ユメモ(系前)
Jun
2
母と一緒にご飯を食べている。
ご飯の上には母が昔よく作ってくれた佃煮ふりかけが乗っている。
美味しい、、、こんな美味しいのはないね
母にそう言うと、ヤスおばが買ってくれたんだけど、どこで買ってくれたんだかわからんちょね、もっと買いたいけど、と母が言う。
冷蔵庫にあるその佃煮ふりかけを見てみると、包装紙に包まれたままになっていた。そしてその包装紙には「系前」と江戸文字のようなフォントで書かれている。
ヤスおばが作ってくれたわけじゃないのか、と驚く。母曰く、ヤスおばももう佃煮とか作れんのよ、大変だから、と言う。そうだろうなぁと思う。母もヤスおばも、もうおばあさんなのだ。
姉3と一緒に母を連れて(母は車椅子だった)ヤスおば宅近くの古いお土産小売店のようなところへ行く。小さなアーケードになっていて、いくつかの店がそこに並んでいる。そのひとつ、角にあるお店の暖簾に「系前」という江戸文字を見つける。
母ちゃん、あったよ、系前!あそこに系前っち書かれとる!
お店には中年の女性と年老いたおじいさんがいた。おじいさんが言うには、もうその佃煮ふりかけは作っていないのだ、と。
年に一回大量に作るだけです。もうね、18年度の分はこれだけしか残っとらんけど。
母に、残っている佃煮ふりかけを全部買うか、と相談する。
母は、誰々に分けようか、とか言っている。
そんなに数ないのに、、、とわたしは心配している。
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