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  • 2005年度 10月 「老化に挑む-あなたの脳はよみがえる。」

2005年度 10月 「老化に挑む-あなたの脳はよみがえる。」

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講師 - 加藤俊徳氏 氏

福祉社会研究所主任研究員、東京大学医学部大学院客員研究員、 
医学博士、脳機能生理学、脳画像、光脳計測の専門家、小児科専門医。
NHKなど数多くテレビ番組に出演
2005年5/21   BS日テレ, Newton Kids TV 「脳・ヒト」、
2004年9/18   18NHKスペシャル 老化に挑む 一部あなたの脳はよみがえる.
(第46回科学技術映像祭 文部科学大臣賞受賞作
アメリカ国際フィルム・ビデオ祭 医療健康部門、
シルバースクリーン賞)
2004年6/20   あるある大辞典II.~酸素~, フジテレビ収録出演,
2003年12/13  TBSテレビ出演.ブロードキャスター: 脳の髄まで見えちゃうMRIって
一体なに?
2003.年1/7    NHK教育テレビ出演 ETVスペシャル あなたと話したい
~障害者と向き合う医療・教育最前線~ 

講義内容

1980年代から脳機能画像の研究が盛んになり、1991年からの加藤氏の発明により、ベッドサイドで非侵襲に、頭皮から、緻密な脳内地図と脳毛細血管中の酸素交換機能の働きが判るようになってきた。今回は、その技術の紹介及び応用によって判明した脳の働きに関する数々の新事実の解明を実例を挙げて説明いただくと共に、老化の予防法をご講義頂いた。以下は講義の概要。


