アシナガグモ、赤ん坊
Feb
10
職場の相棒の様子がおかしい。
やたらと近づいてきて今にも抱きしめてきそうな気配。ハグじゃない。性的な抱擁の要素を感じてしまって、ビビっている。
夜。
彼女に呼び出された。話したいことがある、と言う。どうしても今、と言う。
怪訝に思いながらもごく普通に返事をして指定の場所へ出向いた。
と、現れたのはアシナガグモの相棒。と、思ったら、何やら車椅子が変形したようなものに身体を乗せている。
顔つきが強ばっていて、年老いたようにも見える。
そして、言葉を発さない。わたしを見て、ギシギシと近づいて来た。
恐ろしくて後退りするのだが、腰が抜けたようになってしまって動けない。
たたたた、、、助けて、、、、
声にならない言葉を叫ぶ。
Help! Help me, somebody, anybody!!
すると、どこかの家からBevoが出て来て、蹲るわたしの周りを忙しく駆け回り、ペロペロと舐め始めた。
びぃちゃん、、、、!
気付くとびぃ坊がベッドに上がって来てて目が醒めた。
マジに怖い夢だった。なんなんだ。どれだけ彼女に支配されているんだか。いや考えすぎか?
・・・
空港。友人Eと食事。
どうして空港で食事になったのか思い出せない。何かの会合の帰りだったような気がする。
どこで食べようか、と、ゆっくり歩きながら話す。
最上階。
着飾った老女に声をかけられる。古い知り合いだった。
少々威圧的にも感じるのは年齢のせいだけではないと思う。以前にも増して、ちょっと近寄り難い。
が、友人はそんな風には感じていないようだ。軽やかに会話を楽しんでいる。
わたしは聞き役に徹するフリをしていて、実はあまり聞いていない。苦手なのは前から変わらない。
サーバーらしき人がやってきて、老女に何やら伝えると、彼女は友人に「ご一緒にどう?」と言っていた。ひえ〜〜〜〜ごめんごめん、と思うのだが、友人はどう答えるかわからない。
そんな様子を見ながら、わたしはフラリとフロアーを歩き始めた。友人はまだ老女と話をしていた。
エスカレーターが見えたので、階下ものぞいてみようと思う。
するとそのエスカレーターは止まっていた。止まっていただけではなく、階段が畳まれていてスロープ状になっていた。
周りには誰もいない。
ちょっと躊躇したが、まっいっか。と、そこを滑り降りることにした。
それほど急な勾配ではなかったのに、長さがあるせいか、かなりのスピードが出てしまった。
階下のフロアーに到着しても、滑ったままなかなか止まらない。
前方にはいくつかのソファーが並べられたオープンカフェがあった。身体を傾けて方向を変え、ソファの合間を抜ける。
ところどころに、客が残して行ったグラスなどがある。それも上手にかわす。
なかなかうまく滑れている!と、調子付く。
と、大きなカウンターが目の前に現れ、スピードこそ緩まっていたものの、止まることができず衝突する。
その衝撃で、カウンター上のトレイに載せてあったグラスがひとつ、落ちる。
あああああ!と思って手を伸ばしたが受け止めきれなかった。
あぁ割れた!と思ったが、不思議とそのグラスはゴロリと転がっただけで割れなかった。
うわー良かった。
立ち上がると、カウンターでグラスを乾拭きしていたお店の人が、驚いた顔でわたしを見ていた。
すみません、、、、
そう言いながら慌ててそこを立ち去った。
しばらく歩いていくと、姉3人と出会う。
姉1は赤ん坊を抱っこしていてギョッとする。誰の子???
姉たちから、おーちょうど良かった、mも来てくれたんだね、と言われる。もうすぐだよ。
何かと思うと、兄家族が出発するのだと言う。
兄と、兄の後妻と、兄の娘、孫、そしてもう一人子供。
色々な事情があるらしい。一人の子供は泣き顔だった。なぜかとても気の毒になってしまって、またね!元気でね!と、手を振った。
姉1の抱いていた赤ちゃんは姉2の元生徒の子供らしい。姉1は嬉しそうに赤ちゃんを抱っこしていて、あー姉さんはきっと赤ん坊が恋しいんだなーと感じた。
姉たちから一緒に帰るか、と言われ、それもそうだな、と思う。
あ、でもEに連絡しなきゃ、、、、
続く。
・・・
続き。
Eに電話をかけた。
わー心配してたんだよーどこ?大丈夫?
Eはどこまでも優しい人だ。
ごめんごめん。ちょっと下を見に行ったら姉たちに会っちゃって。連絡もしなくてごめん。
言い訳がましいな、と自分でも思う。Eは、いいけど、と言っていたが、良い気はしないだろう、当然だ。
わたしはEにエスカレーターが止まっていて滑り台みたいになってたこと、それを滑って階下に来たこと、グラスを落としたけど割れなかったこと、姉たちに偶然会ったこと、兄家族がどこかへ行くことになったらしい、など、かいつまんで話しているうちに、なんかおかしい、と思い始めた。
E、思うに、これは夢かも。だって変でしょ、滑り台のエスカレーターなんて。ソファーがいくつもあったのにぶつからなかったのもグラスが割れなかったのも、変。
mちゃん、そうだよきっと。夢だよ、夢。
やっぱりそうか、と思う。
でも、姉たちとこれから一緒に帰るのも悪くない、と思って、友人にそう告げる。友人は、いいよーわかったー、と答えてくれた。