待ち時間
Jun
18
土曜日、母の受診日。
前の晩は1時間毎に起こされ、母は非常に不安定だった。
母が肺炎で入院したのが年末。その後、リハビリを経て一時退院し、認知症専門医を受診し、認知症病棟に入院、そこで初めてアルツハイマー型認知症と診断された。3月末に退院、在宅へと切り替え、同時にそれまで通っていた小規模多機能型のデイ利用を再開している。(余談だが、受診日なので、とデイのスタッフへは前日でお迎えなしということをお伝えしていたのだが、連絡が取れていなかったらしい。いつもの時間より20分近く遅れてスタッフが到着。わたしが驚いて受診日だからお迎えなしだと伝えたのだが、と話すと、その方は恐縮そうに帰って行った。忙しいのはわかるが、初歩的なミスだよなぁ、、、と、ちょっと呆れてしまった。姉によると以前もそういうことがあった、と。やれやれ。)
認知症専門医からの内服薬調整で、夜間不眠の続いた母がようやく眠ってくれるようになった。それに伴い、食事も摂ってくれるように。食べることを忘れてしまったのかと思うほど、拒食が続いたのだが、今は食欲旺盛で困るほどだ。
専門医より近所の総合病院の内科医に引き継いでもらい、現在、内服薬はその内科医により処方されている。土曜日はその処方を受けるための診察であった。
日本は国民全員保険であり、誰もが気軽に受診できる。医療保険のない人なんて考えられない。また、高齢者や高額医療を受ける患者さんへの補助もある。それは素晴らしいことだと思う。が、だからこそ?なのかな?9時半の予約なのに、待合室はわらわらと患者さまやその家族でごった返し、結局、母が呼ばれたのは11時半であった。その間、母は車椅子。何度か座り直しを行うのだが、本当にこれは苦痛極まりない。これは今に始まったことではなく、これまでも他の病院、クリニック、個人医、どこへ行っても同じだった。アメリカでは考えられないことだ。もちろんERは別だが。
そういうわけで診察まで2時間以上も待たされ、やっと会えた担当医だった。が、診察をしない。体に触れることもない。母に優しく挨拶はしてくれた。が、その後はわたしたち家族に「お変わりないですかー」それだけであった。しかも、「薬はあちらでもらっているんですよね」と。愕然とした。オイオイ、担当医はあなたになったんでしょう、カルテには記載されていないのか!?
「それでは同じお薬を処方しましょう。2ヶ月分にしますか、1ヶ月分にしますか」
わたしはこんな診察であれば2ヶ月先で良い、と思った。が、姉は「1ヶ月に1度は診察していただきたいです」と言う。メイン介護者は姉なので、とりあえずは1ヶ月分とお願いした。だが、診察室を出て、姉にわたしの気持ちを話した。「定期処方だけなら2ヶ月分で良いでしょう、変化があればその時に予約すれば良いだけのこと。来月もまた2時間待ちをさせるの?そんな価値ないでしょ、あの診察じゃ!」
姉は、それはそうだ、と思い直したらしい。慌てて診察室へ戻り、担当医に2ヶ月分の薬をとお願いし、次の予約も2ヶ月後にしてもらった。日本の病院ってどこもそうなのか、或いは離島の医療のレベルの低さか。アメリカの医療体制もいかがなものかとは思うが、母の受診ではいつも嘆かわしい気持ちになってしまう。
長くなった。そういうわけで、土曜日、母は遅れてデイへ。かなりハードな1日だったせいか、母はその晩、倒れるようにベッドへ、その後、泥のように眠った。
日曜日。
いつものように朝、起こすと目をつむったまま返事をしない。動きもしない。少し時間を置いてまた起こすと、今度は「どこにも行かない」の一点張り。トイレへ行こう、と言っても聞かず。あらららら、機嫌悪。
姉と交替。姉が声をかける。同じく拒否。
お迎えの時間が迫ってきて、こちらも焦る。しかし母は思いっきりストライキ。
Igさんお迎え。
母の様子を伝えると、中へ入ってこられ、母に優しく話しかけられた。しかしながらこの日の母は手強かった。まったく動かない。「行きません」「動けません」手をかけようとすると「触るな!」
Igさんより、無理強いは良くない、とお話があり(それはもちろん良く知っている)、特別に1時間
