国鉄の白紙ダイヤ大改正 ヨンサントウ【昭和43年10月ダイヤ改正】第三話 第3次長期計画の中間成果としての改正
Sep
17
ヨンサントウの改正は、サンロクトウの改正以来の大改正であり、昭和40年から改正に向けての準備は始まったと言われています。
第3次長期計画の一環として計画されたこの、ダイヤ改正は、スクラップアンドビルドを意識したものでした。
特に、ローカル線に関しては厳しい目が向けられ、ローカル線の廃止に至らないまでも利用者の少ない路線では、本数を減らすなどの間引きを行いました。
記録によりますと、全国112線区で、昼間帯を中心に運転キロで18,050 kmを削減したとされています。
その反面、通勤輸送等には、大型の投資が行われ、線路の増設や車両基地の改良、ホーム延伸等が行われた他、地方幹線の複線化や電化などの輸送力増強並びに、近代化が推進されていきました。
他に、特徴的な点を列挙して見たいと思います。
- 季節列車の増発【従来の不定期列車の名称を季節列車と改めて、列車本数を増加】
現行147本から305本と倍増 - 愛称の整理と。呼称の統一。
従前、「第一○○」や「○○号」という愛称の使い方がありましたが、これを「○○号」に統一するとともに、愛称を統合することに なりました。
これは、全優等列車をマルスに収用するための意味合いもあり、ダイヤ改正に合わせて、従来のや、マルス101【30,000席】、102【10万席】とは別に、マルス103【200,000席】が増備され「特急あさかぜ」一人個室などの、一部寝台車を除き、国鉄の運転する列車の95パーセントまでをカバーすることとなりました。 - 設備改善が全国で行われ、複線化や電化が実施されたほか、特急列車の120 km/h運転に備え、軌道強化が行われました。
電化は、函館本線 小樽~旭川。東北本線(盛岡~青森)、奥羽本線(福島~山形)、仙山線(作並~山形)両毛線(小山~前橋)、中央西線(瑞浪~中津川)間が電化されました。
120 km/h運転に対応するため、軌道強化も実施され、東北本線(上野~青森)、高崎・上越・信越線(大宮~新潟)北陸本線(米原~金沢。山陽本線(神戸~下関)。鹿児島本線(門司~博多)で実施されました。
なお、軌道強化工事は、直線区間では、木枕木→PC枕木、に変更するほか、道床の厚みを20 cm→25 cmに変更するなどを実施するほか、タイプレートと呼ばれる補強板を木枕木とレールの間に挟むといったもので、現在と比べますと、貧弱なものではありました。
- 貨車は二軸貨車の、二段リンク対応が行われ、65 km/h以下の貨車は、北海道と九州に封じ込める処置が行われ、一般の貨車は75 km/h以上の速度となりました。
これにより、山陽線では、夜行急行の運転速度が約40分も短縮されました。
さらに、車両に関しても総額700億円の投資が行われ、新形式としてキハ181系気動車が14両新製され、「特急しなの」に導入されたほか、昭和42年に試作されたEF90の量産型としてEF66が15両増備。他にも蒸気機関車の置き換え用に、DD51が45両、入換用にDE10が134両増備されるなど、積極的な車両増備が行われました。
ただし、前述のとおり、ローカル線での列車削減などもあり、列車全体の増発キロでは、サンロクトウ改正の規模を若干下回るものとなりました。
下記にその比較を載せたいと思います。
昭和36年改正 旅客列車 83,892 km 貨物列車 31,461 km
昭和43年改正 旅客列車 60,200 km 貨物列車 31,300 km
ただし、昭和43年では、旅客列車のうち、新幹線。16,800 km、を含めた数字であり、財らせんだけでは、増発キロは43,300 kmとなります。
続きます
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