共感しないコーチング
Sep
4
その中で、「傾聴&共感が大事ですよね〜」みたいな話を
初期の頃からよく聞いてきました。
相手が話したいことに対してガッツリ"傾聴"して、
"共感"を示しまくる姿勢によって、
対話相手からの"気づき"を引き出すうんぬんかんぬん。
実際、去年から行ってきたコーチングのセッションにおいても、
それら傾聴&共感の姿勢による場の機能が正常に働き、
まさしく相手の中からの"気づき"が促される、
という瞬間と相対する場面が幾度となくありました。
ところがどっこい、某ストレングスファインダーの資質診断によると、
自身の中で最も低い資質はなんと"共感性"。
↓こちらの診断です。
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過去のセッション中の自身の対話中における心象風景を思い返してみると、
本当に心の底からクライアントに対してガッツリ"共感"しまくっていたかと言うと、
実はそんなことは無く、
実態としては傾聴&共感の姿勢を"ポージングとして表している"、
もはや"演じている"、という感じが正確だったのではないでしょうか。
それでも、セッション後に対話相手に感想を聞くと、
「めっちゃじっくり聞いていただけたお陰で、気づきが引き出された感じがします!」といったコメントは何故かいただける。
つまり気づきを引き出す、という事に対して大事なのは、
"聞いてもらった感"であり、
実際に"めっちゃ聞く事"ではない。
若干無茶苦茶な言い方をすると、
傾聴&共感はある種の小手先のテクニックや、
演技レベルで出来てしまう。
ただ単に日常生活の関係性等の中で、
そもそも自身の話をガッツリ傾聴してもらう、というような体験が
そこまで多くが無い為に、そのコミュニケーションの希少性だけで
日頃の思考よりも深堀った言語化が成される事による
一定の価値創出が成されてしまう、そんな感じ。
例えるならば、指名が絶えないキャバ嬢&ホストの常套技だったり、
どんなサービスでも相手に売れてしまう凄腕セールスマンのテクニック、
とも言えるかもしれません。
ところで、"コーチング"に対して本当に求めるもの、
機能価値って、そう言うことなんでしたっけ?
【コーチングでの傾聴&共感、不要説】
そもそもコーチングとは何か、なんて定義から考えると、
色んな解釈が無数にあってどこから整理したものやら、
と言う感じではありつつも、、
去年からぼぶ自身はなんだかんだ
・日本で(おそらく)最大人数規模の人たちに認定資格を発行しているスクール
・国際コーチング連盟のオーソリティによるセッション学習コミュニティ
・コーチングセールス手法の体現者による講座
・認知科学に基づく本格的なコーチングのスクール
などで、もう気づけば1000時間以上はコーチングに関する探究やら学習、
実際のセッションに費やしています。
この現時点で、(あるいは、この対人支援を知った当初から)自身が
期待していたコーチングというものの価値としては
「クライアントの過去や
外部環境に対する忖度感情を皆無にした状態で、
完全な本音ベースで行きたい方向性を明らかにし、
その方向へ確実に進んでいく力の最大化、
かつ自然と進み続けられる精神の状態にセッティングする」
という機能・成果だと考えています。
改めてこの機能・成果だけを見ると、
"傾聴"や"共感"はあくまでこれらの成果を果たす為の、
初期段階の本音を吐露する前提としての心理的安全性を担保し、
本音レベルでの協働関係を機能させる為の
場所・土台作りに過ぎないわけです。
これらの土台がまず構成された上で、
今までのクライアントの人生時間の中で
珍しく表出させることができた本音要素のことを、
="気づき"と呼んでいる感じなのかな、と。
そして実際に、"傾聴"、"共感"が徹底されたセッション空間で
それらの本音が吐露できると、
自身の思考の整理は今までにない階層で進み、
その事でテンションが上がり、着想が湧き、モチベーションが向上した、
と感じるわけです。
そうしてセッションはひと段落、
コーチありがとう~!という感じで終わらせることも可能ではあり、
実際にクライアントからはそれなりの満足度も得られはするかと思います。
ただ一方で、そんな思考の発展、一時の頭の中での快楽体験だけでは、
残念ながら現実問題は何も進まない。
では一体何が必要なのか。
【セッションの中で本当に必要なもの】
おそらく、ここが正しくコーチングを機能させる上で
一番肝となるポイント。
コーチとクライアントが
互いに生命時間を投資したセッション価値として、
本当の真価を発揮できるかどうかがかかっていると思います。
気づきや発見に基づいて、
"具体的な目標や行動を設定"をする、と考えた人は惜しいです。
傾聴・共感をベースにしたコーチングで実際にここから行うのは、
具体的な目標を設定したり、
スモールスタートが切れるステップバイステップでの
行動に落とし込んだりする事までマニュアル化されています。
が、正直、ここは少し罠だと感じます。
現実的な場としてセッション時間を通じて、
コーチ側が本当に徹底して"傾聴"・"共感"をしていたとしたら、
この具体的な目標設定時点においても、
相手の立場や状況やリソース、経験レベルなども汲み取った上で、
所謂「誰もが納得し、安心して進める"落とし所"」に
それらの設定を落ち着かせてしまう。
それは一見新しい一歩のようで、結局は現状の延長に過ぎない。
一人で考えていても実は思いつけていた範囲内なので、
ただ単にクライアント側に内省の時間が不足していただけの事。
なので、人生をかけるレベルで真剣に、
単価も安くないコーチも巻き込んで挑んでいるセッションという場であるならば、
ここで本当に行うべきは、
久々に現れたが本質である"本音要素"をフル活用した姿での、
新たな自我をその場で形成しきる事。
若干何を書いているのか分からないかもですが笑、
砕けて言うならば、
今までたまにしか出てこなかった、
だけど実際心からの本音要素を毎日発揮し続ける自分を真とする。
その自分が真ならば、
本音が出てきていなかった今までと同じ思考パターンを採用したり、
さっきまでと同じ行動習慣を継続するはずがないよね?
