ツール、最近の傾向考察②

工具に限らず、とどのつまり「物」の目利きが出来るか、判るか。この辺りはどの種類の何であっても、不変的価値観に行きつくんだろうな。

変な話なんだけど。
工具・道具に限った話なら、安い道具を使っているからと言って作業に大きな支障は出ない。もし仮に壊れるなど、支障が出た場合は大きく2つの要因が考えられる。

①粗悪品だった
②作業者の取り扱いが不適当だった

①に関しては、約20~30年前の品質の振れ幅は本当に驚くほど大きかった。たいていメッキしてあるから、新品状態では良し悪しは判別しにくい。(稀に、見た目におかしい商品も有るには有った)
使っていたら、粗悪品ほど折れる曲がる欠ける。工具がダメになる分には仕方ないのだけど、部品側を舐めたりする場合があるから要注意だった。

目利きであれば、ダメな物はダメなりに使いこなせる可能性が高い。判らなければ、殊更に工具を壊すか部品を壊すか、自分がケガをするか。という羽目になる。

②は、使用目的以外の使い方であったり、作業者が未熟で基礎的な工具の使い方を知らない場合が挙げられる。
使用目的外の使い方・・例えば、アレンキー単体では緩まない時にメガネレンチを掛けて疑似エクステンション化(笑)させ、テコの原理を応用するチカラワザ。推奨されないが意外と、これは現場レベルで21世紀でも目にする。

問題は作業者が未熟な場合で、サイズの意味を知らない・・といった超初心者レベルから始まり、各工具の特徴・種類・使い分けの知識が無い。また、よくあるのが過剰トルクで潰す。これは、誰でも有りがち。

ただ、こうした問題が露呈するのはまだいい方だと思ってる。
なぜなら、そもそも②に該当する問題を頻発・誘発する者は、自分の工具を持っていない率が高い。

往々にして、②と①が複合的に起こることが多いのも特記すべきだろう。
安物でも自分の工具を使い込んできていて潰した経験があれば、その後発生する問題に気付き易いし、場慣れも早いし、仮に問題が発生しても補正や修正に切り替えられるのだが。

自分の工具を持っていないと言うことは、何か必要が有るたびに「誰かに借りる」ということになるから、ハッキリ言って貸す方は堪ったものでは無い。
昔から「工具類は他人から借りるな・他人へ貸すな」という教訓は、先人達の切実な経験から生まれたものなのだろう。

それと同時に、知らない者へは正しい工具の使い方を教授してやる必要もあるわけだが、これがなかなか・・。
プロの現場でスパナ一本、手取り足取り教えてくれる丁寧な指導は有り得るだろうか?
勘弁してくれ・・が本音だと思う。

かくいう自分自身、小学生あたりに工具に興味を持ち始めて、バラすは・・壊すは・・をさんざ繰り返してきた経験上、やはり、何でも良いから早くから色んな経験を持っていることはその後の吸収が良いのではなかろうか。

知っている事と、実際に出来る事は異なるが、そもそも知らなければ話が始まらない。

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