#4 アメリカの企業文化とミッション・ステートメント
May
20
私自身シアトルに長期間滞在をする中で、幸運にも多くの世界的大企業で働かれる方々とお会いし、お話ししてきましたが、実はアメリカにも同じ会社に留まって働かれている方が大勢おり、転職を繰り返したのち、現在の会社に留まることを決めた方もいらっしゃいました。そんな方達に今の仕事を選んだ理由について尋ねてみると、皆さん口を揃えて言っていたのは、現在働いている会社の文化が好きだからということでした。では一体、会社の文化とはどういったものなのでしょうか。
この答えの一つとして、以前Amazonのプロダクト・マネジャーとして働かれているアメリカ人の方とお話をする機会がありました。彼女に先と同様の質問を投げかけてみると、Amazonの持つカスタマー重視の企業文化に共感ができ、仕事に対して非常にやりがいを感じられるからという答えを頂きました。彼女曰く、Amazonは多くの投資を行っている企業の一つだが、これは常にカスタマーに満足をしてもらうための新しいサービスや製品開発に使われているとのことです。事実、近年でこそ黒字を出していますが、Amazonは売上の多くを投資に回し赤字体質の企業として有名でした。また、この企業文化は、Amazonの持つミッション・ステートメントの中で如実に示されています。
Amazon Mission Statement
“Our vision is to be Earth's most customer centric company; to build a place where people can come to find and discover anything they might want to buy online.”
Amazon Japanの翻訳に沿うと、「地球上で最もお客様を大切にする企業であること」そして「オンライン上で求められるあらゆるものを探し、発見でき、購入できる場を創ること」がAmazon持つミッションであり、ビジョンとなります。
アマゾンはなぜクラウドサービスでも成功できたのか? ジェフ・ベゾスの思考を読み解く3つのキーワード. (2014, November 6). Retrieved May 11, 2016, from http://logmi.jp/33928
このミッション・ステートメントがあるからこそ、Amazonはカスタマー重視の企業文化を持ち、私がお話をしたマネージャーの方のように働きがいを見出す方がいるのだと思います。転職が一般的なアメリカにおいて、企業の持つ文化というものは仕事を決める際に重要視される要素の一つであり、ミッション・ステートメントというものは企業文化を示す大切な指針ということなのでしょう。
By Takuho Yoshida
#1 Issue