日時: 2015年7月27日(月)、6:30PM - 8:30PM
会場:トヨタUSA自動車博物館
講師:加藤俊徳(かとうとしのり)氏
講演録担当:佐伯和代
講師略歴:
脳の学校、代表取締役。加藤プラチナクリニック院長。医師・医学博士。1961年、新潟県生まれ。脳のMRI画像診断では屈指の鑑定技術を持つ。独自のMRI脳画像診断法を生み出し胎児から超高齢者まで1万人以上の脳を分析。著名人の潜在能力、長所、短所なども多く画像鑑定している。脳活性化を画像化する脳科学の専門家で、1991年脳機能計測法fNIRSの発見。1995年から2001年まで、米国ミネソタ大学放射線科MR研究センターでアルツハイマー病や脳科学の研究に従事。帰国後「株式会社脳 の学校」を創業。現在、脳の学校では「脳が成長する新しい医療」を提唱し、MRIによる「脳個性検査」や企業の脳プロジェクトの支援事業を行う。主な著書に27万部のベストセラー「脳の強化書」「もっと脳の強化書2」(あさ出版),「脳科学的に正しい英語学習法」(KADOKAWA),「家事で脳トレ65」(主婦の友社),「脳の学校ワークブック」(ポプラ社),「高学歴なのになぜ人とうまくいかないのか」(PHP新書)、「脳の体操」(学研)他、多数。
加 藤俊徳 加藤プラチナクリニック-薬だけに頼らない脳の処方箋 〒108-0071 東京都港区白金台3-14-35 白金台ドルチェ701 TEL/FAX 03-5422-8565
http://wwww.nobanchi.com
(株)脳の学校
http://www.nonogakko.com/ 〒108-0071 東京都港区白金台3-13-15-104
講演録:
2006年に脳の学校(株式会社)を設立。
一番最初にアクセスくださったのがトヨタさんでした。
トヨタの社員、約50人を鑑定したことがありますが、
そういったご縁のある会社の会場でのセミナーです。
「30代でも脳は使わなければ、不健康になり劣化します。」
そうならないために、しっかり学びましょう。
新潟県出身。小学2年まで体は大きかったが成績がかんばしくなく、知的障害の疑いも小学校の担任に指摘され、とりわけ祖母と母親が心配していました。
それ以来、万能のスポーツ選手になるために、まず、体を鍛えるトレーニングで自己開発し、陸上競技で中学新潟県大会1位。すべての筋肉を鍛える自己流のトレーニングを行っていました。 14歳の夏、新潟県大会を前にして、中学校のグランドで100m走ダッシュをしていた際、全てのキーは「脳」だと閃いた。それをきっかけに、高校入学から猛勉強を始めた。国語、英語は以前、芳しくなかったが、それから30年以上経って、気がつくと、書籍も20冊以上出版し、論文、特許、裁判の鑑定書など国語を使うことは、小説以外克服してきた。なんと、今年があれほど時間をかけ、四苦八苦した英語の学習法の書籍(「脳科学的に正しい英語学習法」(KADOKAWA)まで出版した。本当に、ひとは成長して変われるのだと思う。
●腎臓、皮膚、肝臓、これらは小さい時に完成し、その後は劣化(老化)していきます。
しかし、脳だけは100歳になっても未完成。
これまで人間の能力というのは、「遺伝性」のもの主要な要因と思われてきましたが、 小児科に入り2年目から子供を診察してみて、子供の脳の成長と同じように、大人の脳も成長するとわかった。
(日本)100歳以上のグラフ紹介
2015年、100歳以上の人口は6万人超える。
1963年:153人。
2014年:58,820人。 50年で385倍。
100歳を超える人の性別の割合、女性87.1%、男性12.9% 世界をみてもやはり女性の方が長寿
女性の生き方が長寿の要因。
その女性の生き方とは、、、「欲求」
男性は年齢とともに欲求が消えていく。ところが女性はどんどん欲求が増えて行く。
●2004年NHKスペシャル「老化に挑む」の番組制作に関わる中、
「なぜ医学の世界では産地直送がないのか!」と思い、「脳の学校」を設立。
大宮さん:104歳当時、日本の陸上の100m、400mの記録保持者
三澤さん:93歳で俳句をはじめ、103歳の時に俳句集を出版。
昇地さん:105歳で他界。90代後半からなくなるまで脳の劣化がほとんどみられなかった。
養護学校を設立。 100歳から5回世界旅行を敢行(ギネス記録)
●NHK団塊スタイル 90歳代の生き方「記憶と脳の謎に迫る」
吉沢久子さん:3時間半にわたりマンツーマンで話をしても話が尽きない。同じ話はしない
50年間、週に1回コラムを地元(新潟)の新聞に寄稿。
91歳と96歳のよしざわさんの脳
91歳当時も自分で歩き、96歳の当時もさらにお元気。
よしざわさんは毎月本も出版され、自分で編集、校正も行います。
(「家事で脳トレ65」(主婦の友社)より)
現在は一般的な脳の画像をみて自分の脳を比べるしかないが、脳の学校では、自分の脳の進化・劣化が比べられる。
●脳の画像:使われている部分は黒く映るが、認知症が進んでいる人は、脳全体が白っぽくなり、ニューロンが、繋がっていないのがわかる。
脳は成長するものです。
人生経験で成長させます。
脳は経験で成長します。
遺伝子でいうと、アルツハイマーになりやすり人:アポE4を持っていると、脳が他の人より、 アルツハイマーになりやすいタンパク質がたまりやすい。そういう人の方が脳トレが効きます。
G8参加国でも同じような報告があります。
113歳—スエーデンの方の例: ガンで亡くなりましたが、脳は何の支障もなかった。
●すべての方がボケるが、その時間を少しでも短くするためには!
