待機児童数が、4年ぶりに減少
Oct
4
より
都市部を中心に深刻な問題になっている保育所の待機児童数が、4年ぶりに減少に転じた。厚生労働省が4日公表した全国の集計結果(4月1日現在)は、前年同期より719人少ない2万5556人だった。ただ、水準は依然として高く、不況で共働きの人も増える。子育て環境の改善が進むかは不透明だ。
■共働き増え高止まり
厚労省は、認可保育所に入れない待機児童の状況を毎年調べている。今年は東日本大震災で被災した8市町で調査できず、それ以外を集計した。共働きの増加を背景に、保育所に通う児童数はこの十数年間増え続けており、今年は前年より約4万3千人多い約212万3千人だった。
待機児童数も昨年まで3年連続で増え、今の仕組みで調査を始めた2001年以降で最多の03年に迫る勢いだったが、今年は減少に転じた。ただ、減少幅は小さく、3番目の高水準だ。全国の待機児童のうち、82.6%が3歳未満。また、81.9%が首都圏や近畿圏、それ以外の政令指定市などの都市部に集中する。
全国レベルでの待機児童減少について、厚労省は「国の補助が手厚くなり、市町村が保育所を整備しやすくなった」と説明。最近数年間は保育所定員の増加ペースが1万~2万5千人程度だったが、10年度は約4万6千人に伸びた。自治体が独自に費用を補助する認可外の保育施設が受け皿となり、減少につながった面もあるとみられる。
■横浜、「汚名」返上
待機児童の問題に悩む自治体は、あの手この手で対策に取り組む。だが、社会情勢の変化で需要も増え、「いたちごっこ」が続く。
今回、待機児童数が4割減った横浜市。09年から続いていた全国ワーストの「汚名」を返上した。10年度は約83億円の予算を投じて、認可保育所を23カ所新設。既存の施設でも受け入れを増やし、約3300人分の定員を上積みした。
駅近くのビルには、3歳未満の低年齢児を預かる認可保育所を2カ所整備。今後に備え、3歳になると、立地が悪く空きがある別の保育所までバスで送迎する仕組みも整えた。
ただ、中には「苦肉の策」も。育児休業中の人が「入所できなければ、育休を延長できそうだ」と答えた場合などを「入所待ち」から外し、見かけ上の待機児童数を277人分圧縮した。
待機児童が増えた自治体も、無策だったわけではない。待機数、増加数ともにワーストになった名古屋市は、保育所新設などで576人分の定員を増やしたが、追いつかなかった。担当者は「不況で共働きになる世帯が増え、保育所ニーズも高まっている。保育所が増えると、預けるのを諦めていた人が新たに申し込む例もあるのでは」。
対策でもっとも効果が大きい保育所の新設には、多額の予算が必要になる。国が少子化対策でつくった「安心こども基金」を当てにするが、これは来年3月までの暫定措置。横浜市の伊東裕子・緊急保育対策課長は「基金がなくなるなら、これに代わる安定財源を求めたい」と話す。
厚労省は、今後の予算編成で基金の期限延長と積み増しをめざす。「基金がなくなれば、保育所の整備が難しくなる。決死の覚悟で確保したい」(幹部)と意気込むものの、国の厳しい財政事情の中、見通しは立っていない。
(前田育穂、長富由希子)
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待機児童数の8割が3歳未満です。
私のクライアントさんにも保育所・幼稚園さんがいらっしゃいます。
都市部ですので、どこも入所・入園待ちの話はよく聞きます。
そんなに待機があるんなら、増改築すればと安易にも言えない事情があります。
増改築に伴う人員基準のクリアです。
勿論、費用の捻出もあります。
民間では、保育士さんの確保の難しさが大きな課題です。
いわゆる公立が、一番給与も高いので人材は、まずそっちへ流れます。
そこから溢れた方が、民間に来ます。(認可保育園・幼稚園)
地域密着なので、基本的には近郊の方になります。
余計に難しい場合があるようです。
また、行政の監査があります。
補助金をもらってますから、独自の給与体系とか水準とかは自由に設定できないのです。多分、原則OKなんでしょうけど、指導が入ります。
勿論、公立の給与の1割程度は下回ります。
就業規則でも重点個所が当該年度で変わりますので、スルーされるとこや、逆に細かい指摘が入る場合もあります。
今一つ・・・何と言いましょうか、煮え切らない感触があります。
勿論、地場の行政と対立するようなこともしません。
良好な関係の中で指導があるわけです。
給与水準くらい自由で構わないのでは?とふと思います。
現場は、本当に大変で気も遣います。
昨今、参観日ではなく、参観月間とか週間を設定されています。
その期間であれば、いつも来て頂いても結構です。
ガラス張りですから、存分に御覧くださいという感じです。
モンスターがまれにいらっしゃったりします。
このモンスターには、常識論は通用しませんから、その出現で一気に雰囲気が悪く
なります。
保護者会、普段の連絡網、事故対応、看護師導入等々、地元で長年貢献されている園や所であっても時代の趨勢に対応しないといけない状況です。
それでも無限の可能性を秘めた子達との触れ合いは、かけがえの無い喜びです。
そういう保育士さんが基本的には多いと思いますし、信じたいです。
善意の運営が永続しますようにと常に願います。