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サウスベイ マネジメント セミナー( Southbay management seminar )は月一回のセミナーを中心に勉強し、時々に親睦をする、乃ち「よく学び、よく交友する」そのような会です。

2007年度 3月 「LAPDの警察逮捕術師範になるまで」

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講師 - 倉本利夫 氏

『プロフィール』

1969年 21才で越谷道院に入門。少林寺拳法を始める。
1986年 カナダ国バンクーバー交通博覧会に特別出演。
1995年 LAマラソン親善大使賞
1997年 スポーツ親善賞
1998年 少林寺拳法ハリウッド支部設立。
2000年 第20回伝統空手ラスベガス国際大会でマスターズ・デモンストレーションに特別出演。
2002年  米国武道界の殿堂“Masters Hall of Fame”受賞。2003年 武道専門誌“Martial Art”に紹介される。(第2回)
2005年 少林寺拳法准範士7段昇格。 CFA技術顧問就任。
2006年  少林寺拳法世界連合アメリカ合衆国代議員就任。 LAPDロサンゼルス警察逮捕術師範就任。
2007年 LA郡 Industry Sheriff’s プログラム

講義内容

LAPDの警察逮捕術師範になるまで

 現在59歳の倉本利夫さん、少林寺拳法準範士7段にしてLAPDの警察逮捕術師範、を講師にお迎えしての3月のSBMSセミナーは、いきなり弟子との実技披露から始まった。防具をつけているとは言え、バシッ、ビシッと音が飛び交う劇画さながらの激しい蹴りや突きの応酬で、出席者一同驚きの余り声もでない。
5分ほどの実技披露を終え、息を切らしながら倉本準範士が話を始められた。


06年9月から逮捕術師範として、LAPD警察教官に、少林寺拳法の技を警察の逮捕術に合う様に研究、改善して提供、指導している。LAPDの陣容は、9000人の制服警官と3000人の事務官。それら警官に、射撃、武芸などを教える教官300人、SWAT60名に逮捕術を指導している。逮捕術師範として採用されるあたり、10名しかいないLAPDマスター教官の面前で、若いマッチョなマスター教官の一人と命を懸けて対戦しそれに勝った。それでLAPDも実力を認め、こんなに体格の小さな自分が採用された。

中学のときは番長で喧嘩が強かった。69年、21歳で少林寺拳法を始めた。アメリカに最初に来たのが72年だったが、1年半で挫折を味わって、一度日本に帰国した。77年に交通事故で臨死状態を体験。死んだ母親が意識の中に現れ、「生きろ」と励まされ、三途の川を渡らずによみがえった。その後、78年に2度目の渡米しそれ以来ずっとアメリカに在住している。

78年の渡米以来、両親のいない日本には帰れない、「アメリカで有名になりたい」という一心で、あらゆる機会を利用して少林寺の技を披露してまわった。知名度のない人間は相手にしてくれない広いアメリカで、有名になる秘訣はメディアを積極的に利用することである。98年12月に”Dragon Times”誌の表紙に初めて載ってから今まで、米国で発行されている3大マーシャルアート雑誌の表紙にはすべて登場した。特に、最大の“Black Belt”誌の表紙を飾ったあとからは、“Mr.Black Belt”と呼ばれるようになった。

武道家としてアメリカで成功した秘訣は、常に戦う精神を持ち続けること、とにかくトップに立つという気持ちを持ち続けること、あらゆる手段を使って自分の業界での知名度をあげること、そしてそれにもまして人のつながりを大切にすること。

アメリカ人の弟子とは、日本的な師弟関係とアメリカ的な友人関係をミックスさせて付き合ってきた。98年初めてマーシャルアート雑誌の表紙を飾ったときは、弟子であり友人でもあったNASA科学者がこの雑誌関係者に自分を紹介してくれたのがきっかけ。02年のBlack Belt誌の時も、97年に日本武道館で知り合ったアメリカ人ジャズミュージシャンが紹介してくれたから。

実力を認められて、そして人のつながりを大切にし続ければ、流派を超えた武道家同士の交流も可能になる。LAPDの教官のなかには、120マイルの道を毎週自分の道場に通ってくるものもいる。ウクライナやポーランドの警察から、自分を訪ねてくる武道教官たちもいる。

「武道」は世界に通じる日本の文化の一つである。そういう観点から、もう一度武道を見つめなおしてみたい。そして、ホワイトハウスのSPに逮捕術を教えるという夢がいつか実現するよう、今後も精進を続けたい。
#SBMS過去のセミナー

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