ボケるとは、遅延記憶:時間がたったら記憶が消える。これは誰でもみんな同じに起きる現象。
アルツハイマーは出来事記憶。
今日1日あったことを、夜には忘れるようでは危ない。
海馬(目の後ろに二匹のドラゴン)があり、この海馬はすぐ眠ってしまうので、日記を書くなどして時間を意識しましょう。時間を意識できなくなったら、海馬がサボっている証拠です。
●今夜思い出してみましょう! この6つのこと
認知症が疑われる「なくなる」6つの予兆の予防
1)時間が気にならなくなった
2)話がかみ合わなくなった
3)時間がたったら記憶がなくなる
4)物事が1回では済まなくなる
5)いつもしていたことをしなくなる
6)以前より気持ちが抑えられなくなる
(「認知症」は脳を鍛えてくいとめる!(PHP研究所)より)
危機感がある人の方がいい。今、独身女性の方が元気。
高学歴な人ほど危険。人間は自分が育てた脳が一番だと思うもの。
米国では、認知症の中期でも車を運転している。
日本では認知症の中期に書いた遺言書は無効。初期は有効。
小さい時の親子関係は大人になるにつれ、その関係性を作り直していく。これが老化防止の秘訣。
長年の習慣は続ける。しかし、そのスタイルは少しづつ変えていく。マンネリは禁物。
理解できないと人間は怒る傾向がある。理解できなくなることが認知症の傾向。
自分の感情がフィードバックできなくなる:危険。
家族関係の中で、ようやく自分の時間が持てるようになった頃、理解ができない状況が生まれる人が多い。右から左にガンガン働いていた人なのに、理解ができない。 ようするに働くロボットになっていると、前頭葉ばかり使い、後ろ側が使われていないため、理解度が低くなってしまう。
●「脳の強化書」(あさ出版):加藤先生の「脳番地論」からの発明品! 特許申請済み
(電子書籍でも販売中)
自分の脳を脳番地化:脳もコミュニティーで出来上がっています。
脳の成長と皆さんのアウトプットは比例している。
伝達 運動 理解 感情 思考 視覚 聴覚 記憶
聴覚系が強い男性は成績がいい傾向がある
男性は視覚系で記憶する。女性は聴覚記憶。
脳を自覚すれば、伸びる
脳の使い方次第で変われる。
全員、自分の得意な番地があります。
人間はその得意な番地で生きようとします。苦手な番地は避ける傾向がある。
話が通じない相手は、その番地が違うのです。
夫婦関係も、徐々にお互いの番地が違い始め、離婚にいたることも。。。
欲張り生活を行えば、長寿につながる
・健康に関心がある。
・家事を行う
・近所との交流
・話題が豊富
・好奇心が旺盛
男性の問題は「自尊心」が強いこと。自分の脳が完成品だと思うことは自尊心が強いということ。
女性の特徴
健康に関心が有る。
料理、掃除などを行う。
近所との交流。
話題が豊富。
好奇心が旺盛。
男性の特徴
自尊心が強い。
時事問題や政治の話しかしない。
新しい事に挑戦しない。
本当の自分の欲求を追求してみましょう。
自分の脳に本当の欲求を問いかけましょう。
例えば、女性は立ち食いそば、男性はパフェを食べる。など、普段やらないことでも、やってみたいと思ったら、それが欲求。
「もっと脳の強化書」(あさ出版)より
●脳の老化:脳の形が悪く変わる。 脳の健康の概念:脳梗塞、脳腫瘍、血管異常がなければ正常だと思われていましたが、樹木と同じで、少しでも伸びる部分がないとだめ。成長させることが必要。
どんな人にでも平等に訪れる脳の劣化
私たちの体、脳は、米や野菜を作るのと同じで、手入れをしないとしっかり成長できないものです。
脳を樹木で例えた場合、手入れがされていなくて、脳が枯れるということは、記憶がなくなるということ。
●ライフスタイルのターニングAGEを持ちましょう。
脳の活性化、老化防止には、ライフスタイルのチェンジが必要。
ターニングAge (45〜55歳)
アルツハイマーの予防法は、たとえで説明すると、体力、知力をゴルフボールで例えると、そのボールを高く、長く遠くまで飛ばすこと。
