「9歳で突然父を亡くし新聞配達少年から文部大臣に」を読んだ
Sep
13
本のタイトルの通り、9歳でお父様を亡くされた所から苦労して文部大臣になったところまでの自叙伝部分と持論である教育立国論が書かれていました。
勉強したいのに貧困を理由に学ぶ機会が失われることがあってはならない、というのはまさにその通りでしょう。しかし、逆に学習することに向いていない人が高校は勿論、大学まで行ける、というのはどうなんだろう、というのが私の考えです。
大卒と高卒で生涯賃金が全然違う、とありますが、今まではそうでしょう。しかし、これからはどうでしょう。裏付けがあるわけではないのですが、非正規雇用だ、何だと言っているではないですか。本当にいまだに大卒のほうが給料がいいのでしょうか。あるいは、平均すると、そうなるのかもしれませんが、一般サラリーマンだけで考えた場合、本当に言われているほどの差が出てくるのでしょうか。
人には適した能力というものがあるはずです。勉強に向いていなくても技術の勉強をしたら、とてつもない能力を発揮するかもしれません。全員が全員高校、大学に行ったほうがいい、といった論調には疑問が生じます。
本書ではそこまでは書いていませんが、高校、大学に行きたい人をサポートすべき、という点に異論は無いものの、そうでない人、つまり、学習に向いていない人をどうするか、という観点が書かれていない点で納得の行く本ではありませんでした。