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南加聖書教会ホームページ: http://wdx.socalbiblechurch.com/ 南加聖書教会フェイスブック: https://www.facebook.com/SoCalBibleChurch/

牧師、バイカー、鮨職人として。。。シェア from LA 第26話

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牧師、バイカー、鮨職人として。...
第26話「ボロ教会 前編:ディサイプルシップだ」  

   平日の昼間のLA地域のフリーウェーはいつも渋滞してるので私はたいていバイクで移動する。人に会うのも伝道する時もそうだ。今から数年前、福音を伝えにバイクで足げく通った家庭の近所に“ボロ教会”がある。貧しい地域の教会で、敷地が広いので駐車場は大きいが礼拝堂はこじんまりしており、その横に複数の平屋が並んでいる。面白いのはその駐車場にいつもシャコタンで50年代のオンボロ・アメ車がポツンと置いてあることだ。それが気になった私はある日バイクで立ち寄っみた。

駐車場の端にバイクを止めたところ、30メートルほど先にある平屋の中から4人の男が出て来た。自分の事を差し置いて言うのも何だが彼らも相当ガラが悪い。しかもそのうち一人は身長2メートル以上あり体重は150キロは下らない白人中年の大男でまるでハルク・ホーガンだ。ただしホーガンは剥げてるがその大男は銀髪のショートヘアでもっと精悍だ。などと見てると何と向こうもこちらをじっと見てる、つうか睨んでる。しかもこちらにドンドン近づいて来た!「ヤベ!」

大男は私の前まで来ると「撮っていいか?」と言ってパチパチと私のバイクの写真を撮りだした。ズルっと拍子抜けしたが気を取り直し「アンタらこの教会のメンバー?」と尋ねると「そうだ。」と言う。こちらが牧師であることを告げ、「今日は何やってるの? 奉仕か何か??」と聞くと「違う。」と彼。「じゃ、何?」。「ディサイプルシップ(discipleship)だ 」。

ガーンとやられた。「ディサイプルシップ」。何と良い響きだろうか。日本人には聞きなれない言葉だが、よくある日本の「弟子(ディサイプル)教育」とは似て非なるものだ。彼らは弟子そのものを目指す。この教会に住み、常に学び、ホームレスミッションや刑務所伝道、バイカーミニストリーにイエスの奉仕者として精を出す。メンバーの多くは元受刑者だ。数台のハーレーが駐車されてる。例のボロ・アメ車は牧師の車で「ラット・ロッド」と呼ばれてるそうで大笑いした。シャコタンの大排気量車である「ホット・ロッド」を文字って「ネズミのように小汚い車」と言う意味だ。道理で! 牧師自らアメ車のチームも率いているとのこと。

実はその頃の私は落ち込んでいた。進まぬミッション、閑古鳥の教会、生活のために自ら夜遅くまで働く日々。しかし不器用で貧しいながらも主のために自分のいる場所で自分の出来ることをしている彼らを見て、極貧と迫害に負けず力強く歩み通しイエスに激賞された「スミルナの教会」を思い出し、主が私を今日ここに導いてくださったことを知った。「ここに来て本当に良かった」と天を仰ぎ 主を賛美したのだった。

「わたしは、あなたの苦しみと貧しさとを知っている。
-しかしあなたは実際は富んでいる。」
           ヨハネの黙示録2章9節。
4-10-2020

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俺たちはくじけない!

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俺たちはくじけない!
俺たちはくじけない!
神があなたがた全てを祝福し、あなたがた全てを守られますように!

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もの言う牧師のエッセー 第78話 傑作選       

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もの言う牧師のエッセー 第78...
もの言う牧師のエッセー 第78話 傑作選       
「 ボストンダンサー 」

   オリンピックに続いて歴史の古い伝統あるボストンマラソンにおいて、4月15日14時45分に一度目の爆発が起こった時、32歳のプロのダンサーでありダンス教師でもあるエイドリアン・H・デイヴィスさんは爆発現場から約2ブロック離れた地点で、ちょうどアフガニスタンでの任務を終え2週間前に帰国したばかりの空軍大尉である夫のアダムさんと休日を楽しんでいた。

