『骸骨ビルの庭 上』〜輝さんとわたし。
Jun
25
『骸骨ビルの庭 上』宮本輝著 講談社
内容(「BOOK」データベースより)
住人たちを立ち退かせるため、八木沢省三郎は管理人として骸骨ビルに着任する。そこは、戦後、二人の青年が子供たちを育てた場所だった。食料にも事欠き、庭で野菜を作りながら、彼らは命を賭して子供たちと生きた。成人してもなおビルに住み続けるかつての子供たちと、老いた育ての親、それぞれの人生の軌跡と断ち切れぬ絆が八木沢の心を動かす。すべての日本人が忘れられない記憶。現代人が失った純粋な生き方が、今、鮮やかに甦る。
こころに残った箇所は、国立大学を退官した中国古典文学の教授が中国に留学して勉強しなおそうと考えて(国交断絶中だったために)仕方なく若いころに読んだはずの、中国学の諸先輩の著書をむさぼり読み、これはという学者を訪ねて教えを乞うた。
その六年間で多くを学び、最も大きなものは、若者の将来に役立たない学問は死んだ学問だということだった・・・というところ。
そして、高校生が「人間は何のために生れて来たのか」と問うと育ての親は、即答かつ断言した答え。
自分が縁する人たちに歓びや幸福をもたらすために生れてきたのだ 、と。
昨夜、上巻を読み終えました。
今日から下巻に入ります。
輝さんの作品に出合ったのは、遥かむかしです。
1983年10月のテレビドラマからです。
原作本を探して読みました。
それから、輝さんの新刊が発売されると必ず初版本を買うようになりました。
はじめの頃は「死神」が背中にとりついている作品が多いように感じました。
『川三部作』は、読む気になれず、ずっと封印した作品でした。
数年前にようやく読みましたが、輝さんとの原点は、やはり『青が散る』だったように思います。
途中から、理解不能?意味不明?の作品が続いたように思います。
精神的な葛藤が繰り広げられていたように思います。
いつの頃からか、作品が円やかな優しいものに変わってきました。
そして、この作品・・・。
闇の世界の怖さを感じながらも、優しさと愛情が沁みている作品のように思います。
下巻の展開は、どこへ繋がっていくのでしょうか?
楽しみです。
Posted at 2009-06-25 22:39
People Who Wowed This Post
Posted at 2009-06-26 11:05
People Who Wowed This Post
Posted at 2009-06-26 02:36
People Who Wowed This Post
Posted at 2009-06-26 16:59
People Who Wowed This Post