釣りに行こう
Dec
1
1週間程前になるか、姪っ子のるぅちゃんから弟のブログのアドレスが送られて来た。弟ーわたしの、弟だ。
ブログ???
ちょっとびっくり。いや、結構驚いた。
でもそう言えば彼はInstagramもしているらしく、それはるぅちゃんもわたしの娘もフォローしていると前に聞いた。ふたりは時々面白がって、写真とコメントをスクリーンショットで送ってきたりもした。こまめにアップしているわけではなく、思いついた時の写真が多い感じだった。そして、コメントにはわりと素直なことを書いていた。特に笑いを狙っているとかそういうものではなく。
へぇーと思った。基本的に、弟との会話は「オチ」がないといけない。弟はもちろん、わたしが話す場合でも普通に終わると「なんだ、オチはないのか」と言われる。全てにおいてそうではないけれど、まぁそれでも真面目な話題であっても最後はオチで気分を軽くするような奴だ。そんな弟が、当たり前のようなことを普通に書いている。なんか知らんが東京言葉になっているし(いや、それについては自分も同じ)。わたしもInstagramをしているので弟をフォローすることも出来るのだろうが、それはなんとも小っ恥ずかしい気がして知らん顔をしている。もちろん弟もわたしをフォローしていないし、わたしの写真などを見ているかどうかも不明(姪っ子や娘から聞かされているかもしれないが)。
ブログをのぞいてみた。
なんだか他人(家族だけど)の日記を盗み見しているような気持ちになったが、公開されているブログなので大丈夫だろう。というか、るぅちゃんによると、弟の方からブログのアドレスが送られてきたのだと言う。「なんで???」と驚いて訊くと、「わかんない。でも、釣りに連れてってーと頼んだらそれが送られてきた」と。
なるほどそれは「釣りブログ」だった。
弟が「釣り」をしているらしい、ということはかなり前から聞いていた。東京で暮らす彼が「釣り」とな?当時わたしは「釣り堀で?」と笑い飛ばした。
「馬鹿言うな。そんなことが出来るか!」
「じゃ、どこでよ?東京で釣りなんて」
「三浦半島とか、まぁ色々」
最初に聞かされた時は、いつもの彼の豪語&オチだと思い半分以上まともには受け止めなかった。でも色々と話すうちに、どうやら奴には釣り仲間がいて一緒に海釣りをしているらしかった。そんな気色があったのか!と驚く。でも、考えてみれば大の大人だもの、何かしたければ自分で行動できるのだ。
島で釣りをする弟は当たり前の姿だった。が、弟にとって「釣り」は島でだけ行うものではなかったのか、つまりはそれ程好きだったのか、と、あらためて思った。そう言えば島で釣りに行く時、弟が一緒にいると、奴は驚くほど穏やかにわたしたちの釣り針をつける世話をしたり、或いは逆に岩場に挟まってしまった釣り針を外してくれたりする。自分も釣りをしたいだろうに、わたしたち姉妹の世話をすることを全く嫌がらない。それから、釣りをしている時の奴は無口になる。変な言い方だけど、いつも笑いを取る彼からすれば「無口」なのだ。今思い返せば、あいつは釣りを心底楽しんでいたのかもしれない。
1ヶ月くらい前、弟は久しぶりに島に帰った。姉3の話によると、見事なまでに天候に恵まれず、釣竿とリールを事前に送ってまで楽しみにしていた弟にとっては悲劇だったらしい。もちろん悪天候であっても釣りには出かけたそうだ。友人に頼んで船も出してもらい、海釣りにも行ったらしいが、20分で引き返さなければならないくらいの高波だったとか。なんてかわいそうな奴。
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