爆発音を聞いてとっさに顔を見合わせ肩を寄せ合う2人。いやな予感が頭をよぎる中、10秒後に2発目が彼女らの真後ろで炸裂。付近にあるボストン公共図書館3階の窓まで破壊したという衝撃により2人は1メートル以上飛ばされ地上に叩きつけられた。何が起こったのか良く分からないまま自分の足を見ると、グロテスクな血まみれの左足首と、自ら負傷しながらベルトを外して彼女の足に巻き出血を止めようと必死のアダムさんの姿が。

翌朝、病院で目を覚ました彼女は自分を見つめる母親と目が合った。「ママ、左足がおかしいの。どうなってる?」。「ハニー、あなたの左足首はもうないのよ…」。頭が真っ白になるエイドリアン。「何それ!?私はダンサーなのよ!」。ペットボトルを投げつけ怒りに燃え自分の足を叩き続け彼女は思った。「私の人生はもう終わった」と。

しかし大好きなダンスだけはどうしてもあきらめきれない彼女はとんでもない決心をする。「来年のボストンマラソンに出よう。そしてもう一度踊ろう!」 そしてさっそくリハビリを始めた時、ちょうど取材に訪れたTVクルーが彼女の様子を報道したところ、多くの人たちに感動を与えたのみならず、何と超人気番組 “ダンシング・ウィズ・ザ・スター“ のレギュラーを勤める超イケメン俳優デレック・ハフが彼女に「じゃあ一緒に踊ろう!」と番組出演をオッファーしたのだ!  狂喜する彼女は、多くの現役スターが出演し勝ち負けを競う同番組へのコンペティションへ向けて壮絶な戦いを開始した。

「正しい者は七たび倒れても、また起き上がる。」箴言24章16節 

と聖書にある。日本でも有名な「七転び八起き」のことわざは、実は元々3000年前に聖書に書かれたものに由来する。「7」は完全数で永遠を指し、つまり正しい者は何度倒れても起き上がるということだ。救い主キリストは、何とか立ち直ろうする者を放ってはおかれない。     2013-5-4

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牧師、バイカー、鮨職人として。。。シェア from LA 第25話

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牧師、バイカー、鮨職人として。...
牧師、バイカー、鮨職人として。。。シェア from LA   
第25話「教会発足式、後編」  

   資材運搬用のアストロバンが壊れたままついに発足式当日を迎えた。ひたすら祈りつつ朝からあちこち電話をしたが、乗用車ならともかく日曜の朝っぱらからトラックやバンをチャーター出来る人などいない。もはやこれまでかと思い始めた時に1本の電話が鳴った。トムからだ。「どうだ?上手く行ってるか?何か出来ることはないか?」 事情を話したところ「じゃ今から俺が行く」と言う。「でもアンタの車は乗用車だろ?以前乗ったことがある。」と返すと、「いや、最近ホンダのオデッセイを買った。心配するな。」「え!?ホンマに!」 オデッセイなら人と物資を運んでも何の問題もない!

結局、彼が日本からのメンバーをクリスタル教会へ案内してくれたおかげで私はフリーとなり、発足式会場へ先に乗り込みじっくり準備が出来た。と言うより、実はもしバンが壊れず私自らがクリスタル教会へ彼らを送っていたら発足式には間に合わなかったことが後になって分かった。神さまの不思議な導きに脱帽!さらに言えば翌日LAで執り行われるシゲ子さんの葬式へもトムが迎えに来てくれて資材一式を積み込み運んでくれたので私は自分の奉仕に集中できたのだ。

さて先に現地入りした私はキーボードを運び込み椅子を並べて大忙しだが、開会時間が近づいてきてるというのに誰も来ない。「どうしよう。。。」もし誰も来なかったら赤っ恥もはなはだしい。一難去ってまた一難。そのうちにクリスタル教会へ行ったメンバーらがトムに送られ到着、持参したおにぎりを食べながら準備は続いたが、相変わらず人の出が悪くこのままでは閑古鳥。悶々と祈り続けたが突然、「やあ、こんにちは~」と一人の紳士が入って来た。「武曽さん!」だ。(22話参照)

