朝日新聞/ 時を経て帰郷 戦時中の日の丸2点、軍隊手帳1点(Japanese newspaper featured successful flags and a book return)
Feb
18
遺留品は計3点。日章旗が2点あり、サイパン島で戦死した岡田勘平さん=米原市=とフィリピン・レイテ島で戦死した山田芳蔵さん=東近江市=のものだったという。もう1点は、満州事変に出征して帰国後に亡くなった辻英次さん=甲賀市=の軍隊手帳。
このうち山田芳蔵さんの日章旗は、東近江市の元健康福祉部長、山田明宏さん(61)が受け取った。数年前に同市で返還式に携わったことがあり、「まさか自分が受け取る側になるとは」と驚いていた。
芳蔵さんは、明宏さんの祖父の弟。遺骨は戻っておらず、明宏さんは「若くして戦死してかわいそうだった」と語る祖父の姿を覚えている。「こういう形で故郷に帰ってこれた。祖父が生きていたらどれほど喜んだことか。ゆっくり休んでほしい」と話した。
辻英次さんの軍隊手帳には、日々の行動などがきれいな字できちょうめんに書かれていた。英次さんの兄の孫、善明さん(56)が受け取った。
英次さん兄弟は、善明さんの祖父も含め3人が戦死した。善明さんの祖母も約20年前に亡くなり、当時のことはよくわかっていない。善明さんは「親戚と手帳を読んで、どういういきさつだったか考えてみたいです」と語った。
小学1年生のときに父が戦死し、現在は県遺族会とOBONソサエティの橋渡し役を務めている国松善次元知事(82)は「返還された品々は無言だが、戦争の悲惨さ、平和の尊さ、そして友好の大切さを雄弁に語っている。次の世代にぜひ伝えてほしい」と話した。
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