こちらの日章旗、太平洋戦争で命を落とした兵士の遺品です。 今月30日 77年の時を経て北海道の家族のもとに返ってきました。 岡村義人さん「肌身離さず持ってたんだろうなあ」 日の丸に寄せ書きされた激励の言葉。 戦地に向かう海軍兵士に贈られた日章旗です。 8月30日その兵士の故郷・雨竜町で遺族のもとに返還されました。 岡村義人さん「こうして日章旗が返ってきたことは大変嬉しく思います・・・」 日章旗の持ち主だった岡村耕平さんは1944年にニューギニア島中北部で命を落としたといいます。38歳でした。 日章旗は日本兵にとってのお守り代わりでしたが当時のアメリカ人にとって敵軍の旗は一番の戦利品とされ、持ち帰ることは名誉なことでした。 今回、日章旗を返還したのはアメリカ・ロードアイランド州に住むジェームズ・ルイスさん。 ジェームズさんの父、ポールさんはアメリカ陸軍兵としてニューギニアなど南太平洋で従軍していた時、岡村さんの日章旗を手に入れたと見られています。 ジェームズさん「旗はトランクに入っていました。父の制服やナイフ、剣など南太平洋で集めたものが入っていました。」 ポールさんが亡くなった後、遺品の中から日章旗が見つかったそうですがそれまで家族もその存在を全く知らなかったといいます。 ジェームズ・ルイスさん「私はこの旗の意味を、全くわかっていませんでした。父は、戦争時の体験を一度も話したことがなかったからです。それらの記憶は相当苦しいものだったのだと思います。父は旗をしまい込んでいました。」 この旗を兵士の家族に返したい。去年、ジェームズさんは日章旗を遺族に返す活動をしている米国の非営利団体に捜索を依頼。 ことし7月に岡村耕平さんの息子義人さんにたどり着きました。 OBONソサエティ工藤公督さん「この返還活動っていうのは日本のご遺族に対してその心の安らぎであったり何らかのけじめであったり色んな思いを断ち切る、次に進むためのイベントだと思ってたんですけど、米国側にも、戦争で傷ついた心を癒すために何かしら日本と和解をしたいという気持ちが非常に大きいんですね」 ニューギニアからアメリカを渡り77年かけて家族のもとに帰ってきた日章旗。 岡村義人さん「自分としても、ひとつのこれで区切りがつきます。(旗が)返ってきたっていうことは、自分たちにとっては最高の幸せですね。」 https://www.htb.co.jp/news/archives_12974.html