何と彼は北LAから往復200キロかけて駆けつけて下さった。と そこへ一人の男性がヌボーッと顔を出した。「Dr.馬場!」彼は私の歯医者さんで過去20年以上お世話になっているが教会には全く来ない。しかし「特別な日だから」と来てくれた。ちなみにこの2人が礼拝に来たのは後にも先にもこの一回きりだ。その直後イケメン白人青年が友人と共に現れた。彼の名はダスティン。もうずいぶん前に縁のあった人物で何と彼は南カリフォルニア最南端のSD(サンディエゴ)から往復400キロも車を飛ばして来てくれた。彼らのお陰で正に「南カリフォルニア」聖書教会の名に相応しい日となった。

そうこうするうちにゾロゾロと人が来始め部屋は一杯になった。「何だ??」と見てみると何と昨日会ったサドルバック教会の人たちだ。 昨日 忙しい中 訪ねて行った甲斐があった!(24話参照) さらに彼らは他教会で奉仕している兄弟姉妹にも声をかけてくれたので様々な背景の人たちが集まった。式は順調に進み、その後はサドルバックのハワイアン・ミニストリーの人たちが踊りを披露してくれるなど式は3時間にも及ぶ“宴”となった。ちゃんと神さまは祈りを聞いてくださり私が思う以上に全てを祝福で満たして下さった。いっぽうで私が招待状を出した人たちは殆ど来なかった。教会は人の やる気ではなく神の御心で動くことを思い知った。そのことが今も我が宣教の土台となっている。

「招待される者は多いが、選ばれる者は少ない。」   
       マタイの福音書22章14節
                          3-26-2020

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もの言う牧師のエッセー 傑作選 第75話

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もの言う牧師のエッセー 傑作選...
第75話 「 味噌 」

   震災から2年が経過した今も、一日2億4000万ベクレルという途方もない放射性物質が噴き出し続ける福島原発の前に、政府、東電、原子力関係者らは呆然と立ち尽くす。廃炉問題、汚染水、最終処分地、多くの避難民や内部被曝などの難問続出に、はっきり言って “お手上げ” なのである。復興とは名ばかりで、実際には全く手付かずと言ってよい。しかし実は日本には放射性物質を防ぎ、さらには体外に排出する素晴らしい食材があった。味噌である。

その事実を証明した秋月辰一郎医師は1916年に長崎で生まれ、京大医学部を卒業後、1944年から長崎浦上第一病院(現聖フランシスコ病院)院長(当時28歳)を務めていたが、翌年8月9日に原爆が炸裂。爆心地から1.4kmの同病院で勤務していた彼も自ら被爆者となったが、多くの負傷者の治療に奔走したのだった。 もともと放射線科の医師である彼は修羅場の中で思い出したことがある。「患者に放射線治療を施した際に自ら放射線を浴びた際に出る副作用と、被曝患者の症状の似ていること」、さらには「放射線技師たちが副作用に対して、濃い食塩水によって症状を緩和していたこと」である。実はその当時この病院は味噌・醤油の倉庫として指定されており、それらが大量に備蓄されていた。「塩辛い味噌汁を毎日飲め!」と、彼は叫び続け、それがそのまま実行された結果多くの人が救われ、彼自身も89歳まで生き、しかも原爆症を最後まで発症することはなかった。  聖書は言う。

「神は仰せられた。『見よ。私は、全地の上にあって、種を持つ全ての草と、
 種を持って実を結ぶ全ての木をあなたがたに与えた。
 それがあなたがたの食物となる。また、地の全ての獣、空の全ての鳥、
 地をはう全てのもので、命の息のあるもののために、食物として、
 全ての緑の草を与える。』すると、その様になった。
 その様にして神はお造りになった全てのものをご覧になった。
 見よ。それは非常に良かった。」 創世記1章29-31節 

と。私は神に感謝する。満身創痍の今の日本に、チェルノブイリ事故の時も欧州諸国が買い求めたという“良いもの” である味噌を賜ったことを。結局は神が造られた自然こそが、我々人類にとって一番良いということだ。神を信じ敬おう。
                          2013-4-14

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世界で最も安全な場所とは 神の御心の中だ。

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世界で最も安全な場所とは 神の...
皆さまに神の祝福とご加護が豊かに注がれますように。

