アンドレ・ザ・ジャイアント
Apr
6
・・・今朝のユメモの続き・・・
頭頂部がいくらか気になったが、ヒーリングを受けたせいだろうか、まぁそのうち毛も生えてくるだろうと楽観的であった。まぁ元々ハゲていたことに気付いてもいなかったのだから。というのもあるのかもしれない。
カーぺットを進みゴールの方へと近づいてきたその時、どこかで大きな衝撃音がした。人々は辺りを見回しながら、何があったのだと騒がしくなった。わたしも、どこかへ避難した方が良いのだろうか、と警戒する。
そこかしこから、「急いで!校舎の方へ!!」という声が聞こえてきた。人々は皆、取るものとらずに校舎内へと向かう。わたしもそれに従って校舎へ向かった。
が、一度校舎内へと入ると、廊下の向こうに頭(ヘルメット)から足先まで白いスーツを装着した兵隊(?)たちが銃らしきものを抱えて人々を誘導しているのが見えた。ここにいては捕まる!そう思ったわたしは、踵を返して階段を登り、窓から外へ出た。そこは石塀のバルコニーになっていて校舎をぐるりと囲んでいる。わたしはどうにかして屋上へ行き、身を隠せないかと思案していた。窓から自分の姿が見えぬよう、腰をかがめて進む。時々、窓ガラスの向こうに白い兵隊たちが通り過ぎるのが見えた。恐ろしくて、足が竦んだ。どうしたら良いのだろう、、、。
近くでわたしの名前を呼ぶ声がして、驚いた。見つかった!と思った。が、銃で撃たれることも、その気配もなく、おそるおそる振り向く。
と、すらりと背の高い青年がすっきりとした笑顔で手を振っていた。良かった。仲間だ!!わたしは、ほっと安堵した。今のところは安全だ。でも、ずっとここに隠れるのは無理だろう。
彼はわたしの胸の内を読んだのか、ニコッと笑って右上方を指差した。そこは校舎の屋上に設置されたwater towerなのだと思う、そこを大きな大きな人間が(人間だろうか?)長い腕を伸ばしながら降りてくるところだった。また、その時に気付いたのだが、青年のほかにも何人かがこちらへ笑顔を向けていた。
わたしは瞬時にして、仲間が一同に集まったのだと理解した。そして、これなら大丈夫!と、思った。
白い兵隊たちがどんなに闇の勢力を持っていたとしても、こちらには希望の光の先鋭たちがいる。彼らが闇の力に屈することはないのだ。
わたしは、無事にこれを乗り切って家に帰った暁には、このことをしっかり夫に伝えなければ、と思い、辺りをもう一度ゆっくりと見渡した。巨体の彼のことはなんて説明したら良いだろう?ハグリッド?いや、ハリーポッターに興味のない夫はハグリットのことを知らないだろう。では・・・ハルク?いやいや、ハルクほど大きくはない。
あっ、アンドレ・ザ・ジャイアント・・・!
いきなりその名前を思い出した。そうだ。アンドレ・ザ・ジャイアントくらいの大きさだ!よし、それで行こう!
そんなことを考えていたら、water towerから降りてきた巨体の男性が、「自分にはもう一人いるから、アンドレだけじゃちょっとなぁ」と言う。は?なんのことだ?不思議に思っていると、アンドレと瓜二つの巨体が右手を上げながらやってきた。なななななななんと!彼らはどうやら双子だったらしい。しかもどちらもジャイアント。これは当然のことなのか?
アンドレ1&2とともに、自分たちが逃げる姿を思い起こした。隠れて、っていうのは無理だな。でも、どうやって逃げれば良いのだ?
白い兵隊たちは少しずつ窓の外へと警戒を広げている様子。
わたしは、石塀に身を潜めながら、アンドレたちがここへ来るのは無理だな、と思う。あの巨体は入りきれない。というより、見つけてください、と言わんばかりじゃないか。
あぁそれより何より、失恋の痛手とか、そんなことどうでも良いね。
生きるか死ぬかだもの。
頭もハゲてたってどうってことない。
巨体もハゲも、生きている。
自分の思うまま、生きるだけだ。