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詩は元気です ☆ 齋藤純二

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悔しい気持ちで包丁を握ると

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まな板を使わず
刃物をナメて使い
隙ありと切られてしまう

久しぶりに指を少し切る
たいしたことはないが
痛みに思い出す

肉体を守るため
鋭利なモノには気を付けろ


滲む血を眺め
絆創膏はどこにあるのか
そう思いながら
赤く染まって
日常の時間は止まる

理由のある痛みは
わかりやす囁く
お前は間違っている



鍋をつかむ指の
絆創膏が剥がれかけると
悔しさに貼る
絆創膏を探していた

#詩

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古(いにしえ)の古の
古の空箱の
素敵な物語の
欠けらの
欠けらの

パンっと
破ってと
君がいうと
どこかへ飛べると
飛べると

不思議な
黄ばんだ紙の匂いのような
懐かしいような
夢のような
軽やかな

もう浮いている
浮いている

君は知っている
知っている

僕も知っている

君を知っている
知っている



#詩

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今を込む

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痛みが走るカラダ
その中で元気が叫ぶ

俺は今を生きて
納得を飲み込めれば
もう目覚めなくても本望な覚悟は
違う次元で詩を綴らせるはずだ

追う納得という奴は
掴めそうで掴めないから
俺の心中を引きちぎり
バラバラにしては
不完全燃焼のカスで山を盛る

嘆いている暇は俺にはない
有限のカラダに
有限の魂からの消える恐怖を
塗り潰しながら今がある

ひとが感じる俺の魂など
真実のモノではない

追求する表現者は
自分に自分を近づける生きモノ
いつ死のうが
納得に近づく矢印になり
リアルタイムに投身しなければ

痛みの中から
やっと見つけた鍵穴に
俺を差し込むだけだ

そこが始まりでだろうが
終わりであろうが

#詩

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