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サウスベイ マネジメント セミナー( Southbay management seminar )は月一回のセミナーを中心に勉強し、時々に親睦をする、乃ち「よく学び、よく交友する」そのような会です。

2002年度 11月 - 映画界について

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2002年11月16日
 

すずき じゅんいち様:

先日は「サウスベイ経営セミナー」のために、講師としてお出で頂き誠にありがとうございました。また、今回の映画界の講演には 奥様の榊原るみさんとご同行でお出で頂いた事で、普段は硬い講演が多いSBMSのセミーナーに華やかさを加えて頂けたと思います。

すずき様の30年に及ぶ映画界の経験と、我々にも馴染みの深い多数の受賞映画作品の監督としての経験に基づくお話は、私共一般人にはなかなか知り得ない分野のお話でしたので、大変興味深く拝聴しました。

特にアメリカ映画が世界中でもてはやされる反面、日本やヨーロッパの映画はその国以外ではあまりヒットしてない事の理由と日米映画製作環境の違いの説明は理解し安く、印象に残っております。

今や映画と言えばアメリカ映画。映画を最初に開発したフランスでさえも、上映される映画の60%はハリウッド映画、イギリスやドイツに至っては90%、日本では70%がハリウッド映画が現状。ではなぜアメリカ映画が世界中でヒットするのだろうか?アメリカは多民族国家であり、ひとつの民族にしか理解できない映画は作れない環境がある。映画作りの原点である"誰が観ても面白い映画"を基本にシンプルな映画が作られており、これが世界中の誰が観ても楽しめる映画となり、ヒットしている。それに対し、日本やヨーロッパなどの単一民族国家では、その民族しか理解できないような哲学的な映画が作られる傾向があり、世界的なヒットに繋がらない結果となっているとの見解の説明を頂きました。

また、日米の映画製作に関する環境の違いとして、以下を含めた興味深いご説明を拝聴させて頂きました。
 
・ 日本の映画製作会社場合、アメリカとは異なり、古き良き時代の体制が残っており、最初から映画監督として入社しなくても訓練期間を経て、素質があれば監督にしてくれる。助監督はアメリカは2人だが、日本は4人。小道具、衣装、俳優係りとしての助監督を経て映画製作の経験を積み重ねる事による、人を育てる環境が残っている。
・ 映画の著作権は日本の場合出資者側に有り、アメリカの場合は製作者側にある。故にヒット作品からの利益はアメリカでは製作者側にも還元されるが、日本では還元されない。従って、日本では興行収益を第一目標とした映画よりも、映画監督が作りたい映画を作る傾向が強くなる。そのため、芸術性の高いものや哲学的な映画が作られる事が多く、大衆的なヒット作品の制作に繋がらない。

その他のお話として、日本映画は出資会社の税金対策、バブル時代は米国映画の大部分に日本の出資があった、アメリカで映画に投資すると儲かる、監督とプロデューサーの役割の違い、映画はビデオやテレビで儲かる、アメリカではヒット作品の利益の90%は配給会社独占等、お聞きして初めて知り得た事が多く、時間の経つのを忘れてしまう程でした。

今回のご講演、誠にありがとうございました。

サウスベイ経営セミナー
会長:  井出 英雄
セミナー委員長: 永山 繁雄 
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