高く、長く遠くまで飛ばすとは、高く(縦軸:良い状態)、遠く(年齢)ということで、食生活や基礎体力など、長く健康に暮らせるための方法をみんなが探している状況。
●ドアtoドアはNG : 45歳を超えたら、ある程度無理をする必要がある。 歩くことが大切。
ライフスタイルのターニングAGE:この年代の自殺率が一番高い。
なぜ45〜55歳がターニングAgeなのか。
高学歴の人は、知っていることに対しては頭を使わなくなる。知っているということが仇になる。
50歳前後になったら、ライフスタイルを変える必要がある。
これまでの自分がしないだろうということを積極的にしていった方が認知症を防げる。
ちょっとした努力で脳は成長を続けます。
小さい頃から植え付けられた能力の概念を払拭し、常に脳は成長することを意識。
日本人の平均寿命:男性80歳、女性86歳
世界で人口が減少している国は日本のみ。
日本の高齢化に対する生き方を世界が見本にし始める。
誰にでも一度はある経験
鍵をかけ忘れたかも?
ガスの元栓は?
エアコンでの電源は?
脳の自動化でボケる!
繰り返すとなれる
意識しなくても、体が動くようになる
脳番地が省エネ、楽チン
脳の自動化を修正、改良する生活
1. 週に1回は部屋の見直し
2 3ヶ月に1回は模様替え(季節感が大切)
3.四季折々の食べ物
4.旅行、探検、深訪
5.日々の小さな挑戦と発見
6.自分の良い所を見付けて褒める!伸ばす!
自己教育を継続することが必要
昨日と今日の違いを楽しめることが大切
ポジティブな変換をしましょう!
ストレスに強い人は長生き。忍耐強い人。 1つでも、マンネリ化を予防できそうであれば、実行しましょう。
中高年こそ思考力・理解力の個性が輝く
脳を止める自動化のくせをやめる
イライラする
一方的に怒る
人の悪口を言う
自己否定する
「今どきの若い子は」と、突き放す
家の会社や同じ場所の往復だけ
人の良いなりになる
出された食事だけしか食べない
上記のことは避けましょう。
50歳までに考えた効率、クオリティーは見直しましょう。
これが意図的にできるか、自分を客観的に変えられるかどうかが、インテリジェンス。決手。 自然と戦う人は、日々変わる自然の変化に対応しながら、自分の体を動かし、知恵を出し続けて日々暮らしているということから、ボケづらい。
脳は見かけよりも若くなれる。
40代後半から講演会に出かけたり、仕事をしたりした女性、80歳になっても脳は若い。
50歳の行動を継続しましょう。
●家事革命
家事を嫌々している。マンネリ化している。→これを変える!
家事で脳トレ65」(主婦の友社)参照
できる嫁を持つと旦那はボケやすい?!
●「脳が成長する生活10箇条」
1.自己イメージ。自分の脳にまだまだ期待しましょう。
2.笑い:自分のことも、人のことも 1日一回笑わせましょう。
3.憧れが大事!
4.前向きさ
5.褒める(自分を)
6.自然を愛する
7.呼吸 ゆっくり吸って長く息を吐く これを1日10回 瞑想を行う人は海馬が鍛えられる。
8.感謝:自分の理解のレベルを上げる。 理解をすることで感謝
9.食事と睡眠 体に良い食事。
10.運動:正しい姿勢を持ちましょう。汗をかくことを怠らない。 まっすぐ後ろ歩きをしてみる
両手を使いましょう(特に歯磨き) 横歩きもやってみましょう。
ぼけている人は前にしか進まない。 ぼけ始めると眼球が左右に動かなくなる。
「脳の学校ワークブック」(ポプラ社)より
●夢を叶える人生の4つの挑戦
1:0歳—30歳 脳の成人式を迎える準備をする挑戦
2:30歳—50歳 人らしさを知り、世に表現する挑戦
3:50歳—80歳 自分も世の中も幸福にする挑戦
4:80歳−100歳以上 自分の生きた価値を後世に伝承する挑戦
(「100歳まで成長する脳の鍛え方」(主婦の友社)より
日本人の脳にやどる底力「3つの魂」
感謝、思いやり、礼節。
出来事日記を書きましょう。
頭は使えば使うほど良くなる
頭は使えば使うほど老化しない
自然は脳の強化書
■Q&A:
Q:母を呼び寄せましたが、老化を避けるためには何をしたらいいでしょうか?
