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青空文庫『ある遊郭での出来事』 

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青空文庫『ある遊郭での出来事』...
外国暮らしで思うように日本の書籍が手に入らない昨今、ネットで公開されている青空文庫を利用してみることにしました。著作権が消滅した古い作品がほとんどなので、母国語でありながらすらすら読むという感じにはいかないのですが、日本語の変化を見ることもできて、非常に興味深いです。

今週読んだのは、小説家、若杉鳥子(わかすぎとりこ)の短い随筆『ある遊郭での出来事』です。1925(大正14)8月の『婦人公論』に掲載された作品というのですから年季が入っています。ほぼ100年近く前に書かれたんですね。

『ある遊郭での出来事』
https://www.aozora.gr.jp/cards/000331/card2661.html

ある人が「読書は過去に存在した天才との触れ合い」と言っていましたが、実際約100年前に書かれたものが、今、時を超えて私の目の前にあるということは、とても不思議な縁に感じます。

若杉鳥子という小説家は、茨城県で芸妓置屋を営む家の養女として育ちました。ここに書かれていることは、遊郭の全体像ではなくとも現実の断片であると言えるでしょう。

『ある遊郭での出来事』には遊郭で起こった情死や心中事件がいくつか書かれていますが、「情死者の葬式」の項は鮮明に私の心に残りました。作者は墓地での「普通の死を囲繞(いじょう)するものとは全然異なっている」場面について記しています。

★ここから下は原文抜き出しなので、これから全体を読まれたい方はご注意ください★














以下、原文抜き出し――――――――――――――――

 何等の形式の片影も被かぶせられてない血みどろの若い女の屍体が、厳然と置かれてあるではないか……。無宗教の葬式のように、お経を読むでもなく香を焚くでもなく華を手向けるでもない、悼詞で死者の生涯を讃めたたえるような友人も彼女に勿論あろう筈がないのだった。文字どおりただ埋めるだけなのである。墓場に和尚は顔を出しても、法衣一つ身に纏わず、自分も迷惑そうな苦笑さえ浮かべて、『××楼さん――どうもはやお気の毒な事で、とんだ御損害で……』 楼主に対して挨拶をする。坊さんばかりでなく、此処へ集まって来ている誰も彼もが、不思議と彼女を憐れもうとする者は一人もなく、『御災難で、御損害で、御気の毒で』と楼主に対して繰り返してる。

そしてまた彼女達は、何と容易に死を選ぶことだろう、刃物で、劇薬で、鉄道線路で……

――――――――――――――――――

遊郭に売られた女性たちの悲惨な境遇と絶望が、場面描写からにじみ出ています。百年前の命…今の命も重さは同じであるはずなのに…。2分ほどで読み終わる短い随筆なので、ご興味がおありの方はぜひ読んでみてください。


《気になった表現》

センジュアル:大正時代の作品には、外来語のカタカナがかなり頻繁に用いられています。近年復活の兆しがあるこの「センジュアル(センシュアル)」は、1892年の北村透谷作品や同年代の寺田寅彦作品にも使われており、意味は「官能的」「肉感的」。

『ある遊郭~』内では、この他「死面」に「デスマスク」、「衝動」に「ショック」というルビがわざわざふられていました。

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#ある遊郭での出来事 #若杉鳥子 #青空文庫

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(駄)ラジオ『テレフォン人生相談』にしびれる

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(駄)ラジオ『テレフォン人生相...
実は私、ニッポン放送のラジオ番組『テレフォン人生相談』のヘビーリスナーでして^^!

