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50歳からの起業 ー シアトルから福岡へ

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#8 エンジェルとベンチャーの主な違い

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#8 エンジェルとベンチャーの...
スタートアップの資金調達方法について経験の浅い起業家と話をしていると、エンジェルとベンチャー・キャピタル(以下ベンチャー)から資金調達をするメリット・デメリットを理解せずに所構わず資金集めに奔走している印象を受けました。もちろん起業家にとって資金が入って来るのはいい事ですが、投資を受けるという事は、資金と引き換えに投資条件を受け入れるという事なのでこの投資条件がエンジェルとベンチャーでは大きく異なります。

以前の記事でエンジェル投資家は基本的に裕福な個人であり、自分のポケットマネーを使って自己責任で投資していると書かせて頂きました。対してベンチャーは第三者である顧客のお金を集め、それを雇われたファンド管理者が管理費を取りながら投資しています。この違いはとても大きく、投資姿勢に大きく表れます。例えばベンチャーはエンジェルと比べて以下の傾向が見られます。

1.一定期間内にいい企業と出会えなくとも投資をしないという選択肢を取りにくい
2.一度に大きな金額の投資をしたがる
3.複雑なリスク評価を行う為に投資判断に時間がかかる
4.投資先会社に影響力を持つ為に役員会を作らせ、役員の席を要求する
5.投資リスクを軽減する為に複雑な投資条件を提示する

特に最後の複雑な投資条件の部分で起業家が後に苦労するケースが目につきます。例えば株式の希薄化による価値の下落を防ぐ為の条項の行き過ぎで創業者や将来の投資家から価値を奪ってしまうケースです。これにより事業が思うように伸びず増資が必要になったスタートアップが資金集めに苦労しているケースが数多くあります。ベンチャーの最終目標が投資資金の価値を上げるという事なのでこの条件は彼らにとっては理にかなっおり、更には投資先の業績が予想以下だった場合に創業者を追い出して新しい経営陣を入れる事もしばしば起こります。

スタートアップ企業に投資するという意味では同じですが、誰からどの様な投資を受けるかによって条件が変わります。条件によっては将来の資金調達予定に影響が出るので、投資を受ける側も投資条件が適切かどうかを理解してから受け入れる事が大切です。

By Takaichi Aoki
#3 Issue
#エンジェル #ベンチャー #投資 #起業家

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