そんなことを思っていたら、長い上り坂が見えてきた。ここは少しアクセルを踏まなくちゃ・・・と進むと、今度は長い下り坂が来た。ヤバイよ、、、、スピードがどんどん増して行く。坂はずっと続いている。Bruceeeee, mommy is scared....そう言ってしまった後ですぐに、No worry Bruce, I got this!と言う。ブルースははっははっは言いながらわたしを見た。ブルースの美しい黒い瞳。
スピードがかなり出て、思わずブレーキを踏んだ。が、そこにはペダルがなかった。アクセルもなかった。足元にはもう何もない。そして、いつの間にかハンドルも消えていた。ハンドルだけじゃなく、メーターやらダッシュボードやら何もかもが消えていた。マイMuranoさんはのっぺらとした薄い肌色の中身のない箱になっていた。前方、遠くの方にレース場のゲートが見えた。ぶつかる!わたしはブルースを抱きしめた。