と言った感じ。
内部表現の書き換え、とも呼ばれる踏み込み介入。
新しい思考パターン・行動選択の状態が
今から毎日連続するとするならば、
昨日まで掲げてきた目標等とは全く違う要素や世界が見えてくるはず。
そしてその全く新しいにも関わらず、
それでいて何故かより自分らしい方向性に対して、
数分前までの選択基準や生活サイクルまでも改変し、
ここから新たなリスクを払ってでも、進み続ける決断を促す事。
ここが本質的な最大価値となり、
コーチ側もここまでの踏み込み、介入が出来るかどうかで真価が問われます。
クライアント側もその方向性に対する大きな期待と不安を併せ持ちながらも、
自身の生命時間に本当の意味で責任を持ち、
自身の可能性に乗っかりきる気概で望めているか、が重要。
コーチ側がここまで踏み込むには、
言語で「君なら出来る!」といった言葉はもちろん、
それ以上に、非言語レベルでもほとばしる説得力がどうしても必要不可欠。
だからこそコーチ側はこれまでに
どこまでの、どういった挑戦や決断の経験を持ち、
期待と不安を併せ持つ状態を五感で体感してきたかどうか。
そしてその繰り返しを続け、
どこまでの高さの抽象度視座を持って日々生きられているのか、
がセッションで介入できるレベルや質に直接関わってくる訳です。
(自己基盤等とも呼ばれるやつ?なのかも)
なので、自身の場合においては、
・大学院卒業と同時に母親を急に亡くし、
以降の自身の与えられた生命時間を使い切る決意をしたこと。
・自身の受け手側目線でとして理想的なエンタメ・音楽を、
あらゆる人や組織も巻き込みながら作り続ける事を決め、
世の中的にも安定・ホワイトと呼ばれる企業を飛び出し、脱サラしたこと。
・自身が受け手目線として満足できる部分まで作る、という力を転用すれば、
音楽に留まらず、コーチングサービス作りなどのビジネス構築にも転用できたこと。
等の要素が主な基盤になっており、
決断とは何なのか、飛び出す時はどんな心象風景か、
飛び出した後どう繋げていくのか、といった部分を
感覚的な部分もロジカルで体系な部分も両面から理解し、
言語と非言語いずれからも伝えられる、
という部分を活かしているわけです。
まとめとして、繰り返しにはなりますが
今の自身のコーチとしての機能価値は、
「クライアントの過去や
外部環境に対する忖度感情を皆無にした状態で、
完全な本音ベースで行きたい方向性を明らかにし、
その方向へ確実に進んでいく力の最大化、
かつ自然と進み続けられる精神の状態にセッティングする」
事として定義しており、
セッションにおける"傾聴"・"共感"ムーブは
あくまで心理的安全性のベースを作る為のお膳立てです。
それらがメインのコーチングでもフェーズによって
ある程度の介入は行われてますが、重視はされていない。
クライアント側の主体性をトレーニングする意図として、
対話の方向性を委ねることや、既存のリソースに気づき目標達成を促すこと、
という事自体にも勿論価値は十分あります。
が、それでは自身の頭で考えられる既存の範疇を出る事は無く、
現時点から測定可能な目標達成レベルに留まり続けてしまう。
だからこそ現状からは計り知れない可能性を開拓する方向に進むためには、
マインドの使い方を意図的な介入によって変更し、
その状態を真として徹底的に採用をしていく。
より本音ベースのその人の"らしさ"や、
生まれ持ってしまったどうしようもない才能を
発揮しまくっているアイデンティティを正しい姿として、
コーチはその人格だけを信用する。
その際に、未来方向に対してはある種の共感性は発揮するかもしれません。
ただその状態は間接的な現状否定という形になる為、
傾聴・共感の関係性はセッション空間上生まれえない。と言う話ですね。
結論:本当の意味で現状の外へ突破する為のコーチングに共感性は不要である。
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アイデンティティを作る、という
認知科学を利用した新たなセッションを、
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