もともとは、たまたま聞いた藤諦三先生(世界的な心理学者)のセミナーに感動したのがきっかけです。その後、先生のラジオ番組から講演ビデオまでYouTubeを聞きまくったのでした。

そして聞くものがなくなってしまった今は、作家の三石由起子先生が回答される会を聞きまくっています。いやあ、三石先生のご回答の迫力満点なこと。この回(https://www.youtube.com/watch?v=zr6TjFl7bZ4)なんて、DV気味で妻に逃げられた男性相談者に三石先生が「私だってあなたが怖いわ…」と言うくだりがあるのですが、いや、先生よりは怖くありませんよ!っていう感想が正直なところ。

よってこのビデオをYouTubeをアップした人も、どう考えてもDV男よりも先生を怖がっている風のタイトルを付けています(上写真)。

たくさん聞いていると、先生のキレどころもだんだん分かってきます。特に自分とは全く関係ないことに文句を言っているような相談者の場合、ヘビーリスナーなら、もう相談が始まった時点で「この人やられるな」って気付くわけです。この回(https://www.youtube.com/watch?v=bAeviOLjTaU)なんてまさにそれ。

話をもとに戻しますと、加藤先生のおっしゃることでとても新鮮だったのは、「自分の感情を観察しなさい」という助言でした。特に「~過ぎている時」。

例えば単に怒っているのではなく、怒り過ぎている時には、劣等感など自分の心の問題・状態を投影している可能性があるとおっしゃいます。そういえば確かに私の親友のSさん。彼女が怒っているところを見たことがありません。Sさんはまるで全く傷つかないダイヤモンドみたいな人です。アメリカで店員さんに失礼な態度を取られても、全く意に介さず、むしろ大爆笑。私なんかだと「私がアジア人だからかな…」なんてふと頭をよぎったりしますが、そういう心の奥のよどみみたいなものが彼女にはないようです。

そしてちょっと驚いたのは、加藤先生の「喜び過ぎている時」も何かが隠れていますよ、という言葉でした。私は人に褒められた時、異常に喜んでいます。喜び過ぎなほど喜んでいます。その感情を観察して見つけ出したのは、ダメな子と言われ続けた子ども時代の自分でした。

怒り過ぎている時、喜び過ぎている時、私の隠したい劣等感がもろ出しになっているわけで、見る人が見れば、恥ずかしい私が丸分かりです。加藤先生の助言を意識するようになってから、自分の劣等感が見えてきて、見えたことでその部分が消えてきたように思えます。

皆さんは最近、何に怒り過ぎましたか?何に喜び過ぎましたか?その理由はどこにあると思いますか。

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#ラジオ人生相談 #猪股るー

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新井浩文さん逮捕と、一部の日本人の醜い心

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ツイッターより https:/... ツイッターより https://twitter.com/araihirofumi


2/1に俳優の新井浩文容疑者が強制性交の疑いで逮捕されました。まだ捜査中で罪が確定したわけではないですが、もし本当に強制性交を行ったのなら、とても許せない行為だと思います。

一方で、この問題を「韓国人だから」とひとくくりにして非難する人がいるのはとても悲しいことと思います。彼は日本で生まれて日本で育った人ですよ(しかも三世)。アメリカにも色々な国の三世、四世がいますが、犯罪を犯したとしても三代前の祖国なんて辿って人種を非難することはありません。たとえ新井浩文容疑者が、自分は韓国系だからと強く意識して生きていたとしてもです。彼を育てたのは日本の地であり、日本の文化です。

そして、この一人の犯罪を見て、鬼の首を取ったように韓国を罵る書き込みがたくさんあるのも悲しいことです。もちろん韓国政府が日本にしている態度はひどいです。私も韓国政府は大嫌い。でもこの犯罪が「韓国人だから」という結論は、あまりにも幼稚じゃないですかね。

嫌韓意識が急速に高まる今、ひとつ心にとめておきたい点は、日本人と韓国人の気質の違いです。日本というのは割と、皆の意識が同じになりやすい国と思います。韓国は許せない、だから嫌韓が急速に進んで、韓国の歌手が好きな人がいれば堂々と文句を言ってみたりする。でも韓国人はちょっと違います。国が反日教育をしても、洗脳用の記念館を作ってみても、ならえ右で同じ意識にはなりません。

