トラストでアメリカ不動産の管理と相続対策
Jan
29
トラストカンパニーというと「信託会社」と訳されますが、直訳してしまうとちょっとニュアンスが違うような。。。
「ファースト・アメリカン・トラスト」は、不動産を所有するトラストの管理する会社。私のようなエステート専門の弁護士が作成するトラストの管財人(トラスティ)になり、トラストの財産、つまりトラスト名義になっている不動産を管理する会社です。
例えば、日本にお住いの方がアメリカに不動産を購入した場合、もちろん個人名義で米国不動産を持つことは可能です。しかし、名義人がお亡くなりになった時にアメリカで相続手続きが発生し、プロベートという裁判所の手続きが必要となってしまいます。トラストを作成し、トラスト名義で不動産を所有すると、プロベートを回避できます。
一般的なリビングトラストの場合は、トラスト名義にした不動産や金融資産でも、ご自身がトラストの資産を管理する「トラスティ」になることで、引き続きご自身の所有財産としてトラスト名義の財産を利用できます。管理もご自分で行います。
でも、日本にいて不動産の管理が困難である、という場合に「ファースト・アメリカン・トラスト」のようなトラストカンパニーにトラスティとなってもらい、管理を代行してもらうことが出来ます。「ファースト・アメリカン・トラスト」の費用や報酬は不動産の家賃収入の1〜8%だそうです。家賃収入がないと報酬はないそうです。そのため、常にテナントを入れて利益を出すように心がけてくれるそうです。「不動産の管理」というよりは、「トラストの管理」なので、トラストのタックスリターンの申請なども行います。そのトラストに不動産以外、例えば金融資産があれば、投資をしたり、資産運営を代行します。
現地にお住いの方でも、高齢で資産管理が出来ない・面倒臭い、という方や、投資物件を任せたい、という方には最適だと思います。
トラストカンパニー以外には、プライベート・フィデューシアリーいう専門家もいます。私は普段、プライベート・フィデューシアリーとお仕事をする方が多いですが、ケースバイケースでトラストカンパニーもいいかもしれませんね。
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当事務所ではカリフォルニアとハワイに住む日本人や、アメリカに不動産や金融資産を有する日本居住者のための法務サービスを提供しています。リビングトラストを始め、アメリカの相続や、プロベートを回避するためのエステートプランが専門です。
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弁護士 佐 野 郁 子
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連載コラム『現地の専門弁護士が教える「アメリカにある財産」の相続対策』:https://gentosha-go.com/category/k0150_1