A:歳をとって住まいを完全に変わるとボケる可能性が高い。
昔から使っている家具を置いたり、幼い頃などの写真を部屋に貼ることでボケを避けるサポートに。
自分が一番強い時、一番良かった時の頃をシュミレーションしてみてください。
Q:記憶力がいいだけでは、頭がいいとは言えないと思うのですが、
A:高学歴なのに、なぜ人とうまくいかない人がいます。記憶系が高いからといって脳が全て使われているわかではない。脳の発達には順序があります。
「高学歴なのになぜひととうまくいかないのか」(PHP新書)参照のこと
Q:脳番地:いつも使う番地が同じ人が近くにいた場合のつきあい方は?
A:全員脳は違うので、相手を認める。個性を認めることから始める必要があります。
日本人は理解する能力が発達しています。
視覚的理解などの訓練は学校では教えてくれません。
Q:アルコールは脳にとって百薬の長?
A:生保会社がリサーチしたところ、アルコールはゼロの方が長生きという情報があります。
アルコールが原因でアルツハイマーになる可能性は?1週間に1、2杯はGood。
アルコールは社交性。人間と触れ合っている時間がアルツハイマーを避ける要因と考えます。
Q:ボケないためのドリルは?
A:10年前の脳トレとは違い、また今も第2の脳トレブームが来ているとのこと。
ドリルや計算ではなく、まず、「1日どれだけ楽しく生きられるか」これが何よりも大切。
1:体力をあげましょう。
2:認知機能をあげましょう!(ドリル、習字、そろばん。なんでもいいが、継続性が大事)
3:まんべんなく脳を鍛えることが大切。マンネリはNG
楽しいならば、算数でもいいし、なんでもいい。
将棋、花札、マージャンでも大丈夫。楽しく頭が使えればいい。深まるものがいい。
では問題です。
「ラジオが聞こえない」 あなたはなぜ聞こえないと思いますか?
この可能性の答えがいくつ浮かんだでしょうか?
5つくらい浮かぶといいですね。
「脳の学校ワークブック」(ポプラ社)より出題
Q:ヨガは脳に良いと聞いたのですが、
A:海外の報告などから、ヨガをやっている人とやっていない人では、海馬の大きさに変化が出るとの結果が出ました。海馬が萎縮すると認知機能低下の危険が高まるので、ヨガをしている人の海馬が萎縮しにくくなるのなら、ヨガは良いとのこと。
Q:脳の形が悪くなる:劣化; 頭の形が悪いと脳の形も?
A:脳の形がいびつなのは一般的。しかし、欧米人は左右対象(卵型)、幼児も卵型。
アジア人は横に広がる。
いびつな形な場合、左右対称ではないことから、海馬もいびつになります。
海馬は右から発達します。最初は非言語能力が発達し、その後で言語能力が発達。
男性は海馬の左が女性よりも発達しづらい。これは一般的な話。
外側の形はあまり関係がありません。
ただ、脳が圧迫されると、そこの能力は発達に支障をきたす可能性もあります。
Q:脳の中にある松果体が活性化されるとサイキック的要素が発達する?
A:松果体は真ん中にあります。この機能はなかなか検証しづらい。
わからないからサイキック関係の方などに松果体が発達すると、などと、使われることがある。
人間の松果体の機能は計測しにくい。
Q:視覚、聴覚が弱まってきたら、認知症に近い?
A:そうではありません。でも、一概には言えません。
脳は生まれた時に体を動かすことから始まり、1カ月後、単に光が見える、音が聞こえる番地から発達します。
老いると、すぐ理解しようとしたがる。頭に良い人はよく物を見ず、すぐに自分の経験でものを判断しようとして、新しいものに対し、聞く、見ることを怠ける。
目の前のものに対し、しっかり意識をすることが必要。
Q:体を動かし続けることで脳の老化は防げる?
A:一番使い続けているところが老化しづらい。動かなくなると、情報も減るので、基本、行動半径を広げることが必要。激しい運動ではなく、ある程度の運動を生涯続けることが大切。
一生涯、動き続けましょう。
以上。