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牧師、バイカー、鮨職人として。。。シェア from LA 第24話

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牧師、バイカー、鮨職人として。...
第24話「教会発足式、前編」  

   2008年末にはすでに教会は始まってはいたものの、実質 私と妻だけの小さな単立教会、しかも日頃 働きながらのミニストリーは毎日忙しかったが、何としても3年以内のイースター、つまり2011年4月24日に正式な発足式を近隣の人や友人らを集めて行いたいと祈っていた。しかしイースターはどこの教会も忙しいので1週間繰り上げ、17日の棕櫚の日礼拝に設定し直し(23話参照)、他教会の人々が来やすいように午後からの開催と決めた。折り返し郵便付き招待状を有志の方々へ送付するも殆どスルーされ、悶々とした日が続く中、ついに当日前の週末を迎えた。

前々日の木曜日に日本から私の家族を含む4人の兄弟姉妹が到着したが、私は前日土曜も鮨屋で板長をしていたので目の回るような忙しさ。しかも発足式の翌日月曜にはシゲ子さんの葬式も控えてる。しかし彼らは「サドルバック教会へ行きたい」と言うので同教会メンバーのトム(16話,23話参照)に話すと「土曜にハワイアンの昼食会があるから寄れば?」と言う。聞けば教会内ではなく最寄りのレストランとのことで、「何でこのクソ忙しいのに!」と腹立てながらも現地へ伺ったところ、そこには依然サドルバックでお世話になった懐かしい面々がいて、前回お世話になった正美姉や、日系人らと旧交を温め ほのぼのとした時を過ごした。

昼食会が終わり、私は鮨屋の仕事へと向かい、妻は4人の有志を乗せてサドルバック教会の土曜夕礼拝へ向かった。実は私がいた鮨屋はサドルバック教会の近所だったので、礼拝後、彼らは鮨屋に食べに来て「明日は頑張ろう!」などと盛り上が大いに恵みの時となった。

しかし、妻が彼らをホテルへ送る途中に立ち寄ったガソリンスタンドで何とアストロ・バンがえんこ!全く動かなくなり暗闇の中で立ち尽くした。ちょうど仕事を終えた私は大急ぎで現場へ駆けつけレッカーを呼び、その間に私の車で彼らをホテルへ送ったものの、明日の発足式のキーボードなどの資材一式と5人以上の人間をどうやって運ぶのか?土曜の深夜に修理できるはずもない。おまけに明日の朝は近所のクリスタル教会へ彼らを案内する予定もあり、さらに明後日の葬式にもバンは必要なのだ。もはや明日の準備をしてる余裕もなくなった。

「何でこんな時に!?」 もはや祈るしかない。つぶやくことを避け、歯を食いしばりながら主の御声に耳を傾けると少しずつ分かって来たことがある。「これは戦争や!」 私ごとの揉め事に非ず、“霊の戦い“だということ。教会にとって一度しかない発足式でなぜこういうことが起こるのか。それはサタンの悪の力が激しく抗っているからだ。つまりサタンがここまでムキになるほどこの教会にはイエスの望みが大いにある!「寝よう。」 後は明日だと決め、神を信じて眠りについた。その前日に与えられていた言葉。。。

「おおよそ神より生るる者は世に勝つ、世に勝つ勝利は我らの信仰なり。」
 第一ヨハネの手紙5章4節、文語訳
                            3-14-2020

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もの言う牧師のエッセー 第70話   傑作選

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もの言う牧師のエッセー 第70...
もの言う牧師のエッセー 第70話   傑作選
「 EVよ、お前もか 」

    電気自動車(EV)の急速充電方式をめぐり、日本と欧米の自動車メーカーの対立がいよいよ激しくなってきた。世界に先駆けて約3年前に実用化に成功し、すでに欧米各地に 1600基以上の設置実績を重ねてきた日本勢の「チャデモ方式」が、 国際標準化への影響力が強い米自動車技術者協会(SAE)が昨年11月、欧米メーカーが開発中で現段階では実現していない「コンボ方式」の採用を決定したことにより、あろうことか苦境に立たされた。
   
