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生産性運動(マルセイ運動)と国鉄 第三話

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生産性運動(マルセイ運動)と国...
約1ヶ月ぶりの更新となります。
国鉄改革の方策として期待された、生産性運動は、確実に国鉄の職場を変えていきつつある雰囲気でした。
それは、組合員の数にも顕著に現れていきました。
生産性運動は、国労・動労組合員の脱退を加速させた
国労・動労を脱退して、鉄労に移籍する組合員が増えていったのです。

ストライキを容認する、総評系の国労・動労
総評を上部団体とし、ストライキを容認する、国労・動労
動労は機関車乗務員ならびに関連する職場の職員のみを組合員とする単一組合であり、国労が非現業から、駅、乗務員などをすべて網羅する職場であったことが大きく異なります
労使協調路線を標榜する、鉄労
昭和32年の新潟闘争を経て非現業系の事務職員を中心として。国労を脱退した組合員が結成した組合で、全日本労働総同盟(同盟)上部団体にいただく
、生産性運動を受講した職員が、国労を脱退して鉄労に加入する人が増え、国労・動労の組合員は目に見えて減っていくこととなりました。
昭和47年10月組合員数
組合員の減少は、当然のことながら組合費の減少を招くことになりますから、組織として好ましいことではありません。
そこで、組合は全面的に新聞広告を出したりいろいろな手法を考えていきます。
そして、最も決定的だったのは、ある駅だかの助役が、国労組合員を辞めさせて、鉄労の加入させるのが助役の得点稼ぎだと勘違いした、助役が露骨に組合脱退を示唆した会話を録音したテープを入手したとして、マスコミが公開したことでした。
この問題は、連携した野党議員の手で、国鉄の生産性運動は、不当労働行為ではないかと国会でも取り上げられることとなりました。
徹底的にマスコミを利用した国労・動労
今でこそ、会話記録などは小さなボイスレコーダーがありますので簡単ですが、当時はそのようなボイスレコーダーはありませんからどのようにして録音したのかいささか疑問ですが、実際にそうした事例があるとして、マスコミは連日、国鉄の管理者は労働者の団結を阻害しているとしてキャンペーンを張るなどしていきました。

さらに、国労は地方裁判所や、中央労働委員会に救済申し立てを行い、
9月14日には、札幌地裁が、札幌・苗穂工場に対すして行った、仮処分(当局に「脱退工作の禁止」を命じた。)ことであり、同年の10月5日には、公労委 昭和45年(不)第4号 並びに、公労委 昭和46年(不)第1号で申し立てた、、国労静岡地本が救済命令が認められ、不当労働行為であるとして救済命令が出されています。
以下は、国労静岡地本が中央労働委員会に救済命令を行った際の内容を引用したものです。
事件概要

区長、支区長、助役らの管理者が、国労組合員に対し、自宅に招く等 して、国労から脱退し別組合に加入するよう強要または勧奨したことが争われた事件で、文書交付を命じたほか、一部の服役の言 動については申立てを棄却し、静岡鉄道管理局に対する申立ては却下した。



命令主文

1 被申立人日本国有鉄道は、下記内容の文書を、本命令交付の日か ら30日以内に、国鉄労働組合に交付しなければならない。


 日本国有鉄道は、日本国有鉄道静岡鉄道管理局管内の駒ヶ根車掌区長Y1、同車掌区首席助役Y2、同車掌区助役Y3、同車掌 区助役Y4、飯田運輸長付総務係長Y5、清水駅首席助役Y6、同駅輸送総括助役Y7、静岡電力区第一電力支区長Y8、同支区 助役Y9、同支区助役Y10、掛川駅予備助役Y11および浜松駅庶務助役Y12が、貴労働組合の組合員に対し、貴労働組合から脱退するよう勧奨したことについて、陳謝するとともに、今後このような行為をくり返さないことを約します。

  昭和 年 月 日

 国鉄労働組合

  中央執行委員長 X1 殿

 国鉄労働組合静岡地方本部

  執行委員長   X2 殿

              日本国有鉄道 総裁 Y13



2 申立人らの被申立人日本国有鉄道に対するその余の申立ては、棄却する。

3 申立人らの被申立人日本国有鉄道静岡鉄道管理局に対する申立ては、却下する。

引用ここまで、
全文は、下記をご覧ください。
日本国有鉄道静岡鉄道管理局
更に、同年11月2日には、吹田第二機関区、姫路第一機関区で動労組合員に対し、動労を脱退することを勧奨したとして、同じように救済命令が出ています。
中央労働委員会命令・裁判例データベースから引用

立て続けに出される、救済命令など
なお、これに先立ち、10月1日には、生産性運動は、不当労働行為と見做されるような行動を慎むようにと異例の指示を出したほか、10月5日には、、生産性運動に絡む不当労働行為が5件あったとして、全面的に組合側の主張を認めることとなり、10月8日には、国鉄労組に陳謝するように救済命令をだすことになり、同日磯崎総裁が厚生省に呼ばれ、翌日は、国労・動労代表から事情聴取が行われました。
ここで、国鉄当局は正式に生産性運動に関して陳謝し、昭和44年からスタートした生産性運動はあっさりと終焉を迎えることとなりました。

引き続き、10月11日には、磯崎叡総裁は、組合側に陳謝文を交付する旨の談話を発表
さらに、12日には、国鉄側が不当労働行為の断絶などを約束したとされています

ここに来て、生産性運動は中止に追い込まれ、中間管理職約1000名の追放を組合は提案して、当局はそれを受け入れてしまいます。
これいより、昭和30年代に見られた、当局と対立する姿勢ではなく、組合に飲まれてしまう当局が誕生することとなり、この後急速に国鉄の財政も悪化することとなり、管理職には冬の時代が来ることとなりました。

なお、こちらではあくまでも概要にとどめておき、その後のことは今後詳細にアップしていきたいと思います。
国鉄労働組合史詳細解説 33

国鉄労働組合史詳細解説 34-1

国鉄労働組合史詳細解説 34-2

国鉄労働組合史詳細解説 35

国鉄労働組合史詳細解説 35-2

国鉄労働組合史詳細解説 56

国鉄労働組合史詳細解説 59

国鉄労働組合史詳細解説 60
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国鉄があった時代 JNR-era
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