http://www.jil.go.jp/kokunai/mm/hanrei/20121017.htm
より
エンジニアの過労死認定/開発会社に賠償命令、福岡
システムエンジニアだった福岡市の女性が2007年4月に31歳で死亡したのは過労が原因だとして、大分市に住む両親が、勤務先だったシステム開発会社に約8,200万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、福岡地裁は11日、過労死と認め、同社に約6,820万円を支払うよう命じた。
賠償を命じられたのは、東京都新宿区のアドバンストラフィックシステムズ。
判決理由で府内覚裁判官は、女性の07年2月の時間外労働時間が127時間を超え、進行が遅れていたプロジェクトを納期に完成させようとしたため精神的緊張があったとして、死亡と業務との因果関係を認定。
死亡1カ月前に自殺を図った女性が職場復帰した後も、会社側が健康状態を確認していないことなどを挙げ、注意義務違反があったと認めた。
判決によると、女性は合併前の会社に1998年入社し、福岡事業所で勤務。06年からJR九州のシステム改修のプロジェクトに携わり、07年2月には午前9時から翌日の午前5時まで働くこともあった。07年4月、出張先の東京都内のホテルで、致死性不整脈のため死亡した。
判決後に記者会見をした父親は「娘は亡くなったが、これで一つ区切りがついたという気持ちだ」と述べた。
同社は「判決内容を見ていないのでコメントできない」としている。
(共同通信)
2012年10月11日
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直近の時間外労働が100時間超、お亡くなりになる前月に自殺未遂されています。
会社側の安全配慮義務違反を問わせて当然の結果と言えましょう。
価格競争しながら受注し、限られた人件費でタイトな納期を遵守するのは、現実問題として普通に存在します。入札という自由競争の結果が不当な人件費圧縮を生み、労災死の原因だと厚労省は認定するでしょうか。そのような認定は、自由な経済活動を阻害すると当然に反対されるでしょう。であれば、受注側企業の労働者への安全配慮義務であったり、時間外労働の制限等の規制を強くするしかありません。
このような背景が、受注者側(大手)の法律遵守に貢献しているという見方があります。発注側は、リスク排除とコスト削減が可能となり、その一方で、受注側は、リスクを担うことが売上獲得の源泉という見方もできます。
日本の縮図のような事案だと思います。因みに、本件の会社HPを見れば、資本関係・役員関係・受注案件他でJRとの関係性が密であることが窺えます。
http://www.atrasc.co.jp/corp_outline.html
お亡くなりになられた方の御冥福をお祈り致します。
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