これに対し日本勢は国際標準化を働きかけながら、設置数を増やしてデファクトスタンダード(事実上の業界標準)化を目指すというが何とも頼りない。実は欧米勢の発言力の強さに比べ日本のそれは哀れなほど小さい。というのは電気技術関係の国際標準を決めるのはジュネーブに本部を置き現在130カ国以上が加盟する国際電気標準会議(IEC)であり、その本部はもちろん下部組織に至るまで欧米勢が牛耳る。しかもSAEはIECと長らく協力関係にある
のだ。

かつて90年代、第二世代携帯電話の通信方式を巡って日本標準のPDCと欧州標準のGSMが争ったことがあったが、結局のところ日本方式は日本以外では全く採用されず、いっぽうでGSMは現在も世界の82%、212カ国地域で利用されるに至り、日本の携帯電話は世界で取り残され、サムスンの台頭までも許してしまった。私には、何度もIECに日本が煮え湯を飲まされた、というよりも、日本人はそもそも良いものを作ろうと目先のことに汲々とするばかりで、“標準化”という、ともすれば企業や国家の盛衰を決する大局的なことに無頓着に見える。  聖書の中で神は、

「 全地よ。主を恐れよ! 世界に住む者よ。みな、主の前におののけ!」
                   詩篇33篇8節

と叫び、自分が全ての標準であることを世界に喚起しているが、日本にクリスチャンが少ないのは、彼らが標準に疎いからなのかも知れない。チョコチョコ充電器を設置するのもいいが、今こそ日本は真の標準であるキリストの力と知恵を得てしっかりと世界標準に目を向け、がっぷり 四つに組んで 欧米勢/IEC に勝ってほしい。      2013-3-1

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牧師、バイカー、鮨職人として。。。シェア from LA 第23話   

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第23話「シゲコさんの葬式」  

   さて、受洗後のシゲコさん(7話~10話参照)は、主の恵みの力で元気になり、認知症により忘れていた英語も思い出し、以前よりも歩けるようになり、バイブルスタディも続けていたが、パーキンソン病を併発していることが分かり、受洗から半年ほどたった頃から急速に体調が弱り寝込むようになり ほどなくして人事不省に陥った。さらに半年が過ぎ、年を越え春を迎えたある日、息子さんのトムから急な電話があった。

「ミッキー、久しぶり。オフクロがついに死んだ。お前300ドルで葬式やってくれるよな?」 300ドル?安!と思ったが「ついに彼女が?。。。 ああ、いいよ。と言うか、アンタ大丈夫なの?それに俺でいいの?」と返すと「ああ、平気さ。彼女は天国に行ったんだから。もちろん君しかいないだろう。君が母を導いたのだから。それより葬式をいつにすればいい?お前も色々忙しいだろ?」 

その通りだった。すでにミニストリーを初めて2年経過していたが、ようやく教会の認可も取り、受洗者も3名ほど与えられるなど教会らしくなりつつあり、ここらで正式に「教会発足式」をしようと準備中で、日本からも有志が応援に駆け付けてくれることとなり、その日を2011年4月のイースターの前週である第三日曜日(棕櫚の日礼拝)17日に定めバタバタしていた。が、「じゃあ発足式翌日の月曜にやろう!」と決めた。アメリカでは誰かが亡くなってもすぐに通夜などせず、冷凍保存するか先に火葬するかして参列者が集える日に葬式を行うのが通例なので即決できた。「オフクロの思い出話はどうでもいいので とにかく徹底的に福音を語ってくれ!参列者の殆どはクリスチャンじゃないから。」と言う彼。

「で、参列者は何人ほど?」と尋ねたら、「50人くらいじゃない?」と言うので、じゃあ家族的なんだなと少し安心した。実のところ、両親が2人とも牧師であったこともあり私は幼い時から神学を叩きこまれ、ハタチを過ぎた頃には数百人の前で説教していたが、英語での説教は未経験だった。個人伝道などでは困らないものの日常会話と説教とでは英語の質が全く違う。祈りつつ当日を迎え講壇に立って見ると、「何じゃこりゃ!」 何と300人ほどもいる!思わず背中が凍り付く。「神さま、助けて」と祈りながら聖書朗読を終え説教に入ったが、「何やこれ!間違ごうてるやんけ!」と気付いた。 聖書朗読の後は親族による思い出話の予定だったが すっ飛ばして説教しちゃった、トホホ。こうなったら開き直って福音を語るしかないと必死で語った。

