2001年11月19日
片田 さおり 様
先日は私ども「サウスベイ経営セミナー」のため、講師としてお出でいただき 誠に有り難うございました。
米国にあって、日本とアジアの地域金融協力を考えるという貴重な時間を頂いて、大変感謝致しております。
アジア金融危機の前後における世界の動きの違いをお伺いし、改めてこの危機が与えた影響の大きさと日本の果たす役割の大きさを認識致しました。
アジア諸国が、アメリカのマーケットによる支配から脱け出そうとしていた矢先に経験したアジア危機は、従来のアジアにおけるソフトな地域統合が、危機回避の手段として機能しない事、アメリカがダブルスタンダードを使い分ける事を見せ付けられる事になり、アジアにおける自助努力が必須である事を思い知らされました。
痛みを伴うIMFによる支援を受けながら、危機からの復興を目指すアジア諸国が、よりタイトな地域統合の道を選ぶのか、或いはこの間に台頭してきたナショナリズムをベースにグローバリゼーションと自国との間のバッファ作りだけで間に合わそうとするのか。まだ大きな疑問が残されています。
また中国や私達の住むアメリカが、どのような対応を今後とってくるのか。
先生のお話しを伺いながら、疑問はどんどんと膨らんでいくようです。このような疑問を持つ事のきっかけを与えて頂いた事は、今後毎日の経済記事を読む上でも大いに役立つ事と思います。
アメリカに居て、つい忘れがちな日本のアジアにおける大きな貢献についてもご指摘を頂き、日本人としての誇りを感じる事もできました。
短時間でもあり、先生のメッセージを皆が正確に受け取れたかについては、ちょっと自信の無いところではありますが、この会の為に貴重な時間を割いて頂きました事に改めて心からお礼申し上げます。
今後の先生のご研究が実り多いものになりますようにお祈り致しまして、感謝の言葉とさせて頂きます。
有り難うございました。