21世紀は脳科学の技術革新がもたらす積極的な人生観、即ち、科学と心が結びついた新しい価値観が繁栄していき、自分で自分の脳を教育する時代と考える事が今回の講義の本質的メッセージ。
人は一生涯、自分の脳を育てる事が出来る時代に突入した。
時とともに人の顔が変わる様に脳の形も変わる。そして、我々は今、自分の脳の形を見る事が出来る時代にいる。
人が自分の顔を若く保とうと努力するのと同じように、常に脳の手入れをし、育てる事が大切。
今までは、知りたかった脳の鍛錬法や脳の働かせ方を調べる事は学問として無かったため、客観的で役に立つ計測方法が生まれなかった。
人の脳の形は千差万別で一人として同じ物はないが、今までの技術では脳の形は種類別としてしか捉える事ができなかった。
加藤氏が開発したCOE(脳の酸素交換機能)技術で脳の働きを一般家庭でも簡単に見ることが出来る時代がやってくる。
脳の形から個人の機能特性が分るが、MRIは脳の形から脳の機能を読み取る技術。一方、COE測定法は酸素を運ぶ赤血球の働き方で脳の活動を捉える技術。
脳は使えば育つ。使わなければ衰える。
十数年間の観察の結果、脳の形はMRIで観測できる程、即ち1ミリや2ミリは変わる事が分った。
脳細胞は酸素が必要。筋肉と脳の毛細血管は類似していて、酸素の使い方も似ている。そのため、潤滑に酸素を供給する健康な血管を維持する事が大切。脳は筋肉と同様で常に鍛えていないと衰え、鍛えていれば成長する。
40歳から50歳を境に脳細胞は減っていき、脳は萎縮方向に向かうが、脳は成長する力も持っている事が分った。脳の成長する力を下げない努力を行う事が重要で40歳、50歳代が勝負。どのようにして脳の成長を下げないで自分の能力を更に高める事ができるかを考える事が更に大切。
脳の前頭葉は人の意思の育成を統率する部分であるが、今までの通説であった、脳の成長は三歳ごろまでに完成するとの説を覆す証拠のスライドを展示し、15歳を過ぎても成長し続ける事を示した。即ち、意思に関わる脳である前頭葉の意思の向け方を上手くコントロールすれば,脳は育つと説明。
加藤氏は米国ではMayo Clinicの教授とアルツハイマー病の研究をしてきたが、小児科医としての経験と知識を生かし、胎児から老人まで、人の脳を100年のスパンで診ることができた。これは、分野別に研究する他の多くの脳医学者には出来ない視野での脳の研究が出来た事に?がる。そして、脳の一生涯を100年のスパンで考える事が重要と説く。
脳には年齢が異なる部位が存在している。また、個々の職業や得意分野別に異なった部位の脳が育っていると予測される。
猿と人間では脳のハードウエアーが異なる。故に今までのように人間と他の動物の脳の比較での脳科学の研究は不十分。
加藤氏は多くの知識を重症の脳障害者から得た。障害者の壊れた脳は生き抜くため、残っている脳を精一杯働かす事、そして、それが脳の形に表れてきている事を学んだ。これらは脳障害者からのメッセージであり、これが21世紀の人類を変える事になる。この知識は具体的な生活を送っている人達に広まる事が重要で、これがNHKと番組協力製作した理由でもある。
100歳の人、10歳の障害者、40歳の人とそれぞれの人の前頭葉のブロードマン10番周囲(額の仏像の部分)をスライド提示し、個々の脳でブロードマンの部分が一番良く発達している事の発見を提示した。即ち、前頭葉のブロードマンの前側の部分は老齢になっても発達を続ける不思議な脳である。歳を重ねるにつれ、記憶力が衰えるのは仕方が無いが、人は新しく脳の細胞を作り変え続けながら、100歳、あるいはそれ以上の人生を生きる事が出来る事をこの脳科学が裏付けている。
側頭葉(聴覚、言語、記憶などに関係)は生物学的にみて時間の経過と共に萎縮するが、使えば育つ前頭葉と?がっている。
筋肉の如く脳を使うと大きくなる脳がある事の実例の紹介として、誕生時の出血のため、脳の連絡繊維が切れたが、反対側の脳がそれを補うため約3倍の大きさに育っている人の脳を提示。これは主に脳の連絡繊維が太くなり、言わばブロードバンド化しているため。これは老化防止対策として、脳の連絡線維を太くする事が可能である事の証拠。
皮質(神経)の厚さは40歳、50歳代から萎縮し始めるが線維は40歳を過ぎても50歳頃までは成長する。しかし、この頃から個人差が出始める。つまり、努力すれば線維は発達し神経細胞も共に活動する。だが、今までの技術では神経活動の個人差の観測が出来なかった。加藤氏はCOEでその活動の観測を頭皮上から可能にした。
人の脳はその目的によって運動野、視覚野、等とその働きが分化されている。個々の目的を実行している脳の部分の形の変化はMRIで知る事が出来るが、人類は今まで脳の形が変わる事の事実を過小評価してきた。
COEでは脳が物事を理解した瞬間の変化を観測する事を可能にした。脳の毛細血管に酸素を運ぶ赤血球が放す酸素の量を脳の表面から観測する事で脳の活動を知る事が出来る。応用例として、COEを使えば言葉を発せない障害者が、聞いた言葉の意味を理解したか否かを知る事も出来る。スライドや動画を使い人の脳が活動している時の酸素交換の状況を示した。 
脳の血流が増える事と脳を使う事は違う。例えば、人が興奮状態(頭がカッカしている時)は血流が増えるだけで、酸素交換されていないため、脳は使っていない。
今までの脳活動の測定技術は血流の測定(実は大きな間違いと指摘)であった。イギリスのノーベル賞学者シェリントン博士は1890年に脳の血流は心臓が送り出す血流とは独立していると発表したが、これは脳血圧を計る事のみで得た結果であり、脳内の酸素移動を見ていなかった故の間違った結論だった。これは計測方法の限界であったが、今までの科学者はこのような観点の脳血流計測でしか脳活動が捉えられなかった。COEは酸素交換の測定で細胞の変化を計るため、今までとは違う概念で医薬品などの開発ができ、老化防止対策の戦略にも?がる。
毛細血管だけが酸素交換を行っている。動脈や静脈では酸素交換は行われてなく血液を運んでいるだけ。従って、毛細血管だけの信号を取り出す技術(COE)を発見した。
COEの技術を応用すれば、脳障害者などが何を明確に理解し、何が不明確であるかを知る事ができ、治療法として酸素交換が行われていない不明確な部分の教育を強化する事ができる。これは自分自身にも、老人介護などにも使えるので新しい脳科学のビジネスとなり得る。
現在、個人が家庭で体重計を使うような感覚で使える安価な脳酸素交換機(COE)の開発を進めている。即ち、各家庭で自分の脳活動を観測できる時代になる。
植物状態と言う事実は存在しない。そのように他人から見えるだけである。脳は脳死か学習状態でしかない。例として、植物状態と思われた人の脳を酸素交換技術で観測すると、人から話しかけられた時には前頭葉で酸素交換が行われ、脳が学習している事が分った実例を紹介。
COE技術は頭皮の上から量子レベル大きさの酸素の動きを見る技術。MRIは脳の形の変化の状態がじっくりと分るが、COEでは即座に脳の働きの変化が酸素交換で分る。これは脳の働きの提要化、即ち人の精神の働きの提要化が出来た事になる。
加藤氏が方程式化した酸素交換方程式には虚数がでる。即ち、生命体が虚数次元で動いている事になる。実際に行われている酸素交換は二重支配されていて、実の世界と虚の世界を仮定しないと上手く酸素交換が取り出せない事実が判明。この虚次元の事実によって加藤氏の提要記述が可能となっているので、今までの生命科学とは異なるもうひとつの軸を想定する必要がある。

以上。
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