改正労働契約法
Oct
17
http://labor.tank.jp/keiyakuhou/2013kaisei-hou18-20.pdf
より
資料 改正労働契約法
(平成25年4月1日施行 但し、第19条は平成24年8月10日施行)
労働契約法の主要改正点は以下の3点です。
1 無期労働契約への転換(第18条)
有期労働契約が反復更新されて通算5年を超えたときは、労働者の申込みにより、期間の定めのない労働契約に転換できること。
2 「雇止め法理」の法定化(第19条)⇒ 平成24年8月10日施行
最高裁判例で確立した「雇止め法理」が法制化され、一定の場合には、使用者による雇止めは認められないこと。
3 不合理な労働条件の禁止(第20条)
有期契約労働者と無期契約労働者との間で、期間の定めがあることによる不合理な労働条件の(相違)設定を禁止。
◆ 反復更新で通算5年のカウントについて
有期労働契約が再度締結された場合、その間の長さが次のいずれかに該当する場合には、法第18条第2項の空白期間に該当し、当該空白期間前に終了している全ての有期労働契約の契約期間は、同条第1項の通算契約期間に算入されない(クーリングされる)こととなること。
① 6か月以上である場合
② その直前の有期労働契約の契約期間が1年未満の場合にあっては、その期間に2分の1を乗じて得た期間
◆ 無期労働契約の転換についてのQ&A
問 「5年を超える」とは? 反復更新されていない有期労働契約はどうなる?
答 有期労働契約が5年を超えるとは、同一の使用者との間で結ばれた2以上の有期労働契約の通算機関が5年を超えるという意味です。
更新がなされていない有期労働契約には適用されないことに注意が必要です。
問 「同一の使用者」 とは?
答 労働契約の締結主体をさしますから、事業場単位ではなく法人単位の適用となります(個人事業主の場合は当該個人事業主)。
問 無期転換申込権を行使しても、使用者が拒絶したらどうなるか?
答 無期転換申込権を行使した場合、申込時の有期労働契約が終了する翌日から無期労働契約が成立したものと見做されます。
(法律的に成立したものと見做されますから、使用者の承諾は必要ありません。)
問 申込を拒絶できないとなると、使用者の対応は?
答 使用者は、労働者から無期転換申込権の行使を受けた場合、これを拒否する方法はありませんので、法律的に一旦成立した無期労働契約を解除(解雇)するしかありません。
この場合、「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない場合」は、解雇権濫用として当該解雇は認められないこと(労契法第16条)に注意が必要です。
問 無期転換後の労働条件はどうなる?
答 無期転換申込権の行使により成立した無期労働契約の職務、勤務地、賃金、労働時間などの労働条件は、原則、直前の有期労働契約と同一となりますが、別段の定めをすることにより変更することは可能です。
問 あらかじめ無期転換申込権を放棄させることはできない?
答 使用者が有期労働契約者に対して、契約更新の際に、無期転換を申し込まないことを条件にするなど、あらかじめ労働者に無期転換申込権を放棄させることはできません(法的に「無効」とされます)。
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企業側に雇用義務に対するプレッシャーが相当高まる内容です。
早めに雇止めしようと加速するような気がします。
企業にとっての有益な人材の絞り込み作業が激し過ぎて、人材育成に対する猶予が無くなりそうです。
高年齢者雇用安定法改正で、65歳までの希望者全員の雇用義務による押しつけもあり、一層40歳定年や退職勧奨等が激化するでしょう。
企業における人事部やコンプライアンス部の役割が、自社従業員の解雇事由の発掘作業に重きを置かれそうです。
現実的には、労使共に不幸になっていく法律ではないでしょうか。