわかっているからこそ、今この瞬間を大切に生きることができる。スタジオジブリが放つ「生」への力強いメッセージを、しっかりと受け止めよう。



<アレン>
岡田准一
<テルー>
手嶌葵
<クモ>
田中裕子
<ウサギ>
香川照之
<テナー>
風吹ジュン
<ハジア売り>
内藤剛志
<女主人>
倍賞美津子
<王妃>
夏川結衣
<国王>
小林薫
<ハイタカ(ゲド)>
菅原文太

<原作>
アーシュラ・K.ル=グウィン「ゲド戦記」(清水真砂子訳・岩波書店刊)
<原案>
宮崎駿「シュナの旅」(徳間書店刊)
<監督>
宮崎吾朗
<脚本>
宮崎吾朗
丹羽圭子
<音楽>
寺嶋民哉
<作画演出>
山下明彦
<作画監督>
稲村武志
<美術監督>
武重洋二
<色彩設計>
保田道世
<デジタル作画監督>
片塰満則
<映像演出>
奥井敦
<主題歌>
「時の歌」
作詞:新居昭乃 宮崎吾朗 作曲:新居昭乃 保刈久明 編曲:寺嶋民哉
歌唱:手嶌葵
<挿入歌>
「テルーの唄」
作詞:宮崎吾朗 作曲:谷山浩子 歌唱:手嶌葵
(シングル・アルバム「ゲド戦記歌集」/ヤマハミュージックコミュニケーションズ)
(サントラ/徳間ジャパンコミュニケーションズ)




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