私が韓国に住んでいた2000年前後は、今よりも反日教育が盛んでした。テレビも日本人に関しては言いたい放題。そんな中、「日本は有り(日本の良いところが書かれた本)「日本は無し(日本の悪いところが書かれた本)」の2冊が発売され、ベストセラーになりましたが、その両方がよく売れていて驚きました。日本では韓国を褒めちぎった本がこのように売れるでしょうか。また、当時韓国は、世界で最も日本語を学ぶ学習者が多い国でした。日本でも韓国語教室がありますが、1週間に1クラスぐらい、小さいものがあるかないかでしょう。でも私が指導していた1つの塾だけとっても、日本語クラスが1週間に約100クラスもありました。本当に反日なら、その国の言葉をこんなにたくさんの人々が習うでしょうか。

今、ネットを見れば見るほど、韓国という国が嫌なものに見えてきます。おのずとそこに住む人々も…となるのはしょうがないことと思います。私だって、もう一度言いますが、韓国政府は嫌いです。でも、ネットの中には、ある特定の刺激的な内容ばかりがクローズアップされていることを忘れてはいけません。例えばアメリカに住んでいると、東京は世界で最ももろい都市だ(地震による都市崩壊)という記事などを目にする機会が多くあります。「東京はそれほど危ないのか?」と他の記事を読めば、さらに東京と地震に関する記事が出てきます。それを見続けた結果、在米日本人の中には、東京には怖くて行けないという人が出てきています。逆にアメリカの銃乱射の記事を何度も目にした日本人は、アメリカに住んだら銃乱射に遭って死ぬんじゃないか?と思ったりもします(現実にはそうは遭遇しません)。

韓国に住む人々の優しさや温かさなど、そんなニュースにもならないことは、本当は大切なコアであるにも関わらず、新聞のトップニュースとして紹介されることはありません。

韓国の人々がよく私に言った言葉は「子どものころから反日教育で、日本は嫌いだった。でも実際に会った日本人は本当に親切で優しかった。だから今は日本が大好き」でした。韓国の人々は、日本人よりもいい意味で単純です。優しさや親切を裏読みすることなく、あっさり受け止めて、「私は私の考えで行く」と判断する人が多いのです。日本人と同じような顔をしているけれど、色々なことが違います。

とはいえ、韓国の政府の出す決定や失礼な態度には、非常に腹が立ちますよね。では韓国の人々に(政府ではなく)、私たちはどのような態度を取ると良いのでしょうか。

以前日本で知人(日本人)と地下鉄に乗っていたら、電車の中で観光日本語の教科書を広げて一生懸命勉強している韓国のお年寄りが前に座りました。私は本当に微笑ましいと思ったし、韓国でも日本のことはそうよく言われていないだろうに、来てくれてありがとうと思いました。しかし知人はそうは取りませんでした。そのお年寄りに聞こえるように、「韓国人が日本に来やがって。帰れ帰れ」。「アリガトウゴザイマス」「ドウイタシマシテ」と拙い発音で練習しているお年寄りの頭に、鋭く真っ黒な言葉が降りかかったのです。私はあわてて彼女を制止しました。幸いにもお年寄りは、日本語にそこまで堪能ではなかったので気付かずに済みましたが、こうやって日本を好きで来てくれている韓国の方々に冷水を浴びせることが、愛国者の取るべき行動なのでしょうか。

韓国への腹立たしい気持ちは分かりますが、私自身は、国のことは国に任せて(国はある程度毅然とした対応が必要かと)、私たちは小さな兵士ばりに韓国の人々を攻撃するのではなく、小さな平和大使として、人と人は繋がれると信じて、優しい気持ちで草の根運動をしていくことが大切だと思います。国同士が戦争をしていても、人間同士が友情で繋がることは珍しいことではありません。

実際、日本を愛する気持ちが強い人であるならば、日本人ならではの美しい気質を持ち続けることが、大切な日本をさらに美しくする一番の愛国的行動ではないでしょうか。また、韓国と本当に国交断絶したなら経済的損失もはかりしれません。そういった面でも、厳しくやり合う政府間の下で、二つの国が断絶しないよう、別次元の人間的な優しい運動を行うのが何より愛国的であると私は思います。

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#新井浩文 #猪股るー

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