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元請け側も書類送検 クレーン転倒事故

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http://mytown.asahi.com/nagano/news.php?k_id=21000001111160003
より

元請け側も書類送検 再発防止へ警鐘鳴らす
2011年11月16日

 駒ケ根市下平の県立駒ケ根病院(現・県立こころの医療センター駒ケ根)の建設現場で2010年、クレーンが横転し4人が死傷した事故で、駒ケ根署と県警捜査1課などは15日、元請けの「ヤマウラ」(同市)の西村延・現場所長(46)=塩尻市峰原=を含む4人を業務上過失致死傷の疑いで長野地検に書類送検し、発表した。捜査関係者によると、県警は検察側に起訴を求める「厳重処分」の意見を付した。
 工事を巡る事故で作業に直接関わらない元請け業者が立件されるのは異例だ。ヤマウラ側は朝日新聞の取材に対し「元請けとしての管理責任は果たしていた」などとし、容疑内容について争う姿勢を示している。
 他に書類送検されたのは、下請けの「オオタニクレーン」(伊那市)の土橋仁・業務統括取締役部長(46)=箕輪町中箕輪=と春宮惣哉社員(46)=辰野町伊那富=、「塩入建築」(松本市)の竹内正昇社員(67)=同市寿台5丁目。3人は容疑を認めているという。
 事故は、10年2月22日午後2時35分ごろ発生。束ねた型枠材を運ぶ作業中のクレーンがバランスを崩し、前のめりに倒れた。アームの下敷きになった建設会社員の大西睦男さん(当時30)=長野市中条住良木=が死亡し、作業員3人が骨折などの重軽傷を負った。
 県警は、クレーンを操縦していた春宮社員が過負荷防止装置と呼ばれる安全装置を解除し、安全とされる作業半径と定格荷重(330キロ)を超えて型枠材(852キロ)をつり上げようとしたのが事故原因と断定。そのうえで、西村現場所長ら3人の過失が重なって事故が起きたと結論付けた。
 同署などの調べでは、西村現場所長は詳細な作業計画を確認せず、適切な操作などについて具体的な安全指導を行わなかった疑い。土橋部長は具体的な安全指導をせず、過負荷防止装置の解除を黙認した疑い。竹内社員は定格荷重を大きく上回る重量の型枠材をクレーンにかけ、他の作業員に注意を促さなかった疑い。
 伊那労基署も15日、法人としてのヤマウラと西村現場所長、オオタニクレーンと土橋部長、塩入建築と同社社長を労働安全衛生法(元請けや事業者の講ずべき措置)違反の疑いで長野地検に書類送検し、発表した。
                    ◇
 <解説>今回の現場所長の書類送検には、同種事故の再発防止へ全国の元請け業者に警鐘を鳴らすという点で、大きな意味がある。
 日本クレーン協会の年鑑によれば、移動式クレーンの転倒事故によって、2005年からの5年間で40人が亡くなっている。労働安全衛生総合研究所の分析では、死傷者は年間100人前後で、二大原因の一つが「過荷重」だという。今回の事故もまた、大幅な重量オーバーが主因だった。
 クレーンには通常、過負荷防止装置が付いている。定格荷重と呼ばれる制限を超えるとアラームが鳴り、自動停止する仕組み。が、今回の事故の現場では切ってあったと認定された。
 あるクレーン業界関係者は「車の運転で必ずしも制限速度が守られていないのと同じようなもの」と、装置の解除が常態化している現場の実情を証言する。
 県内の元請け業者によれば、現場では作業前に、その日の作業場所での安全な作業半径や定格荷重を確認する。元請け側も立ち会うか、報告を受けるという。この業者は「明らかな過荷重なら(元請けの現場所長の)巡視でも見抜けるはず」とし、今回の書類送検について「元請け側の責任が問われるのは厳し過ぎるとは思わない」と話す。
 実際、全国的にも、元請け業者の責任を明確化する動きが広がりつつある。
 北海道労働局は、08年2月の局長名通達で、クレーン転倒事故の大半は過荷重と過負荷防止装置の解除などが原因と指摘。転倒の恐れがある現場では、下請け業者と共同して危険防止措置を講じることが元請け業者の責務とした。
 東京・麹町で09年、クレーンが横転し通行人が死亡した事故では、中堅ゼネコンの2人が「死傷事故の発生が予測できたのに、朝礼で安全指導を行い、クレーンの転倒を防ぐ注意義務を怠った」として業務上過失致死傷罪で起訴された。
 全国的に同種事故が多発する中、元請け業者にはどの程度の注意義務が課されるべきなのか。現場の実情を是正する意味からも、「厳重処分」を求められた検察側が起訴するか不起訴にするかが注目される。
(二階堂友紀)
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元請け業者に対する警鐘としては、かなりインパクトある事件だと思います。定時巡回等でクリアしていても実際に事故が起こり、違反事項があれば元請けにも飛んでくるということですので。

かも知れない運転とだろう運転は自動車免許更新時に復習します。ついつい、日常に埋没してしまうと見過ごしてしまいます。こういう変な慣れに陥らないようにしないといけないわけです。危険と隣り合わせなのに、その自覚が薄らぐ事に対して、元請けも責任を負わせないといけないほど、事故が多発しているということでしょう。

上記の事件は、過負荷防止装置を解除した上での過負荷による転倒ですから、情状酌量の余地は無いです。

話は変わりますが、現場で無資格運転者も潜在的には多いと考えられます。流石に
大型のクレーンの運転はさせないかも知れませんが、小型、フォークリフト等は少なくはないのではないでしょうか。また無資格者が事故を起こさなければ、実際には何も動きません。行政による臨検で現場にて免許証確認するのは、現実的ではありませんので。

意識の改革は可能ではありますが、難しいですよね。
慣行として多少の無茶は当然みたいな意識が蔓延していれば、なおさらです。

罪の意識が少ないという点で、スピード違反になぞらえるのもどうかと思いますが、それくらいの認識で過負荷運転が現実に横行しているという反証なのが怖い所です。
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KUMA
Commented by KUMA
Posted at 2011-11-15 18:46

少し疑問を感じます、過荷重はクレーンの運転者は熟知していたはず、現場責任者にその管理責任があるとはいえ、過荷重になった資材の状態など、詳細な検証が必要と思われます、一罰百戒の意味はあまり感じません。
建前ではなく現場の事故回避の本当の方法を探るべきと思います・・・・・・

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林孝尚
Commented by 林孝尚
Posted at 2011-11-16 04:54

現場の事故回避は、安全確保も含め、ルール遵守に尽きると思います。

それが、
常態としてできていない、
事故は起こっていない、
なおさら問題意識を持たない、
元請けからの受注を切らしたくないので何かあっても下請が隠す、
みたいな悪循環が定着するのだと思います。

その結果、大事故が起こる。
これを不運だという認識を持つ人がいれば、繰り返しになります。

東電に見られたパターンと似ていると考えます。

ので、元請けを締め付けることで、下請、現場に浸透させるという色合いが強く、だから疑問に思いますし、納得し難いと思います。

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