半ほど後にまた寄ってみるとのこと。感謝、感謝である。
母、8時15分頃か、むくむくとベッドで動きがみられた。すかさず「おはよう、そろそろ起きようか」と声をかける。すると母、目を開けて「そうね。よろしく」と。あらららら。恐るべし認知障害。
しかし、やはりどことなく機嫌が悪い。これは多分、排泄がうまく行ってないせいだろうと予測。トイレへ誘導したが、その気配なし。
お迎えが来るまでの間、モーニングケア、そして朝食。
いつものとおりにしていることも、どこか気にくわない母。2階より下りてきて声をかける姉に「あおおに!かん、きしんに!」
姉、わたしからのお土産のシカゴカブス優勝記念の青いTシャツを着ていた。青鬼、だって。笑いをこらえる。こんな時に笑おうものなら、母は尚、怒るのだ。
Igさん、約束の時間より少し遅れて到着。母、待ちくたびれて、またまた機嫌が悪い。よろしくお願いします、と頭を下げながらお見送り。
昨夜、母、いつもの時間より10分ほど遅れて帰宅。送迎のkさん、「夕の薬が入っていなかったそうで、のませてないそうです」
「入れましたけど」と、わたし。kさんは「入ってなかったそうです」と。姉、「夕のお薬はピンクと白の・・・入れ忘れちゃったかな?」と、わたしを見る。いやそんなことはない。元看護師ですからね、わたし。そんなミスがある筈がない。「ちょっと確認しますね」と、kさん。わたしの様子を見て、渋々、という感じだ。すると。。。なーんと、入っているではないの。しかも、昼のお薬もそのまま!
「夕だけじゃなく、お昼ものませてないようですね」わたしがそう言うと「あっ、本当だ、、、言っておきます。。。」とkさん。わかってます。kさん、あなたは夕方からの勤務なので、関係ないです。わかっています。心の中で思う。
母、機嫌悪し。帳面を見ると、本日も排便なし。しかもお昼の薬(排泄コントロールの薬)は服用していない。あー困った。軽い食事を準備し、夕の薬に排便を促す薬を増量しておく。薬をのませるのも一苦労なほど、母は機嫌が悪かった。いつもならなんてことなくのんでくれるのだが。。。いろんな手違いで生活のリズムが狂うと、母は途端に調子が悪くなる。
無理強いせず、母が自分で服用するよう準備。すると時間はかかったが、ちゃんと服用してくれた。
眠そうにしていたのでベッドへ誘導。これも何度か挑戦しやっと。眠そうにうとうとしているにも関わらず「眠りません」と言うので。困った困った。
11時、母に起こされる。既に布団をはがして起き上がろうとしている。「トイレ」と言うので、誘導。もしかしたら・・・という期待もあり。が、不発。
その後、朝までぐっすり。
今朝、6時半に声をかけると速やかに覚醒。トイレへ誘導。着替え。
その後、モーニングケア。お迎えまでの間、軽い朝食をあげる(朝食はデイで食べることになっている)。
いつもの時間より10分以上経過してもお迎えなし。姉が電話をかけて確認。「別の利用者さんの訪問の後になるので遅れているのかも・・・」という返事。今はわたしがいるので時間が遅れるのは構わないのだが(姉は仕事へ行く時間をとうに過ぎている)、遅れるなら遅れるという連絡がないと、母には負担である。
いつもの時間より30分ほど遅れてお迎えのスタッフが到着。またまたIgさんであった。スタッフが不足しているのだろう。Igさん、恐縮しつつ謝られる。連絡さえしていただければ母を一旦、横にさせて待つことも出来るので・・・と話す。姉によると。わたしが滞在するこの2ヶ月はお迎えを1時間ほど遅らせて欲しい、と依頼したが、スケジュールの関係上それは難しいと断られたのだそうだ。時間の誤差はしょうがない。しかし、連絡はしてくれないと困る。これでは母の負担が強すぎる。厄介な利用者さんだと思われているだろうが、わたしたちにとっては大事な母だ。そして、それだけの金額を毎月、支払っているのだ。
内服薬を入れたので今日は忘れずに・・と伝えると、昨日の投薬ミス(抜け)は知らされていなかったらしい。むぅ。。。。
母、「待っててくれよ、すぃてぃてぃくんなよー」と言って出かけて行った。切ない。。。。