人間のあるべき姿 ―コロナよりも怖いのは人間だった―
Feb
8
皆様、お久し振りです。
昨年(令和3〔2021〕年)は、練心館道場の約40年の歴史の中で、初めて、新年の鏡開き式典が社会状況に鑑み中止となってしまいました。
その後も、緊急事態宣言発令とまん延防止等重点措置施行が繰り返され、春以降なぜか日本の超過死亡数が激増する(令和2〔2020〕年はコロナ禍でも超過死亡数は前年比で約9千人減少しました)という異常な年となりました。
そんな異常な社会が今なお続く令和4(2022)年1月16日(日)。
今年は二年振りに、無事、鏡開きの式典を執り行えたことは誠に感謝の念に堪えません。
鏡開きでは、毎回「今年の練心館道場のテーマ」という題目で年頭のご挨拶をさせて頂いております。
昨年は、式典そのものは中止となってしまいましたが、ブログで練心館道場昨年のテーマ「恐怖を超えてゆけ♪」を発表させて頂きました。
何かと恐怖を煽られる社会状況の中で、私たちは冷静な思考力や判断力を失わないように、延いては恐怖に取り憑かれたまま、差別やいじめ、分断に加担しないように、そのためにも合氣道で培った胆力、和の心を活かすべき時だ、といったようなお話を書かせて頂きました。
https://jp.bloguru.com/renshinkan/392989/2021-01-14
今年は二年振りに人前でお話させて頂けたのが嬉しく、調子に乗って要らんことをペラペラ喋り過ぎたかも知れません。
今回も例年通り、あらかじめ原稿等は無く、頭の中にある内容をその場で思い付くままにお話させて頂きました。
以下、色々と思い出しながら書き記していこうと思います。
(※鏡開き当日、ご来場下さった方々はご理解頂けると思いますが、今回の文字化に当たり、話の内容を一部割愛させて頂きましたことをご了承下さい。)
皆様、明けましておめでとうございます。
こうして二年振りに皆様の前でお話しできることが何よりも感慨深く、ご来場下さった皆様には心より感謝申し上げます。
思い起こせば、二年前の令和2(2020)年1月。
鏡開きの年頭挨拶では、ドイツ人哲学者オイゲン・ヘリゲルが日本滞在中、「弓聖」阿波研造に入門した時の弓道修業体験を綴った名著『日本の弓術』をもとに、その年の練心館道場のテーマ「心の世界を求め、心で目的を達成する」というお話をさせて頂きました。
今思えば、あの頃はまだ日本社会も正常だったなぁ・・・と、もはや隔世の感すらあります。
http://jp.bloguru.com/renshinkan/371819/2020-04-20
その約二カ月後、政府から最初の緊急事態宣言が発令され、以降、現在までずっと異常な社会が続いております。
この二年間、社会の変化や世間の風潮を見るにつけ、自分の率直な思いは「コロナよりも怖いのは人間だった」という言葉に尽きます。
この「コロナよりも怖いのは人間だった」という言葉。
実は、公益財団法人仏教伝道協会が主催する「輝け!お寺の掲示板大賞」の令和2(2020)年の大賞作品です。
コロナ騒動が始まるや否や、転売目的のマスク買い占めに始まり、感染者(※単なる検査陽性者も含め)への差別、自粛警察、他県ナンバー車への嫌がらせ、等々、まるで、社会がそれまで表面化せずに内包していた膿を出したかのように、人間の持つ醜さが露呈しました。
そしてそんな人々の攻撃の対象は、パチンコ店、水商売、飲食店、若者、マスクをしない者、ワクチン忌避者と、まるでイジメの蔓延る学級のように、次から次へと標的を探しては吊るし上げるという有様・・・。
本来なら、こうした不安に取り憑かれたまま暴走する民衆を窘め、安心させてやるべきはずのリーダーが、逆に、差別や分断を更に推奨するかのような政策を推し進めようとする救いの無さ・・・。
経済、社会を破壊し、「ディスタンス」の名の下に人間同士の繋がりを希薄化させ、自殺者も増加しました。
しかし、そんなコロナ騒動も三年目となり、だんだんとこの騒動自体の違和感に氣付き始めた人も増えてきたように思われます。
現在流行中の新型コロナウイルス変異株、オミクロン株は、数値データで見る限り、毒性は例年の季節性インフルエンザにも及ばないと言う専門家も多いのが実情です。
更に、今回のような一本鎖のRNAウイルスはもともと変異のスピードが速く、またウイルスというものは、自らの生存戦略として、毒性は弱くその分感染力は強く変異してゆくものであり、最終的には一般的な「風邪」になるというのが常識だと言われます。
したがって、意図的に新たな生物兵器としてのウイルスでも撒かれたりしない限り、今後、新たに強毒化した変異株が蔓延する可能性も低く、もうそろそろ、この騒動は終息ということで良いのではないでしょうか?・・・。
もしも、そうはならないというのならば、寧ろ、私たち民衆一人一人の決意と自覚で「意図的に終わらせる」必要があるのではないかと考えます。
この二年間で、社会から本来の「人間のあるべき姿」が随分失われてしまったと感じるのは自分だけではないでしょう。
煽られるまま恐怖に囚われ、心をギスギス尖らせ、平気で人間をまるで病原菌のように扱って遠ざけ、人の行動を監視し「誰が感染させた」「誰に感染させられた」と疑心暗鬼に陥り、「ディスタンス」を叫び人間同士の温かなふれあいを希薄化させ、互いにマスクで素顔を隠し、直接会わずに何事もオンラインで済ませることを奨励し・・・。
私たち大人が未来を担う子どもたちに遺すべき社会とは、こんな非人間的なディストピアで良いのでしょうか?。
決して良い筈はないと自分は考えます。
そんな訳で、今年の合氣道練心館道場のテーマは「人間のあるべき姿」。
うちのような小さな町道場が、世の中全体の流れを変える程の影響力を持つことなど難しいでしょう。ですが、今や世界中に、同じ問題意識を持って小さなことから行動を始めている同志が沢山いることと思います。
また、何の影響力もない小さな町道場だからこそ、却って何のしがらみもなく、同調圧力にも屈せず、純粋に真実・真理を見極め、理想の世界を追求することもできるのだとも思っています。
ですので、今年は「人間のあるべき姿」を大切に、人間らしくやって行きたいと思う所存です。
繰り返します。
今年の合氣道練心館道場のテーマは「人間のあるべき姿」。
本年も皆様からの温かなご理解、ご支援を賜りたく、宜しくお願い申し上げます。