朝日新聞/出征の日章旗3枚、遺族の元へ(Japanese Newspaper featured flag return in Shiga)
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3人は長浜市の吉田元弘さん(享年75)、東近江市の布施長左衛門さん(同72)、湖南市の大継昇さん(同21)。
3枚の日章旗はいずれも「武運長久」の文字と、出征者の名前、知人と思われる人たちの名前が記されている。当時、出征する兵士に故郷の人たちが贈るのが習わしだった。何らかの方法で、米兵らが戦地などから米国に持ち帰ったものという。
吉田元弘さんの日章旗は、長男の源市さん(67)が受け取った。元弘さんは中国大陸に出征したが、生前は戦争の話をほとんどしなかったという。「つらい思いをしたんだと思う。まさかこんなものが残っているとは思っていなかった」
今年、27回忌の法要を予定している。子や孫に日章旗を見せることを考えている。源市さんは「平和の大切さを伝えたいと思います」と話した。
布施長左衛門さんの日章旗は、長男の吉蔵さん(66)が受け取った。長左衛門さんは広島県呉市の軍港で勤務していた。「軍艦のメンテナンスなどをしていたと聞いたことがある。なぜ日章旗がアメリカにあったのか不思議だ」と首をかしげる。
軍服姿の写真が残っているが、戦争の話はあまり聞かなかった。戦後は農業や大工の仕事に打ち込んでいたといい、父の在りし日を懐かしんでいた。
大継昇さんの日章旗は、おいの井上準一さん(71)が受け取った。井上さんは大継さんの死後に生まれたので面識はないが、親類から「列車の窓から手を振って泣きながら出征していった」という話を聞かされたことはある。
大継さんはフィリピンのレイテ島で亡くなった。「70年以上たって日本に旗が帰ってくるなんて、感無量です。信じられません」と驚いていた。(奥平真也)
https://www.asahi.com/articles/ASQ317L0CQ2WPTJB001.html?iref=pc_photo_gallery_bottom
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