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生産性運動と国労 生産性運動中止へ マスコミと連携した国労の反撃 第一話

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生産性運動と国労 生産性運動中...
長らく開けてしまいましたが、久々に再開したいと思います。
国労は生産性運動に関して、未だ未だ有効な決定打を打ち出すことが出来ずにいました。
さらに、鉄労は10万人結集を合い言葉に国労・動労組合員の引き抜きを行なっていたことは前述の通りです。




生産性運動教育を経て、国労から鉄労へ移籍する人たち
当局の生産性運動と、生産性運動教育を受けた職員が、ストライキばかりする国労から、国鉄再建を目指すにはストライキではなく自らが働くべき何だと言うことで、鉄労へ加入する動きが加速していきました。
当然、鉄労自身も積極的に勧誘に動くわけですが、現場では、組合による差別的行為が行われているとして、国労本部は、現認した時点で記録を残すように、全国労組合員に現認メモを配布します。
そして、現場での不当労働行為を見たり聞いたりしたら、メモに残し、それを報告するように求めたのでした。

摘発メモ(イメージ)

当局と交渉するも・・・現場では殆ど効果無し
「国鉄労働組合40年史、第二章「マル生」攻撃に抗して」と言う章を参照しますと、旭川地方で当局との間で交わされたやりとりが書かれていますので、以下にその記事の部分を引用してみます。


旭川地本は、当局との間で不当労働行為の中止・労使関係正常化の折衝をはじめるに当たって、次の馬事項についての意思統一を行った。

  1. 一連の不当労働行為に抗議するため「団交」を停止し、当局がその不当性を認め、それに対する措置を今後やらないという確認、実証が示されるまで団交は再開しない。「団交再開の場合」は、組合の基本要求の先行解決を前提条件とする。

  2. それらの問題が整理されるまで、36条協定の締結はしない。

  3. 労使関係の正常化を図るため折衝(交渉)は、委員長と局長会見の結果で決める。


以上のような内容で、地本と当局による折衝が行われて、下記の通り確認がなされることとなりました。


確認事項 71年6月3日付

  1. 不当労働行為と疑いを持たれるようなことは今後やらないよう十分指導、徹底する。

  2. 局の課員に対し。組合所属の総意によって差別的な扱いはしない。

  3. 鉄労への加入しようなどは組織介入であり、やれるものでもないし、やらない。

  4. 処分については十分慎重に取り扱う。



又、その下部機関においては、たとえば北見駅分会では当局に対し4項目の要求を行った。


  1. 労使対等、組合不介入の原則に立ち、今後、組合にたいする不当な介入・干渉をしないこと。

  2. 今次春闘に際し現場管理者など当局側に不当労働行為に類するいくつかの行き過ぎのあったことを認め、以後このよう な行為がおこなわれないよう十分注意指導すること。

  3. 組合所属の相違、および組合活動家であることをもって、昇職、昇給、登用など人事に関し差別扱いをしないこと。

  4. 偏向教育や、本人の意思に反する教育を強制しないこと。



以上の経過を踏まえて、組合と当局は、労使正常化に ついて誠意をもって努力するとして、以下の「確認メモ」を作成したとされています。(71.6.17)。


  1. 不利益取り扱い、または、支配介入等の不当労働行為はおこなわない。

  2. 不当労働行為と疑われるような行き過ぎのないよう注意し、十分指導する。偏向教育はおこなわないし、また強制しな い。



しかし、このように何度も当局と地方の間で覚書と言える確認メモが為されたにもかかわらず、「現場段階の管理者にはそれらを遵守する意思もなく、従前どおりの労務管理がおこなわれた」と、国労は主張しています。

鉄労は当然のことながら、オルグをかけて国労からの引き離し工作を行っているわけですが、一部の助役等には、国労を脱退させて鉄労に加盟させるのが生産性運動だと理解していた人も少なからず居たようで、国労の資料だけですので多少なりとも偏向がかかっているかも知れませんが、実際にそうした行き過ぎたというか誤った不当労働行為を行っていた助役などの中間管理者がいたことは当局も認めており、後述しますがマスコミによる不当労働行為の証拠とも言える発言が録音されて居たことは、国鉄当局にとっては痛手となりました。

さらに国労の資料を見ますと、動労との共闘したことが記述されています。
国労と動労は同じ総評に所属していることから、対鉄労と異なり、親和性が有ったと思われがちですが、実際には動労が単一職能組合であるのに対して、国労は職種が多岐にわたることから、意見の集約が難しく、動労が決定しても国労の態度が決まらないということも多々あったようで、動労と国労が共闘したのは、この時期以降スト権ストの頃までではないでしょうか。それ以後、昭和57年には動労は自らも「働こう運動」ということで、積極的に出向や一時帰休などにも応じるなどして、新会社移行までの間は必要以上と思えるほどの労使協調路線を歩んだにたいし、国労の対応は遅れ、分割民営化絶対反対を全面に出さざるを得ず、特に北海道・九州で多くの不採用者を出してしまったのはご存じの通りです。

この時も、国労も動労も当局からの攻撃をかわすという意味合いから、多少意見の相違はあるが、当局打倒という方向は同じであるとして、共同戦線を張ることしたとしており、現場段階での「共同決起集会」や「当局に隔離された(当局が確保した機関士等運転要員)を救出したと書かれています。
まぁ、当時でしたら鉄道公安がこうした乗務員の確保などに動いていたわけで、組合からは公安職員は当局の犬などと罵られていたようですが。
同じ国鉄職員ではあっても組合から一番嫌われたのが公安職員だったかも知れません。

閑話休題

公安職員の話題は別としても、動労と国労はこの時期は特に協調していくことで、徐々に巻き返しを図っていくこととなりました。

続く

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