葬式が終わった後、トムさんに”間違い“を謝罪したが、「そうなの??気付かなかったよ。最高の葬式だった。ありがとう!」と喜んでくださった。おまけに彼の妹さんと合わせて3000ドルも献金してくれた。
”予定“の10倍だ。シゲコさんのミッションは初めから終わりまで主の憐れみに満ち満ちていた。

「主の慈しみは決して絶えない。主の憐れみは決して尽きない。」 
                 哀歌3章22節、共同訳 
                        2-27-2020

当エッセーのバックナンバーをご希望の方は
教会HP: socalbiblechurch.com をご覧ください(^^)

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もの言う牧師のエッセー・・・第370話   特別メッセージ 

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もの言う牧師のエッセー・・・第...
もの言う牧師のエッセー・・・第370話   特別メッセージ 
「 私はあなたを赦します 」

    昨年の暮れ、アメリカおよび世界中に衝撃を与えた若干18歳の米黒人青年、ブラント・ジーン君が、アメリカ及び世界130ヶ国からの数万人の弁護士及び司法関係者らの会員で構成されるCAIL(The Center for American and International Law/合衆国法と国際法研究所) から「Ethical Courage Award /エシカル・コラージ(倫理と勇気)賞)」を受けた。

2018年9月6日の夜、テキサス州ダラスのアパートで悲劇は起きた。当時婦人警官だったアンバー・ガイガー(現在服役中)が、仕事から帰宅する際に、⾃宅と勘違いして⼀つ上の階に部屋に⼊り、リビングルームでテレビを見ていた当時26歳の黒人青年ボーサム・ジーンさんを“侵⼊者“と勘違いし、あろうことか射殺してしまったのだ。「また白人警官が黒人を殺した!」と全米に囂々たる非難が渦巻く中、2019年10月1日、アンバーに10年の禁固刑が言い渡された。「たった10年?」怒りが爆発する黒人団体を尻目に、最後に証言台に立ったボーサムさんの弟のブラント青年がこれから刑務所へと向かうアンバーに驚くべき言葉を投げかけた。

「もし あなたが心から謝罪するなら、私はあなたを赦します。もしあなたが神にそう尋ねるなら、神もきっとそう言うでしょう。また、兄のボーサムもきっと同じことを願うでしょう。悲しんでいる私の家族の前でこんなことを言うのもなんですが、私はあなたに刑務所にさえ行ってほしくない。あなたに何も悪いことが起こらないように願います。あなたには良いことだけが起こってほしい。そして、残りの人生をキリストのために生きてほしい。」 静まり返る法廷。そして、ただ隣席者のすすり泣く声が聞こえる中、彼はアンバーをハグしたのだった。

その後、涙を拭いつつ状況を見ていたタミー・ケンプ判事は、泣きじゃくるアンバーに近づき、抱きしめ、自ら毎日使っている聖書を取り出し、「これがあなたのスタートよ。」と言って

ヨハネ3章16節「神は、実に、そのひとり子をお与えになったほどに、世を愛された。それは御子を信じる者が、ひとりとして滅びることなく、永遠のいのちを持つためである。」

を読み上げ、聖書を手渡した。いっぽう裁判所前では、判決を不服とする大群衆がデモを繰り広げた。さらに無神論者の団体は「テキサスの判事は政教分離の一線を越えた!」と金切り声をあげた。また、ボーサムさんが生きていれば28歳ということで検察は最低でも禁固28年を求刑していた。母親のアリソンさんは息子ブラントの態度に理解しつつも法と警察の怠慢には不満を募らせた。父親のバートラムさんは「日曜日が一番辛い。一緒に教会で礼拝し、毎週彼は聖歌隊で歌っていたのに、彼はもういないのです。」と涙に暮れる。様々な立場とそれぞれの思い、怒りと悲しみ、不条理に対する答えなど無いのかも知れない。それゆえに、ブラント青年が示したキリストの愛は強烈な光芒を放ち、人々を揺さぶった。そして改めて知る。キリストの愛だけが人を救う唯一の答えなのだと。    2020-2₋7

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